飲んで効く?塗って効く?コラーゲンと肌の関係

イメージ画像:鏡を見る女性

“jazz”さんのご質問

超音波美顔器って効果ありでしょうか??でもそんなの効果なし~って言われたらショックなのですが……

それとコラーゲンは肌から吸収されるのでしょうか?分子が大きいので吸収されないと聞いたり、超音波なら肌に入ると聞いたり、また、飲まないと無理とも、飲んでも無理とも聞きましたし……

情報が氾濫しすぎて判断できないというのが現状です。

引き続き、“jazz”さんの質問を材料にします。超音波については、前回の講義で解説しましたので、今回はコラーゲンについて進めてまいります。

コラーゲンと言えば、ドリンクや化粧品の成分としてお馴染みですが、肌とはどういう関係があるのでしょう。

肌の仕組みと、コラーゲンの関係を知ろう

コラーゲンは肌から吸収(浸透)されるか

前提として、コラーゲンがバリア層(角質層)を通過して表皮細胞層に入り込むことはありません。
肌に浸透するという表現は、表皮表層の角質層に化粧品をなじませ、角質層の良い状態を作ることを言います。

近年では、化粧品の案内の隅に「浸透するのは角質層まで」などという注釈をよく見るようになりましたね。

真皮層はおろか表皮細胞層内にコラーゲンが浸透したら危険!

バリア層(角質層)がコラーゲンという巨大な分子を通すと大変です。分子量が10万から60万というコラーゲン、例えこれらをペプチド化して小さくしても、問題外の巨大さであることは変わりません。

バリア層は、ウイルスや細菌が侵入できない壁としてだけでなく、化粧品を初めとした様々な異物が侵入できない壁であることが最大の役割です。水分子(H2O)でさえ殆ど通さないから、肌や身体が壊れず、健康が維持されているのです。

生体間移植が話題になりますが、同じヒト同士でも拒絶反応を起こすのが人体であり、生体の現実です。まして、動植物から採取したコラーゲンなどが入り込んだら大変です。

化粧品に使用されるコラーゲンは、保湿剤であり、肌を良い状態に整えるのが役割です。角質に水分を保たせ、バリア能を強化する保湿効果に、コラーゲンの最大使命があります。

薬や医薬部外品の化粧品は浸透しても大丈夫なのか?

コラーゲンだけでなく、化粧品の成分が表皮内に浸透するのは、全て大変危険なことです。成分がどんなものであろうと異物には違いなく、生体防御反応(免疫反応≒拒絶反応)により、肌は炎症を起こしたりします。

例外的な考え方が医薬品です。肌にとっては好ましくないが、もっと好ましくないトラブルを回避するため、無理矢理にでもバリア層を通過させ、皮膚内で現在起きている問題を解消する方が大切だ……という場合です。バリア層を通過させる様々な方法が開発されています。

一方、この様な技術開発を利用し、できるだけ弊害やリスクを少なくして顧客満足を高められないか?ということで、化粧品的なものとして開発された代表が、美白化粧品(医薬部外品扱い)なのかもしれません。

医師の診断のイメージ

しかしシミに悩み、皮膚科を訪れる患者の4割近くが、美白剤や紫外線吸収剤による接触性皮膚炎が原因になっている、というレポートを見ると、肌の白さを目指す方法において、方向性の誤りを感じずにはおれません。

また、拒絶反応を小さくする努力の末、一部の人が接触性皮膚炎に気付けないとしたら、評価すべきか、非難すべきか、サッポーもため息が出るところです。

医薬品や医薬部外品は特別な時に使用するもので、常用すべきものではない、というのが本来のあり方であり、賢明な利用者といえます。

成分が浸透する薬のように加工したり、イオン導入法や超音波を利用して少しでもたくさん皮膚内に入れよう、などというようなことは、医療目的以外には決してしないようにしましょう。

真皮層のコラーゲンはどのようにして作られる?

表皮のさらに内にある真皮層を構成する代表が、コラーゲンでできた肌の弾力繊維です。肌の豊かな弾力性をつくり、栄養分を保留し、肌を支える貯蔵庫を作る役割も果たしています。

このように大切な肌のコラーゲンを作り出しているのは、真皮層内の数少ない繊維芽細胞達です。この繊維芽細胞が作り出すコラーゲンだけが、真皮層を支えるコラーゲン繊維となります。化粧品成分としてのコラーゲンを肌につけても、コラーゲン繊維になり代わるわけではありません。したがって、傷んだり劣化した肌のコラーゲン繊維を強化するには食べ物からとなるわけです。

ではコラーゲンを加工した食品やサプリメント・ドリンクを摂取すればいいのでしょうか?
そう単純な話ではありません。

何かの動植物から取り出したコラーゲンを摂取しても、肌のコラーゲン作りとの直接的な関係はありません。コラーゲンはタンパク質の一つです。コラーゲンはコラーゲンから直接作られるのではなく、いくつものアミノ酸からヒト型コラーゲンが合成されます。

さまざまな食物をバランス良く摂るのが王道

食したタンパク食品は複数のアミノ酸に分解・吸収され、血液で運ばれて、新しい様々なタンパク質を作る材料として使われるのです。様々なコラーゲン食品も同様に、いくつかのアミノ酸に分解され、新しいタンパク質を作るのに利用されるものです。コラーゲンというタンパク質が、そのまま人体のコラーゲンになるわけではありません。

あくまで基本は、様々な動植物性タンパク食品を偏らずに摂取すること。蛋白合成に必要な、様々な酵素が働くのに必要なビタミンCは不足しやすいので、意識して摂取努力をする。このようなことが、肌のコラーゲン繊維がしっかり作られるために必要なポイントです。

コラーゲンは、作る努力以上に壊さない注意が大切!

もう一つ大切な基礎を忘れてはなりません。

肌の弾力と張りを作っている大切なコラーゲン繊維層は、表皮のように一ヶ月でターンオーバー(新陳代謝)が繰り返されるようなものではなく、新陳代謝のサイクルが数年単位と長いのです。良い状態でコラーゲン繊維を長く保つためには、直接コラーゲン繊維を破壊する紫外線の防止対策が大切です。また、良い状態の角質層で、表皮や真皮が守られるように、日常のケアや肌の扱いこそが大切なのです。

コラーゲン繊維層が作られる一方、破壊もされているのが真皮層の真実です。破壊や劣化が小さいと、若い肌の復活や維持に繋がっていきます。

いかがでしたか?“jazz”さん。
サッポーのアドバイスはお役に立ちそうでしょうか。
肌は、いつも健康で美しい姿になろうと努力しています。

スキンケアは、いつも原点を大切にチェックしていきましょう。
美肌を作っているのは、化粧品ではなく、肌自身の営みです。
化粧品は、そのような肌が育つ環境作りに役立つものだと心得ましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • コラーゲンは肌に吸収されず、食すとアミノ酸に分解される
  • 肌のヒト型コラーゲンは、肌のみに作ることが可能なもの
黒板に注目!

編集後記

化粧品の成分としてのコラーゲンは、保湿剤として有名ですが、温度で保湿能が左右されやすい欠点があります。無制限に水を含むので、夏は汗(水)と一緒に溶けてなくなるし、冬は気温が低いと保湿能が低下するのです。

それに比べて、ヒアルロン酸には一定以上、水分を吸わない性質があり、夏は肌に汗を溜めにくく、また冬でも保湿効果が落ちません。温度で保湿能が左右されることがないのですね。使った感じもいいですよ。

「サッポー美肌塾」第146号 / 2003年10月31日 発行


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