美肌づくりの視点 Part-4…こだわりが生む乾燥ダメージ

前回の授業で、思い込みやこだわりが肌管理を間違った方向に誘っていることがあると、何気なく申しておりました。
どうしてこんなにお便り(メール)が多いのだろうと、読者からのご相談にお答えしながら、中でも“こだわり”が作っている罪の深さに呆れておりました。

どうしてかな?とサッポーなりに考えておりましたら、意外なところに答えが発見できました。
Web上に設置されている有名な検索エンジンで、何気なく「こだわり」を検索してみたのです。
1000件近く検出されたものを斜め読みしておりましたら、驚くべき現象に気づきました。

「こだわり」という言葉が、ことごとく良い意味で使用されているのです。
例えば、「こだわりの逸品」という使われ方です。
「こだわりの○○」「□□のこだわり」というわけです。
まるで、「こだわり」を持つことにこそ価値があるかのような趨勢(すうせい)です。

「こだわること」「こだわりを持つこと」は、本来悪いこととして扱われることが多い言葉であったはずです。
こだわりが成果に繋がることがある、ということを否定するものではありませんが、そのような例外価値を指すことが本来の意味だと取り違えられたら、「こだわり」が起こす悲劇は増大するばかりのように思います。

ちょっぴり「こだわり」という言葉にこだわりすぎたようですが、ここは一つ「こだわり」にこだわって、スキンケアを取り上げていくことにします。

 
 
《《C
C子
あたしゃ、サッポー先生の見方に味方するね。
こだわり様々なんて、ちゃんちゃらおかしいよ。
言葉の使い方が貧しくなったせいさ。
《《B
B子
こだわることって良いことだって、心から思ってたけど…違うの?
金曜日はいつもお洒落して、お化粧だって念入りに。
…私の金曜日のこだわり…よくないかしら。
《《A
A子
B子さん、それじゃあ下心が見え見えですよ。
何となく余りよいこだわりとは思えません。
《《C こだわりではなくて、B子のは囚われ(とらわれ)だね。
誰に「ほ」の字か知らないが、つまらないことにこだわらないで、いい女になることにこそ、こだわるんだね。
もっといい男が現れるよ。
《《B おばさんだけでなくA子さんまで!
それは思い込みよ。
週末の夕べを優美な気分で過ごそう…としてるだけなのに。
S》》
サッポー先生
ハイ、授業を始めましよう。
 
 

美肌づくりの視点 Part-4

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

皮膚が乾燥すると、表面が硬くなり、進行するとカサカサ肌ができあがり、皮脂の多い部分では毛穴が開き、肌理が粗くなってきます。
ターンオーバーが亢進している状態です。

分かりやすく言うと、角質のはがれるスピードが速まり、未熟な表皮がどんどん角化(角質となる)せざるを得なくなっている状態です。

乾燥を避けたり、肌を乾燥から保護することによって、容易に防ぐことができる現象です。
例外的に、乾燥を避けることができず、化粧品の保護力では満足に守れない、といった過酷な環境で仕事をせざるを得ない方もいます。
しかし、サッポーの見る範囲だと、大多数の人は満足できる肌管理が可能な人ばかりのように思います。

「乾燥ダメージは克服しているのが当然。」と言えるようになって欲しいものです。
しかし、乾燥で悩む女性はたくさんいます。
乾燥ダメージが現れる原因は様々ですが、今日は“こだわり”が作り出している乾燥ダメージにポイントを置いてみていくことにしましょう。

 
 

乾燥ダメージを招く“こだわり”
 ~ ベタベタ感をさける“こだわり”

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

ベタベタするのが好きだという人は少ないでしょう。
しかし、ベタベタすることを避けたい気持ちが高じ、“こだわり”になってしまうと、様々な悪影響を肌が受けることに繋がりやすくなります。

