美肌づくりの視点 Part-2…ダメージや物理的な力の程度

 
 
《《C
C子
母親の視点にはまいったね。
随分以前のことだがね、ふと態度が鼻について、ある時期、息子を叱り続けたことがあったのさ。
効果覿(てき)面でね。態度は良くなった。
ところが、息子の良いところだった馬力がなくなってしまったんだよ。
《《B
B子
ふむ、ふむ。それでどうしたの。おばさんは。
《《C 多少腕白でもイイかと、グッと抑えて誉めることにしたのさ。
ところが、誉めてやろうと思っても言葉が出てこないんだ。
長所を探すにも訓練が必要なんだ、と気がついたわけさ。
短所なら、探さなくても気がつくのにな。
《《A
A子
あんなに素敵な人なのに……ですか。
《《B (おばさんは根っからの“あら探し”の名人なんだ……。)
《《C ニキビができると、ケアが全部間違っているかのように思いこむのは貧しい母親の視点だよと、全体を見る視点を見失うな、と言いたかったのさ。
(なにか誤解された気がするな…。)
S》》
サッポー先生
ハイ、授業を始めましよう。
 
 

美肌づくりの視点 Part-2

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

角質が良く育ち、美しいかどうか。
そのような良い状態でターンオーバーが繰り返されているか否か。
これが肌の美しさ、健康度を決定づけています。
そうでしたね。

角質は傷んだり、強い力を受けると予定外に剥がれていくことになりますが、そのことがターンオーバーのサイクルを理不尽に早め、美しい角質が育つ時間的な余裕を奪っています。

その原因は、

  1. 肌(角質)そのものを傷める様々なダメージ
  2. 摩擦を初めとする物理的な力が不適当に加わる場合

大きく分けると上の二つに集約されます。
これらを細かく分解・分類し、授業で説明してまいりましたので、皆さんも知識としては十分に理解されていると思われます。

ところが、サッポーは大切なことを忘れていたようです。
前述のダメージや物理的な力が加わるその『程度』について、どれくらいが許されて、どの程度だとダメなのか。
お伝えする言葉が不足していたように思います。

これは死角や盲点になり得ますね。
読者は解ったつもりになっているかもしれません。
しかし、「塩分の摂りすぎはダメですよ。」といっても、どれくらいが取りすぎなのか判らないと役に立ちません。
また今日は取りすぎたから、明日少なくすればよい?…これでよいのかどうか…などですね。

 
 

物理的な力の程度

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

物の重さは秤に乗せると簡単に計れますが、力などは日常生活で計れる物ではありません。

いつも強面の部長が「すまぬが、肩を叩いてくれないか」と言うので、A君が力を抜いて優しくトントンと、リズミカルに

叩き始めると、「オイ!きつすぎる。もっと優しくっ……!」と部長の悲鳴を聞くことになりました。

これなどは相手がいるので、強すぎたのだなと気づくことができますが、自分の肌の場合、この程度が解りません。
気づくことなく、過ぎた力が悪い影響を与え続けている場合があります。

スキンケアにおける例を見ていきましょう。

 
 

洗顔は優しく丁寧に

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

良く耳にする言葉ですね。
これは、汚れは落とさなければいけませんが、まだ働いている角質まで落とすべきではないからです。
しかし、傷んだ角質ははがれやすくなっています。

肌が水分を含む洗顔時は、特に角質がはがれやすい状態になるので、よけいな力が加わると剥がれて欲しくない角質も剥がれていきます。
このように説明されると“よけいな力”とはどの程度の力か判らないのに、判ったつもりになってしまいます。

1. “優しく”の最大の狙いは摩擦を小さくすることです。

肌は‥というより角質の層は、とても摩擦に弱い構造です。
肌を少し強目に擦ると垢が出てきた、という経験は誰にもあります。
この強めに擦った時に取れる垢が、(水分を含んだ)角質です。
手指になにも付けずに肌を擦ると、摩擦は大きくなります。
最も大きくなるのが、湿った肌同士で摩擦する時です。
密着度が高まるからです。
アカが取れるのもこのような時ですね。
しかし、ベタベタに濡れた状態、例えば浴槽につかっている時の肌同士の摩擦はそんなに大きくありません。
肌と肌の間に多量の水分が介在し、潤滑油の役目を果たすからです。

このように、水は摩擦を大きくしたり小さくしたりする存在ですが、スキンケアの知識としては、摩擦を大きくする要素を持つもの、と捉えておいた方がいいでしょう。
汗をかいた時、湿度の高い日などは、迂闊に肌を擦らないようにしましょう。

