汗対策

汗のイタズラ

 
 
《《A
A子
汗が美肌を護る天然の化粧水の役割を果たしているのは、先週の授業でよく判りました。
でもその汗がたくさんだと、どうして良くないのですか?
《《B
B子
汗をたくさんかくときって、体温が上がるからでしょう。
すると身体の中の悪いものも一緒に外へ出すのよ。
それがきっと肌に影響するんだわ。
ニキビに悩まされてたときなんて、汗をかくとチリチリしたもの。
《《C
C子
そんなに汗が悪いかね。
家の愛犬ポチなど、毎朝散歩から帰って亭主に抱き上げられたとき、汗だらけの亭主の顔をぺろぺろなめてるがね。
ところが風邪一つ引かない。
S》》
サッポー先生
ハイ、それでは授業にはいります。
流れるような汗は肌にどんな悪影響を与えているのでしょう。
 
 

流れるような汗

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

前回の講義では、いつも蒸泄されているが気づくこともない汗、肌の美しさと健康を作り出している汗、不感蒸泄の汗について説明しました。

今回は目に見える汗、玉の汗、流れる汗、噴き出す汗です。夏の特徴とも言えるこれらの汗についてみていきます。
この流れるような汗に罪はないのですが、対処を間違うと見事に肌を傷めていく性質を持っています。

▼ 流れるような汗の特徴

通常の汗は99%が水分です。
ところが流れるようにかく汗はほとんどが水分、限りなく100%に近い真水のような構成になっています。
体温の上昇を下げるために、全身の皮膚が必死になって働いた結果です。

この真水のような汗は量が多く、肌一面をおおいます。
それが蒸発していくときに肌より気化熱を奪い、体温を下げてくれます。
一方、吸湿力に優れた肌(角質層)はこの汗から素早く精一杯の水分を吸い取り、肌を潤そうと働きます。

しかし、汗の量が多いのですぐにオーバーフローし肌から流れていく、蒸発していくということになります。
この時肌に風を受けると蒸発量が多くなり、肌温をさらに冷やしてくれるのでとても爽やかに感じ、気持ちがいいものです。

これが流れるように出る汗のありさまです。

 
 

肌を傷める汗

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

“汗に含まれる様々な成分が肌を傷める”などという説明が時々されています。
例えば塩分(Nacl=食塩)が含まれているので、肌に傷などがあるとヒリヒリしたり痒みを覚えたりします。

しかし、このようなことは肌にとって些細なことです。
おみそ汁が肌についた方がはるかに問題でしょう。

▼ 汗は肌(角質層)を壊れやすくする

汗の弊害は汗の水分そのものが原因です。
肌上の水分が多すぎることにより、多すぎる水分が肌(角質層)を壊していく、分解していくのです。

長風呂したり、泳いだときなど、角質層の厚い手のひらや指の腹、また足の裏や足指などが白くなってふやけているのに気づきます。
これは層の厚い角質層がいっぱい水分を含んでいる姿です。

この白くふやけた角質はとてももろくなっており、少し強い力が加わると壊れ、はがれやすい状態になっていることは誰もが自覚していることです。

▼ 汗は肌から天然の保湿成分を奪う

手のひらや足裏は角質の層が厚いから白っぽく見えるのですが、大汗をかいている顔の肌においても同じことがおきています。
角質層が薄いため白っぽく見えないだけです。

ところが、この時もう一つ危険な現象が起きています。
肌を覆っている水分は体温の影響もあり、どんどん蒸発しています。
この時水分とくっついた角質の持つNMF=天然保湿成分も一緒に奪われていきます。

NMFのおかげで、角質はいつも汗から水分を補給して美しい肌を維持していますが、汗が多すぎると今度はNMFの減少が始まるのです。
美しさを維持する角質の機能が失われていくのです。

 
 

汗のイタズラが及ぼす肌への悪影響

 
 

▼ ターンオーバーのサイクルが狂い始める

大量の汗が角質を壊れやすくし、肌の保湿能を奪っていたら肌はどのようになっていくのでしょう。

  1. 角質がはがれやすくなる
  2. 肌(角質)が硬くなる

まさしく、冬の乾燥で肌が傷み、カサカサ肌ができるのと同じ現象が起きるのです。
保湿能が弱くなり、水分が減少すれば角質(肌)は硬くなるのは当然ですが、もろくなります。
おまけに汗の水分でふやけてチョッとした力が加わると簡単にはげ落ちていく状態が作られるのですから、角質のはがれが早まるのもごく自然なことです。
肌作りに於ける悪循環の土壌が作られていきます。

▼ 水分の少ない肌は夏に作られる

ところが日本の夏は、この悲劇の進行を自覚させるのを遅らせています。
なぜなら湿度が高いためです。
9月の長雨が終わる頃、秋のカラッとした空気が現れるようになって初めて、肌の硬さに気づくようになります。
肌のかさつきを見つけることもあります。