ベタベタの原因は過剰な水分(汗と化粧品の保湿能)と皮脂、そして化粧品の油脂です。
何れも、美肌を維持する上で大切な要素であることに違いはありません。

同じケアをしていても、汗や皮脂の状況変化次第で、肌の状態は大きく変化します。
冷房環境にいることがあれば、ムッとする環境にいることもある。
乾いた冬の風に当たる機会が多くても、建物内に入ると適切で穏やかな環境が作られている。
このように、一定の環境に居続ける人は少ないのが現実です。

肌はべたついたり、乾燥にさらされたりするわけですから、ベタベタ感をさけることだけにこだわったケアをしていると、間違いなく乾燥ダメージを受ける機会が多くなり、肌の乾燥が進行していきます。

ベタベタ感を避けることに視点を置くのでなく、受けるダメージが少なく、それでいて出来るだけ快適に過ごすには、どのようなケアをしておくべきか、ということが基準となる視点にすることです。

美肌づくりという大きな視点からみると、ベタベタ感を避けるというこだわりが、適切なスキンケアに目隠しをしているのが見えます。
時にはベタベタするのも仕方がない、といった感覚を持ち合わせるようにしましょう。

▼ 使用感を満たすものを探せ

スキンケア製品の優劣による肌の状態感、これは良いものを求めていくべきことです。
乾燥から肌を守る同じ油性成分でも、ベタベタ感の高いものと、例えばホホバ油のようにするっとした感触のものでは大きな使用感の差があります。
これらの配合割合により、様々な製品があります。
それぞれの肌感覚に合わせて、都合の良いものを選んでいくことです。

▼ マイナス面のチェックを

汗をかく夏に多く見られる失敗ですが、耐水性を売り物にしたスキンケア製品の使用誤りがあります。
撥水性のある成分を配合することにより、肌の水分をはじくので汗をかく時には使用感がよく、便利な製品です。
しかし、その感触にこだわり、乾燥した冷房空間においても、いつもこのような製品を使用していると、乾燥によるダメージの進行はかなり早まることになります。

 
 

乾燥ダメージを招く“こだわり”
 ~ すべすべ感のある肌に“こだわり”

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

肌がすべすべしているのはいいものです。
このタイプのこだわりは、ベタベタ感をさける“こだわり”に共通します。
裏返しといってもよいようです。

元々すべすべした肌があるのではなく、肌の表面(≒角質層)の状態がよく育った角質でできている場合に、肌が見せる一局面だということを、しっかり認識しましょう。
角質層の状態がよいから、すべすべした感触が生まれているのです。

このようなすべすべした肌も、湿度の変化、汗・皮脂の状況でベタベタすることもあります。
ベタベタしてよいのです。
ムリにサラッとさせるケアを続けていると、それは角質層を傷める力として働きます。
例えば夏から秋になり、肌の環境がサラッとしてきた時、肌がすべすべではなく、カサカサするので驚くことになります。
あるいは逆に皮脂分泌を亢進させ、乾燥するのにベタベタする肌に嘆く…などということになっていくのです。

▼ 例えば製品選択に偏向が

すべすべ感にこだわっていると、スキンケア製品の選択に偏りが出てきます。
ケアしている時の感触・使用感だけに振り回されるのかもしれません。
例えば、

* 保湿能力の低いものを選ぶようになりがち
保湿能の高い製品は、ケア後の肌がすぐにさらっとしてこないからベタベタする製品と思いこむのでしょうか。
乾くのが遅いだけなのに…です。
* 保護能力の低いものを選択する傾向が強くなる
保護能力が高いのは油性製品、乳液やクリーム類です。
保湿能の高い製品を付けたあと乳液やクリームを使用すると、肌にしっかりなじむまでの間はべたつき感を強く感じるからでしょうか。

せっかくのすべすべ肌が、これでは確実にカサカサ肌・乾燥肌へと進行していきます。
皮脂に恵まれた肌だと、混合肌が進行していきます。
こだわる対象を間違えると恐いですね。

