大人のニキビに悩む人が多いのはなぜ?本当の原因は○○にあった!

ニキビに悩む女性のイメージ

『大人のニキビ』という言葉がありますが、思春期から10代に出来るニキビと違いはあるのでしょうか。

皮脂が毛穴に詰まるという現象は、同じニキビに違いありませんから、“大人の”という形容詞は、皮脂分泌が少なくなった大人の肌に出来ているという意味しかないのでしょう。

今日はこの、大人のニキビについて講義を進めていきます。

皮脂が詰まらない肌ならニキビはできない

皮脂分泌が特別過剰でない限り、そう簡単にニキビはできません。思春期のように皮脂が過剰な時期においてさえ、基本的なケア・肌管理が出来ていたら、たくさんのニキビとつきあっているというようなことは、本来あり得ないのです。

ニキビの原因は様々言われていますが、根本は皮脂が詰まりやすい肌になっているからです。皮脂が詰まらない肌にすることが、根本的な対策です。

まして以前より皮脂が少なくなっているはずの肌にできているニキビは、十中八九、肌管理に誤りがあるといえます。

しかし、周囲の女性にニキビのある人がどれくらいいるか、見回してみるとどうでしょう。目立たない小さなプツ…に、プツプツ、けっこう目立つのがポツポツまで、それも20代だけでなく、30代、40代にも、いいえ、50代・60代にもかなり見ることができます。

もはやニキビは『青春のシンボル』ではないようです。どうしてこんなに大人のニキビが多いのでしょう。

皮脂が詰まらず、柔らかくハリのある、ニキビの出来ない肌にどうすれば、実現可能なのでしょう?

皮脂詰まり(ニキビ)はどうして始まる?

毛穴は閉じているのが普通の状態です。このような状態では毛穴は硬くならず皮脂が多くても自然に押し出されていきます。

ニキビ図解

なぜ詰まるのかというと、毛穴を作っている壁(これも角質層です)が硬くなるからです。硬くなるのは角質層が何かのダメージを受け、乾いて縮むためです。すると毛穴が開いてきます。押し出されてきた皮脂がそこに滞留し、毛穴出口付近にこびりつきます。

これが皮脂詰まりの始まりです。

毛穴出口付近はますますダメージを受け、傷めつけられた角質層は剥がれやすくなります。このようになった角質層は、バリアーとして役に立たないので、すぐに剥がれます。すると、表皮の角化が亢進され、一方で角質層は厚くなろうとします。

つまり、角質はどんどん剥がれ続け、それを補うために、未熟で乾きやすい角質がどんどん作られ続けるようになるのです。このようにして毛穴が塞がれていきます。

まさに悪循環です。このような悪循環が始まった肌が元通りの水分を含んだ柔らかい角質になり、毛穴が柔軟な角質の壁で閉じられた状態に戻すにはどうすればいいのでしょうか。

その前に、大人のニキビについてもう少し見ていきましょう。

大人のニキビに悩む人は、なぜ多いのか?

ニキビが出来ない肌は、肌がいつも瑞々しく、毛穴がいつも柔らかく閉じた状態だと分かりました。でも、いくつになっても、多くの人が大人ニキビの悩みからなかなか脱出できないのは、ニキビに関する情報がたくさんありすぎるせいかもしれません。

インターネットの情報や化粧品のパンフレットから、ニキビの原因や対策について説明されているのを拾うと、

よく目にするニキビの原因

  • 過剰な皮脂
  • 生理不順などホルモンバランスの異常
  • 油性化粧品は良くない
  • ストレスが良くない
  • 睡眠不足
  • 便秘
  • 食生活
  • 肌の汚れ・アクネ菌
  • …等々

よく目にするニキビの対策

  • 肌を清潔に丁寧によく洗う、でもゴシゴシ擦らない
  • 油性化粧品は使用しない
  • ストレスを貯めない
  • 抗菌作用のある洗顔料
  • 毛穴の汚れや古い角質を取り除く
  • ビタミンAを摂る
  • ビタミンB群を摂る
  • …等々

これらのいずれか、あるいは複数にこだわってニキビ対策としていたら、たまたま良くなる場合もありますが、たいていは失敗に終わります。全て間違ったこととは言いませんが、あなたの肌を対象にした原因や対策ではないため、あなたの肌にとっては間違った対策になることも多いからです。