さて、本題の「洗顔は優しく丁寧に」に戻しましょう。
洗顔は、洗顔料の持つ潤滑成分や潤滑素材が、摩擦を低下させるように働きます。
クリーム、オイル、ゼリー状物質、泡などが潤滑剤です。
水と違って少々強く擦っても、摩擦が高くなりません。
これらの潤滑性能により、摩擦感が少なければ、良く滑る状態であれば「優しい」と言ってよい状態です。
かなりの力が加わっていても摩擦がほとんどなく、よく滑っていたら大丈夫というわけです。

ニキビなどが出来やすい状態にある人は、適当なマッサージ圧で詰まりかけている固まった皮脂を押し出すことは、むしろ必要なケアと言えます。
したがって、洗顔時によく滑る状態で十分なマッサージ圧をかけることは、ニキビの成長を防止する優れたケアテクニックです。
しかし、この時のマッサージ圧が摩擦をも作り出しているようだと、逆効果です。
短期的なニキビ防止にはなっても、角質をはがし、さらにニキビができる土壌を拡大していることになるからです。

とにかく優しくさえ洗っていたら、まず問題はないだろう、ということで、なでるようにとか、強く押さえないでとか、泡で包み込むようにとか、様々な案内がされています。
便利なのでサッポーも時々使用しますが、多くの誤解や、判ったつもりを作り出していたかもしれませんね。

大切なのは摩擦に注意することなのですね。
ところが上手に洗顔していたのに、最後のすすぎの時にしっかり肌を摩擦している方がいます。
バシャバシャ湯水をかけるだけにしたいところです。
あるいは、手指を使用せずシャワーをあてるだけ…が良いのです。
すすぎの時は潤滑剤がなくなり、摩擦が高まりやすい時なのですね。

2. “優しく”には湯温も関係します。

湯温は36~37度がよいといわれます。
厳密にいうと38度以上の湯で肌をもみほぐすと、熱という力(エネルギー)が作用し、皮脂やセラミドを必要以上に溶かし始めます。
角質を傷めていなくても、角質の剥がれが促進されるようになるからです。

だからといって、36~37度という数値に神経質にこだわる必要はありません。
高めの湯温は避けるべきですが、低い温度については肌が驚かない程度、嫌がらない程度の温度なら、特に弊害はありません。
敢えて言えば、汚れ落ちが少し悪い分、丁寧さが求められるといったところでしょう。

こんな言い方をすると、また主観が入る余地が過ぎるかもしれませんね。
熱いのや冷たいのが平気という人もいますから…。
何れも洗顔後に肌が赤くなる温度は、いくら気持ちが平気でも、よくありません。
肌はけっこうなダメージを受けています。
赤くなるようなことは、余り繰り返さないようにしましょう。

「それならお風呂も36~7度が良いの?」という質問が聞こえます。
肌にはよいのですが、36~7度のお湯では入浴した気がしませんね。
涼しい季節だと風邪をひくかもしれません。
「~40~度の入浴は肌に悪くないの?」
・・・大丈夫ですよ。
しかし、湯船にはゆったりと穏やかに浸かるようにしなさい、ということです。
お湯に浸かった状態で肌をゴシゴシ擦るようなことはするな、ということですね。
シャワーで身体を洗う時も、湯温は低めにするべきです。

3. “優しく”には使用ツールの扱いも関係します。

乾いた肌の角質は物理的な力に対し、とても強い材質です。
硬くなっているので摩擦にも強いはずなのですが、盲点があります。
硬くなり過ぎた角質は引っかかりやすくなっており、摩擦する相手の材質により角質そのものが引っかけられ、剥がれるきっかけを作っていきます。
角質が傷むのではなく、角質の層が壊れるのです。
タオルや手袋・衣類などでの摩擦がよくある例です。
肌とこれらツールの関係は、摩擦せず押さえるだけ、というのが基本です。
乾燥させると脆くなって、肌荒れを起こす原因になる所以です。

一方、洗顔後の肌は湿った肌です。
水分をたっぷり身につけた角質は驚くほど軟質で、柔らかそうなタオルなども乾いた一本一本の繊維の硬さは、摩擦すると簡単に肌(角質)を傷つけています。
弾力があり、しっかりと形作られた寒天、プリンみたいな角質なのです。
布で押さえてもなかなか壊れないけれど、糸で擦ると簡単に切れる・傷つく状態と言えます。

肌は乾いている時、濡れている時、湿っている時を問わず、摩擦にはいつも弱い、ということをけっして忘れないようにしてください。

 
 
 
 
S》》 いかがでしたか。
今日は洗顔を例に取り、物理的な力が及ぼす影響についてその加減、程度といった視点を掘り下げてみました。
次回は、ダメージを取り巻く視点を掘り下げてみようと思います。

“よく判っていたつもり”の中に、あなたの気づかなかった盲点を発見されたとしたら、それは知識を越え、生きた知恵としてスキンケアに生かせるようになります。

S》》 ハイ、今日の授業はこれまで。
 
 

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