傷んだ髪は修復されない!?

傷んだ髪が悩ましい!

核を失い死細胞となった角質の層がバリアーとして肌を守っています。この角質こそが肌であり、その美しさを目指すのがスキンケアです。同様に、髪も頭皮の一部が作り出すバリアーであり、長く伸びた角質の集まりです。その美しさを磨き、維持するために、良きヘアケアに勤しむのも肌と同じです。

肌の角質層と髪は、生きた細胞ではなく、肌や頭皮が作り出した衣服のような構造物という点で同じ境遇にあります。肌は、日々衣替えをするように新しい角質に置き換えられていますが、髪はそうではありません。何年も経つ部分と今日作られた部分がつながって存在するという極めて特異な違いがあります。

つまり、髪は肌の角質より丈夫な造りではありますが、それにも増して、長い年月に耐えて美しくあり続けることが求められているわけです。

髪の損傷をチェックする

ところが、一度傷んだ髪はけっして元に戻りません。生きた組織ではなく、自ら修復する力はないからです。

肌の角質は2週間もすれば全て新しい角質に入れ替わりますが、髪は切らない限り、短い髪でも2~3年、長い髪なら4~5年は同じ髪(角質)とつきあうことになります。くたびれた髪にならないためには何が大切なのか、古着でも新品の輝きを保ち続ける管理術があるように、髪を劣化させず美しさを保つには、ある極意が必要なのです。

髪を一本根本から切り取って、洗ってからマイクロスコープで観察すると損傷の様子が観察出来ますが、もっと簡易には指で触るだけでも傷み度合いが感触として伝わってきます。髪の根元に近い部分と毛先部分の状態に大きな差があるほど、ヘアの管理に問題が多いと言えます。

あなたの髪、チェックの結果はいかがでしたか?

これまで、髪を傷める主原因とその回避について、サッポー美肌塾で講義してきました。洗髪に始まり、ヘアドライやブラッシングなどのホームケア、さらにダメージの大きいカラーリングやパーマなどでお世話になるサロン選び等々…でした。まずこれらに起因するダメージを少なくすることが、美髪作りの基本中の基本だということを忘れないでください。

既に傷んだ髪はどうするの?

「傷んだ髪は諦めて、新しく伸びてくる部分を大切にするしかないの?」

こう言いたくなりますね。

でもそれではダメなのです。傷んだ髪は補修し続けないと、ますます傷みが拡がっていく構造になっているからです。傷つけられた木が腐り、空洞化が進行、やがて木全体が朽ちていくのに似ています。

髪を短髪にするか、トリートメントをし続ける

この補修を行うのが「トリートメント、パック、マスク」などと呼ばれるケアであり、製品です。ただし、一時しのぎの補修ですから、短時日で補修効果は消えてしまいます。傷みの程度に応じて週に一度、ひどい場合は洗髪のたびにトリートメントしないと傷みが拡がっていく仕組みです。

思い切って髪をバッサリ?!

「そんな面倒なケアはとても!」という方は、髪を10センチ程度残して全てカットすることです。かなり短髪のヘアスタイルです(-_-;) 一年以上を経過した傷みが激しい部分をカットすると、髪の傷みの進行はグンと少なくなります。トリートメントは髪の損傷予防として週に一回で十分となります。そして、この先髪を傷めないことです。

髪は毎月1センチ程度伸び続けます。その内に長くなった髪全体が強く美しくなるというものです。「えーっ!そこまではチョッと……」と思われた方は、諦めて補修し続けることです。美髪を目指すなら、それ以外に方法はありません。

以上、髪を傷めた場合の基本となる心構えです。傷ついていても文句ひとつ言わない髪の立場を思いやって下さいね。

髪の状態をイメージしてヘアケアをする大切さ

次回の講義は、髪の補修ケアをテーマにしますが、前もって髪の構造と状態をイメージできるようにしておきましょう。

髪の美しい構造をイメージする

髪内部から順に辿って、イメージを固めていきます。

髪の内部は縦に伸びたケラチン繊維の集まり

髪は爪や肌の角質と同じケラチン質(蛋白質)ですが、爪より硬い透明な繊維です。この透明な繊維がより合わさった繊維がさらに多数より合わさり、その繊維がまた多数より合わさって、さらにその繊維がまた多数より合わさって一本の髪となっています。ガラスのように透明な繊維群ですがとても丈夫な構造です。