▼ 例えばケアに極端な偏向が

中には、乳液やクリームは使用しないという極端な選択に走る人もいます。
それでも、これはいけないと気づくことがありません。
生活環境がよくなり、保湿成分の能力が高くなったおかげでしょうか。
ダメージの影響が、肌に短期間に現れなくなっているのです。

しかし、保湿性能だけでいつでも肌を保護できるかというと、頼るは皮脂だけです。
これではいくら環境がよくても、ゆっくりと確実に、乾燥によるダメージが進行していくでしょう。
皮脂だけでは守りきれない生活場面が沢山あるからです。

すべすべした肌状態へのこだわりが、すべすべした肌作りを妨害するケアを作り出しています。
皮肉ですね。
ケアの枝葉部分にこだわると、ケア本来の目的を見失ってしまうのです。

 
 

乾燥ダメージを招く“こだわり”
 ~ 油性化粧品は使わないという“こだわり”

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

油性化粧品といえば、乳液やクリームだけではありません。
オイル成分を利用したものは全て油性化粧品です。
洗顔用クリームに洗顔オイル、美容液類にもオイル使用のものが見られます。
紫外線防止の様々な製品、ファンデーション類、そして様々なメイク製品……。

このように、化粧品にはなくてはならない成分のはずですが、なぜか油性化粧品を敬遠する、あるいは拒否する傾向が増えてきました。
ここ10年くらいの間に顕著になった傾向でしょうか。

化粧品作りの化学が進歩し、女性の肌をさらに美しくしているはずなのに、乾燥しやすい肌が若い肌に激増しています。
サッポーは、この原因の一番の犯人は洗顔料の種類が変わってきたことにある、と推定していますが、二番目の原因は、肌が求めている時にも油性化粧品を使用しない、あるいは使用が少なすぎる傾向が拡がった結果だと推定しています。

乾燥しやすい肌とは、機能が劣化した肌、老化しやすい肌、既にある程度老化した肌とも言える現象です。
これは捨て置けません。

油性化粧品は使わないという“こだわり”はどこから生まれたのでしょう。

べたつくことがあるから?
…それともすべすべ感がなくなるから?

…そういうこともあるでしょう。
しかし、どうもそれだけではないようです。

▼ 油脂は酸化するから良くないという偏向知識

塩分のとり過ぎは高血圧に良くない、という話と似ています。
確かに塩分のとり過ぎは、高血圧や心臓病、脳卒中などにつながります。
しかし、塩分の摂取不足はもっと多くの病気を招くばかりか、命そのものが危うくなります。

油脂は、皮脂と協働で肌を守る大きな使命があります。
ただし欠点として、酸化すると過酸化脂質となり、肌(角質層)を傷め、剥がれやすくしていきます。
つまり、ターンオーバーの正常維持を妨害するものです。
また、べたつき要因ともなります。

しかし油脂が不足すれば、肌(角質層)の傷みは過酸化脂質による傷みなどより、はるかに大きなものです。
同じように酸化する皮脂も必要ないというのでしょうか。
皮脂が不足すれば、肌の正常な営みはできず、悲惨な状態を呈することでしょう。

実際には、油脂の保護機能を化粧品の保湿能がある程度カバーするので、肌の劣化が急速に進むことはありませんが、悪影響が少しずつ進行し、肌の劣化に気づかず月日が経過していきます。
これは残念なことです。

油性化粧品は皮脂の機能不足を補うものとして、肌それぞれに加減して使用していくものです。
肌を傷める酸化は、油性化粧品を使用しなくても常に発生しています。
酸化によるダメージ軽減対策としては、一日二度の洗顔間隔が偏らないようにすることです。

 
 
 
 
S》》 いかがでしたか。あなたの“ケアのこだわり”は大丈夫でしたか。

このようなケアの枝葉末節に“こだわり”を持つ傾向が、こだわりを悪用した販売方法として利用されていることに影響されたものであるならば、私たちは枝葉の真実に全体を左右されない知識を身につけることが必要です。
判断力を向上させる美肌術の視点を獲得していきましょう。

S》》 ハイ、今日の授業はこれまで。
 
 

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