たるみ、目蓋のたるみ

「しわは防ぐことが改善にも繋がる」というのが前回のお話でした。
それではたるみも同じでしょうか。
しかしたるみを防ぐといっても、いったい何に注意すればよいのでしょう。

 
 
《《B
B子
リフトアップ、お肌のリフティングのことでしょう。
《《A
A子
イメージはよく解りますけど、表皮全体でもその厚みはわずか0.2mm程度と聞いてるし、その内角質層はさらにその1/10程度の厚みしかない、ということでしょう?
リフトアップといわれても……。
イメージが消えていきます。
《《C
C子
あたしなんかはイメージそのものができないね。
リフトなんて、フォークリフトかウェイトリフティングしか想像できないものな。
《《B お肌がキュッ!と引き締まって、脂肪でたるんでいた肌がピン!となることでしょう。
…想像できるのに。
《《C 表皮が重い脂肪を持ち上げるってわけかい。
S》》
サッポー先生
お話が混乱しているようです。
授業を始めますよ。
 
 

たるみ、目蓋のたるみ

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

まず最初に、言葉の混乱を取り除いておきましよう。
“たるみ”とは状態を表す言葉です。
リフトの意味は「持ち上げる」で使われています。
混乱の原因は、“何が”たるんでいるのか、“何を”持ち上げるのか…が明確でないところから起きています。

  • 肌がたるんでいる、肌のたるみ
  • お肌のリフトアップ、お肌のリフティング

この肌とは、いったいどの部分を指しているのでしょう。
自分にとって都合の良いように考える傾向はありませんか?
一方、販売のためのケア提案も都合の良いようにイメージして欲しいのかも知れません。
肌が美しくなっていくことをイメージするのは大切ですが、ケアの具体的なところでの間違いは良くありません。
明確にしておきましょう。

▼ 肌のたるみは筋肉の退化と真皮層弾力繊維の劣化をさす

肌がたるむ主因は、表情筋の退化・萎縮です。
筋が退化すると、それを覆っている厚い脂肪層の重みで、細くなった筋繊維がゆるんでしまうのです。
これらを包む弾力繊維でできた真皮層のネットは、さしずめガードルのような物でしょうか。
しかしガードルほどの効果はなく、比較すべくもない薄い真皮層では、ゆるんだ筋肉や脂肪の重みに耐えるものではありません。

肌のたるみの根本原因は、筋肉の退化なのですね。
退化した表情筋が元通りシャキッとした強さと弾力性を取り戻すと、たるみは消えるというものです。
また、活発な筋肉の運動は余分な脂肪の蓄積を防ぐことにつながります。

お肌のリフトアップ・リフティングとは、本来ならこの退化した筋肉を鍛え直し、復活させることにあるのですが、化粧品で筋肉に影響を与えるような恐ろしいことはできないですからね。
「よし、それなら筋肉を鍛えよう」といってスポーツトレーニングのようないじめ方をするとダメですよ。
これはまた後でお話ししましょう。

一般に使用されている“リフト”の対象は表皮にあるようです。

▼ 表皮のたるみ?とは、肌にハリがないこと

表皮のはっきりしたたるみは、上の肌内部のたるみが現れているものですが、肌が何となく元気がない、しわっぽく見えるという悩みがあります。
つまり、肌にハリがない状態です。

これは本来のたるみではなく、肌のハリ(張り)が失われている状態です。

  • 肌(表皮)の弾力のベースになっている真皮層の劣化が現れたもの
  • 肌(表皮)の水分量の減少が見せる肌の姿・表情

この二つに分けて見ていくことが必要です。
真皮層の劣化は、前回美肌塾の「しわは消える?消えない?」で授業したのと同じです。
真皮層の劣化はしわも作るし、肌のハリもなくすということです。
対策の基本は同じですから、肌のハリが気になる方は見直しておきましょう。

▼ リフトアップ、リフティングの対象は表皮

もう一つの表皮のたるみを作る水分量。
この肌の水分量を増やすケアがリフティングとか、リフトアップといわれているケア製品です。
といっても行われることは、角質層を水分で潤し、その水分を永く肌に留めようとする試みです。
保湿・保護のケアの別名といって良いでしょう。

「何だ、保湿・保護か。それならチャンとしてる。」…で済ませてはいけません。
化粧品会社が手を変え、品を変え、言葉を変えて販売しようとしてると捉えるのではなく、上手な保湿・保護を提案しているのだと捉えるべきです。

肌の表層(角質層)が潤い、ピンと張った状態にあると、本当のたるみがあったとしてもたるみなど感じさせません。
角層が良い状態にあると、表皮全体の水分も容易く維持されるのです。
そういった意味でリフトアップ、リフティングといった言葉が使われるのは、良いように思います。

大切なのはそのケアの結果、さらに健康な角質が育ち、さらにたくさんの水分を角質層自らが保つことができるようになっていくものでなければなりません。
このようにしてできたリフティングは、肌(表皮)そのものの価値ある変化です。

 
 

特に気になる目蓋(まぶた)のたるみ

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

数ある顔筋の中で目の周りにある表情筋を眼輪筋といいますが、その中で忙しく動く目蓋を支配している数種の筋肉があります。
この筋肉が損傷を受けたり、衰えてくると目蓋がたるんできます。
とても精妙で繊細な筋肉です。

この筋肉の劣化は何が原因になっているのでしょう。
化粧品やケアで解決するものでしょうか。

まず劣化の原因から見ていきましょう。

▼ 物理的な損壊

えっ!と思われるかも知れませんが、目蓋を動かしている筋肉は簡単に断裂します。
特に、筋肉と目蓋の皮膚との接点(腱膜)が切れてしまうのです。
なぜかというと、デリケートな作りの上に、皮膚そのものが薄いところにあるものですから、皮膚の動きに影響されやすいのです。

  • 目蓋の下手なマッサージで切れる
  • 痒い時に思わず目蓋をもみくちゃにする時に切れる
  • 泣いた時の乱暴な涙を拭く行為で切れる
  • アイメイクを落とす下手なマッサージで切れる
  • 乾き目での瞬き(まばたき)の増加で切れる
    (摩擦が大きく、接点(腱膜)の負荷が増すため)

筋肉と目蓋とのつながりが少なくなっていくと次第にまぶたが重くなってきます。
たるんだ目はこのようにして作られていきます。
驚くほど簡単な行為で切れていくのです。注意してください。

▼ 筋肉の劣化を促進するもの

化粧品やケアは目蓋のたるみに余り関係ないのかというと、そんなことはありません。
筋や腱膜を切れやすくしている要因と、大いに関係しているのです。

  • 血行が悪いと筋肉は弱くなり切れやすくなる
  • 紫外線ダメージは血管を損傷、劣化させ血行を悪くする
  • 乾燥・酸化ダメージなど、皮膚への刺激が血行を悪くする
  • 疲れ目は眼球を支配する筋肉だけでなく、皮膚とつながる眼輪筋を緊張させ、血行を悪くし、筋肉を劣化させる

目蓋の皮膚を健康に維持することが血行を良くし、筋肉の弱さをカバーしてくれている面が大いにあります。
また、目の健康そのものにも注意することが、目蓋や目の周りの筋肉の劣化を防ぐことになるのです。
車の運転、パソコンやディスクワークの多い人は特に注意が必要です。

目蓋のたるみを例にお話ししましたが、目の周りのデリケートな筋肉はみんな同じようなものと考えてください。

 
 
S》》 さて、たるみについての基本的な知識をお伝えしましたが、次回はその対策、「たるみ対策」に絞って授業しましょう。

では、今日の授業はこれまで。

 
 

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