いくつか例を挙げてみましょう。

「過剰な皮脂が詰まるのが原因だから、まめに丁寧によく洗う洗顔が大切」

過剰な皮脂が原因だとは限りません。皮脂の分泌はごく普通でも、毛穴出口付近の角質が硬くなれば、皮脂が詰まり、ニキビが出来ます。こんな肌をもし洗い過ぎたら、ますますひどくなるか、少なくとも改善はされません。

また、皮脂が過剰な場合であっても、洗い過ぎて角質まで落とす洗顔になっていたら、肌は硬くなり、毛穴が目立つようになります。さらに進行すると皮脂詰まりが起きる部分が増えてきます。

いずれの場合も、洗いすぎると、その場はサッパリしても、ますます皮脂が活発になっていきます。大切なのは柔らかい角質を維持すること。皮脂の状態に関係なく、いつも角質に優しい洗顔であることが求められているのです。

「油性化粧品はニキビに良くないから、使用しない」
「○○はダメ!」はダメ!?

こういった情報を聞いたり、また脂っぽいからと油性化粧品を嫌う人がいますが、これでは肌は乾燥ダメージを受けることになるので、ニキビは良くなりません。ニキビ肌や脂性肌にも欠かせないのが、化粧水で整えた肌を乾燥から守る、保護のケアです。この役割は、乳液やクリームが担っています。

皮脂の多さは、肌のSOSです。肌が肌自身を守るために皮脂を増加させている姿です。乾燥から護ってあげないと皮脂は過剰分泌を止めないのですね。

但し、炎症を伴うニキビの場合、乳液やクリームが肌が過敏に反応し、さらに炎症を促進させる場合があります。この様な時は改善につながりません。

この場合、皮膚科の医師が処方するように肌が反応することの少ない白色ワセリンで乳液やクリームの代用としましょう。反応しにくさは白色ワセリンに劣りますが、サッポーのエスカバーが使用できたら、日常のスキンケアに近いケアとなります。

「アクネ菌がニキビ悪化原因だから、抗菌作用のある洗顔料がよい」

毛穴の皮脂が増加すると、皮脂を好むアクネ菌が異常に増殖し、普通のニキビが炎症ニキビへと発展していきます。だから、洗顔料に抗菌作用のあるものを、ということでしょうが、この場合はマイナス面の方が大きくなります。

皮膚には、アクネ菌を初め10種類以上の常在菌が、バランスをとりながら住み着いています。これら常在菌がバランス良く住み着いている限り、肌に有用な働きをしています。有害菌の増殖を抑制してくれたり、脂質の過酸化を防止したり、皮脂膜を強化し皮膚を守ってくれています。

洗い過ぎや特にこのような洗顔料を続けて使用していると、他の常在菌も減り、常在菌のバランスが崩れます。すると肌にとって危険な細菌が増えやすい状態になります。

肌がニキビで炎症を起こしている、あるいは炎症を起こしそうな時は、これはもう皮膚科医や市販薬に頼るべきです。

薬に関しては、こちらの美肌塾を参考に

参考:「薬と化粧品、併用してもいい?

例はこれくらいにしておきます。
大人のニキビが増えているのは、上のような一面だけを捉えた情報が広がっていることに原因の一つがあるようです。そして、それに準ずるように洗顔料やケア製品に、角質を剥がれやすくする傾向のものが多くなっていることがあげられます。

では、大人のニキビにはどのようなケアが求められるのでしょうか?

それは、サッポーがいつも言っている角質ケア、“肌が育つケア”です。本来角質は一日一層ずつ剥がれているのですが、間違ったスキンケアで予定以上に角質を剥がしているのが、ニキビが良くならないそもそもの原因です。なので、肌に優しい、負担のないスキンケア製品で、角質を必要以上に剥がさないケアが、健康で水分の多い柔らかくて透明な肌(角質層)を育てるポイントです。

大人のニキビに心当たりがある人は今一度、スキンケアを見直してみましょう。
続けるだけで、肌はもっと良くなる(きれいになる)こと間違い無しです。

肌は一日で出来るものではありません。育てていくものだと言うことを忘れないようにしましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 大人のニキビも思春期ニキビも原因は同じ、普通のニキビと考える
  • 情報に惑わされない、正しいケアで大人のニキビからの脱却を
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第124号 / 2003年5月23日 発行


コメントは受け付けていません。