透明なケラチン繊維間を満たす透明な流動体のケラチン質

無数の透明な極細の繊維間を満たしているのがこれまた同じケラチンですが、繊維ではなく、透明な流動質です。このケラチンがこれまた透明な水を保持する機能を持ちます。保湿成分の役割です。髪の柔軟性と神秘的な透明感を作り出し、ガラスのような無数の繊維一つひとつが傷まないようにクッションの役割を果たしています。

この流動体のケラチンに分散して保持されているのが髪色を決定するメラニン色素です。透明感のある赤から黒~無色のものまでその組合せと構成が様々な髪色に見せています。

透明なガラスの包帯、キューティクル
キューティクルに覆われた髪

繊維と繊維間を満たす流動体だけでは一本の髪として安定しません。この状態を筍(タケノコ)の皮のようにというか、包帯をぐるりぐるりと重ねながら巻いたように、髪を守っているのがキューティクルです。ガラスの堅さとしなやかさを備えた透明な包帯です。材質は髪本体と同じケラチンですが、さらに一段硬いケラチンです。

いかがですか。
とても繊細だけど強くて丈夫そうな感じがしますね。そして透明な材料ばかりで作られています。髪の深遠な美しさのもとです。

髪の傷んだ状態をイメージする

髪の美しさを作り出している構造がイメージできたら、次は傷んだ髪の状態をイメージできるようになることが必要です。

キューテクルが傷んだイメージ

ガラスの美しさで髪を覆い守っていたキューティクルに無数の傷がつき、透明さを失い、欠けたり、剥がれたり、中の繊維がむき出しになったり……。傷んだ髪の表面はこのようになっています。

流動体ケラチン質が流れ出すイメージ

キューティクルの傷んだところから、髪内部の流動質のケラチンが流れ出す、髪内部が繊維だけのスカスカ、ぎすぎすした状態に……。水分が維持されなくなり、乾燥が進行・拡大、さらに壊れやすく脆くなっていきます。

ケラチン繊維が乾燥し硬くなり傷つけ合い、壊れが拡大するイメージ

透明なガラスのような繊維が乾燥し、擦れ会うことで傷つき不透明になり、さらには壊れていく、折れていく……。髪の根元に向かって乾燥と損傷が拡大していきます。

静電気の帯電が毛母細胞をいじめ、髪の育つ力が低下していくイメージ

髪の乾燥が進むほどに、髪は静電気を帯びやすくなります。微細な電流とはいえビシ・バシと音が出るほどの高電圧です。髪を生み出す毛母細胞が萎縮しても不思議ではありません。細毛・薄毛が進行しやすくなります。

いかがですか。
髪が傷んでいく様子……イメージできましたか。

髪の構造をしっかりイメージし、悪くなったイメージと良くなったイメージが想像できるようになると、ヘアケアの上達が早くなり、間違ったヘアケアに気づくようになります。スポーツ選手のイメージトレーニングのような効用です。まずはできるようになってください。

次回はコンディショナー(リンス)で保護したイメージ、トリートメントで補修(保湿)・保護したイメージを交え、髪の正しい補修について見ていきます。

髪の補修(トリートメント)を適切に続けていると、トリートメントしなくても美しさを維持できる髪が育ってきます。“肌が育つケア”とよく似ています。本当は似ているのではなく、本質は同じなのです。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 一度傷んだ髪は仮補修しないと、髪の劣化が拡大し続ける
  • 美髪を取り戻すのに3・4年、あとは維持するケア
黒板に注目!

この講義はメールマガジン「サッポー美肌塾」第580号(第192号リメイク)を再編集したものです


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