酸化ダメージの基本を解説!実はあのダメージも……

酸化のイメージ画像

サッポーは肌の三大ダメージとして、乾燥・紫外線・酸化を挙げていますが、今回はこのうちの酸化ダメージについて、解説していきたいと思います。

聞き慣れないダメージかもしれませんね。酸化と聞いて真っ先に思いつくのが、鉄に発生する錆でしょう。リンゴの切り口が赤茶けるのも酸化です。

酸化とは、物と酸素がくっついて変質していく現象をいいます。もっと端的に言うと酸化とは破壊です。元の姿を壊す行為なのです。

私たちの肉体は60兆もの細胞でできていると言われますが、これら細胞の酸化を老化と呼びます。ガンや脳卒中、心筋梗塞など死因のトップを占める病気だけでなく、ほとんどの病気がこの酸化による細胞破壊が引き金になっています。

しかし、酸化は悪い作用だけではありません。私たちが生きているのも、この酸化に支えられています。酸化作用はエネルギー代謝の元だからです。呼吸から、食物の消化吸収……そしてエネルギーに変えていく生命活動、これも酸化作用によって可能になっているのです。

話が広がりましたので、肌にとっての「酸化」に戻しましょう。

酸化は紫外線や乾燥と較べ、あまり話題になりません。肌にとって目立たない存在なのでしょうか?気にしなくていいものなのでしょうか?……そんなことはありません。

肌を老化させている三大ダメージの一つです。話題にならないのは、感覚的に捉えにくく、案内や説明が営業向きではないからでしょう。

ワンランク上を行く美肌を目差すなら、酸化ダメージは必須の知識です。本日の美肌塾では、酸化が肌に与える悪影響の性質と特徴をよく知っていただきましょう。

肌にとっての酸化ダメージには2種類ある

酸化ダメージが起こるのは、身体の細胞全て細胞膜が脂質、それも酸化しやすい不飽和脂肪酸で出来ていることにあります。

細胞膜が酸化して機能を失っていくと細胞内の活動が衰退、さらに細胞そのものが劣化、果ては機能しなくなっていきます。

美肌塾がテーマにしている“肌”も細胞の集まりです。そして、酸素はあらゆるところに存在します。皮膚を取り巻く空気中には酸素がいっぱい、さらに皮膚細胞組織そのものにも酸素はギッシリと使われています。

酸化は避けにくいダメージと言えます。でも、酸化を減少させることなら可能です。それは、“肌が育つ力より小さな破壊”に押さえておくことです。

ではどうすれば良いのか?の前に、まず酸化ダメージを二つに分けて見ていくことにします。

  • ラジカルな(過激な)酸化ダメージ……活性酸素がもたらす
  • ソフトな酸化ダメージ……活性酸素以外の酸素がもたらす

活性酸素のもたらすラジカルな酸化ダメージ

活性酸素とは何かが原因で電子を一つ失い不安定になった酸素のことです。フリーラジカルと呼ばれるように、とても過激な暴れん坊です。この状態の酸素は、すぐさま何かにくっつき安定しようとします。つまり、酸化させるわけです。

この酸化が光のような速さで行われるため、強い破壊力になっています。

どうしてこのように不安定な活性酸素が発生するのかを知ると、適切な対策が見えてきます。

生きていくための代謝過程(=呼吸)で活性酸素が恒常的に発生している
呼吸のイメージ画像

私達が吸った空気中酸素の約2%が活性酸素に変化しています。98%は有効活用されて、わずか2%だけ活用に失敗し、悪玉酸素になっているのです。でも、これは仕方がないことです。

体内活性酸素を安定化させるのに、強い抗酸化作用を持つSOD酵素の働きが悪影響を和らげてくれています。活性酸素が細胞膜を酸化させる前にこの酵素にくっついて、細胞膜の酸化を防いでくれているのです。