しかし、この程度ならましな方です。
冷房された空間、エアコンディショニングされた空間で過ごすことの多い人には、

  1. 外ではべたつき気味、冷房されてると乾燥気味…
  2. 夏でもかさつきが気になる…
  3. オイリーなのにドライ肌…
  4. 混合肌が進行、より深刻に…
  5. ニキビはなかったのに、いわゆる大人のニキビが…
  6. 夏から秋にかけてひどいニキビに悩まされる…

既にこのような症状として現れている人が多いのです。
『夏はいつもそうだから仕方がない』と思いこんでいる方もいます。

 
 

汗対策

 
 
S》》 汗が肌に対し深刻な悪影響を与えるものだということがわかりました。
心当たりのある方は多いはずです。
どんな化粧品を使えばいいのか、どんな肌管理をすればよいのか……。

具体策にはいる前に、チョッと一休みしましょう。

《《A 汗がこんなにすごい角質の敵だったとは気がつきませんでした。
でも汗の水分が悪者なんて…水分で角質の美しさと健康が作られているのに……?
《《B そうですよ!サッポー先生。
肌に覚えのあることが沢山あることは認めます。
でも……これでは毎日のお風呂だって良くないのでは?
《《C そうだよな。あの気持ちよいお風呂が悪いとは思いたくないね。
間違いなく肌は水浸しで足の裏、特に足指なんてみごとに白くなってるよ。
顔の肌だって湿度100%、汗はぷるぷるだしな。
とても危険な状態ということになるぞ。
S》》 お風呂はいいのですよ。
でも汗は良くないことが多いのです。
対策に進みましょう。
 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

▼ 汗で肌(角質層)が傷むのは

  1. 汗で肌が水浸しになり、その状態が何時間も続いている。
    汗でふやけるだけならいいのですが、その間汗の蒸発も続き肌のNMFは奪われ続けていることです。
    一方湿度100%のお風呂では汗の蒸発はありません。
    しかし、角質が壊れやすくなっているのは同じです。
    タオルでゴシゴシこするようなことをしていたら、お風呂でも見事に肌を傷めます。
  2. 肌(角質層)が、水浸しになったり乾燥したりを繰り返す夏は、肌が大量の汗で水浸しになったり、冷房空間で肌が乾いたり、の繰り返しが多くなります。
    この繰り返しが悪影響大なのです。
    効果的に角質層を壊れやすくしていきます。
    水仕事の多い手が荒れるのは女性なら良く経験しているはずです。
    冬の乾燥した時期に荒れやすいのですが、ビル冷房の超乾燥空間では汗と乾燥の繰り返しが水仕事と同じ悪影響を肌に及ぼすというわけです。

▼ 汗対策はどうしたらよいか

  1. 肌の汗(水分)が蒸発することを少なくする対策はいろいろあります。
    汗をかかないのもその一つですが、解決になりません。
    お風呂のように湿度100%のところで仕事をすれば蒸発しない。
    これは現実的ではありません。
    肌に汗を貯めない
    これがもっとも確かな対策です。
    汗をかいてもこまめに汗をふき取ることなのです。
    肌の汗が少なくなれば蒸発も少なくなります。
    肌のNMF減少も少なくてすむわけです。
  2. 汗のふき取りは肌(角質)を傷めないように特にやさしく。
    お風呂でゴシゴシがダメなのと同じです。
    豆腐のように傷つきやすくなっている汗をかいた肌の水分は、ハンカチ・タオル・ティッシュ…なんでも良いですが、軽く押しあて吸い取るようにすることがポイントです。
    こすること
    滑らせること
    強く押さえること
    この三つの行為は絶対に避けるようにします。

上の1、2、を原則として、普段の生活では応用力を働かせ、自分で考えましょう。

例えば汗をかいて涼むとき、汗をふき取ってから涼むのです。
汗をかいたままクーラーの風をまともに受けて、『気持ちいい』ではいけないのです。まずふき取るのが先です。

 
 
《《B なんだかずいぶん脅かされたけど、簡単ね。
これなら汗なんてへっちゃらよ。応用力もばっちり。
《《A 汗だけをテーマに講義してもらったけど、夏向けの化粧が大流行ですね。
汗を肌に貯めない、肌を乾燥させやすくして、さらりとした肌を実現するものと見ていますけど、肌に良さそうに思いませんか?
“応用力のある”B子さん?
《《B ……それはきっと汗を肌に貯めないから……○……よね?
《《C 応用力が聞いてあきれるね。

肌に貯まらないのは良いが、肌の水分が100%蒸発してることに変わりないから、NMFはたくさん奪われ続けているのさ。
ドライ肌が増えてるわけだな。

肌(角質)に優しい化粧品で、女性らしい肌管理の基本を身につける。
“ばっちり”というのはだね、永年かけて磨いてきた女の品性、躾が可能にする様をいうのさ。
自然な立ち居振る舞いだね……私を見てごらん。

S》》 一本取られましたね。B子さん。
 
 

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