ところが、この酵素の生産は40歳頃を境に、急速に減少していきます。身体も肌も、老化が進行しやすくなるわけです。

そこでSOD酵素に代わるものとして、抗酸化作用を持つものはないのか?と食品や栄養素捜しが始まるわけです。

抗酸化物質(=スカベンジャー)を含む食品・栄養素

抗酸化作用を持つ食品や栄養素は、多々あります。そして、これらは働き場所が決まっています。

水溶性のスカベンジャー …ビタミンC

細胞と細胞の間で活躍します。

レモン・トマト・キウイ・ブロッコリー等に含まれます。但し、食事からだけでは不足がちなので、サプリメントでの補強をお勧めします。

脂溶性のスカベンジャー …ビタミンE・βカロチン

主に細胞内で活躍します。

代表的なものは、ゴマに含まれるゴマリグナンやトマトに含まれるリコピンです。

両溶性のスカベンジャー …ポリフェノール類

細胞膜上及び細胞内外でも活躍する、オールラウンド且つ強力なスカベンジャーとして、近年注目を浴びています。

植物性食品のイメージ画像

しかし、ビタミンCと同じで水に弱く、活躍できるのは摂取して2~3時間程度です。それに対し、活性酸素は24時間発生し続けています。

幸いなことに、ポリフェノール類は植物性の食品ほとんどに含まれている栄養素なので、あまり不足は考えられません。食事毎に多種類の植物性食品をとることを心がけましょう。

抗酸化作用のある微量栄養素を取り上げました。

色んな食品に含まれているので、あれが良い、これが良い…と特定ものを摂取するよりも、広く偏食のない食生活を維持する方が良さそうです。その上で、不足しがちなものはサプリメントを活用しましょう。

身体の中からの対策でいえば、他にもっと気をつけるべきことがあります。

腸内悪玉菌による異常発酵が生む毒素

腸内悪玉菌は、様々な病気の原因としてよく取り上げられていますが、活性酸素の弊害を並べる時には、意外なほど触れられていません。でも、これが多くの活性酸素発生を促進している犯人です。

対策は、善玉菌として有名なビフィズス菌など、乳酸菌類の腸内勢力を増やす食生活をすることです。長くなるのここでは解説しません。

腸内善玉菌・悪玉菌については、こちらを参考に。

参考:腸内フローラ・肌フローラ、善玉菌を増やすには?

善玉菌を増やし、快食快便の健康生活を送ることが、この活性酸素の発生を抑制する最良の策です。

肌にとって最悪の活性酸素をもたらすのは紫外線

紫外線と酸化のダメージは分けて考えていますが、実は紫外線は代表的な酸化ダメージです。

紫外線は、肌に触れると活性酸素を発生させ、酸化破壊を起こします。まさにラジカルな酸化です。

他の酸化ダメージとは一線を画しているため、サッポーでは“紫外線ダメージ”として独立し分類しています。その方が解りやすいのですね。

紫外線による酸化破壊の進行は驚くほど早い

紫外線の酸化作用は、驚くべき力で地球上の全てに影響しています。人間で言えば、このダメージを一身に引き受けているのが肌というわけです。

日光浴のイメージ画像

遮るものがなければ、真皮層の中まで侵入して、全てを破壊していきます。素肌で日を浴び続けると、短時間で炎症(赤み・日焼け・火傷等)が起こります。

しかも浴び続けている限り、無限に活性酸素が作られ続けます。対抗する体内のスカベンジャー(抗酸化物質)など、一瞬で消費されてしまいます。

活性酸素は発生した瞬間に消え去ります。“消え去る”とは対象物に取り憑いたということ。つまり、酸化させたということです。

紫外線対策は、1に防御、2に防御

紫外線による酸化ダメージには、身体の中からの防御など通用しません。直接肌に紫外線が当たることを防ぐしかありません。

日焼け止めを基本として日傘や帽子なども活用し、護りを徹底することが大事です。

いかがでしたか?

肌の酸化ダメージで、最も注意すべきは紫外線だったのですね。つまり、紫外線ダメージです。

身体を護る紫外線防止ツールと食生活を含めた体内環境の両面から対処してまいりましょう。

そして、本当の酸化ダメージにはもう一つあります。ソフトな酸化ダメージです。

これがサッポーの言う三大ダメージの一つの、酸化ダメージです。紫外線のような破壊力は無く、じわじわと進行するダメージなのですが、実はこれが怖いのです。

こちらは次号で紹介します。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 活性酸素の発生が酸化ダメージを引き起こす
  • 紫外線は最もラジカルな酸化ダメージである
黒板に注目!

編集後記

今回は、酸化ダメージの基本のキ!を紹介しました。実は、紫外線もその一つ、しかも最も怖いダメージだったのですね。

しかし、紫外線対策が大事なのは当たり前で、美肌塾読者であれば、そう心配される必要はないと思います(^_^)


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