汗と角質層

 
 
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サッポー先生

こんにちは、サッポーです。

台風の雨による水害ニュースがTVや新聞で報道されていました。(※配信当時)
あふれた雨水に見えなくなった道路の映像、そして土砂崩れ……。
被害に見舞われた地域は大変です。

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ところで、読者の皆さんの肌……土砂崩れは起こしていませんね?
今回のテーマは“汗と角質層”です。

「土砂崩れって、角質層が崩れるってこと?」

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その通り、化粧崩れのことではありません。
汗浸しになった肌は崩れやすいのです。
肌そのものが崩れていくのです。
ところが、崩れて流されてしまったのに、平気なあなたがいます。

その内に乾いた爽やかな秋風を受けるようになり、乾燥しやすい肌になっていることに気づきます。

「秋になると乾燥が……あー、私は乾燥しやすい肌なのね。」

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この様にして乾燥肌や、オイリーなのにドライな肌が作られていきます。

「汗で肌の土砂崩れが起きていた」と気づく人は稀です。
「これが私の肌質なのだ」と考えてしまうのです。
でも、それはあなた本来の肌ではありません。
作られた乾燥肌なのです。

 
 

汗浸しの肌は雨水を含んだ山肌と同じ……崩れやすい

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

汗には感覚的に意識しない汗があります。絶えず出ている汗が肌を潤してくれているのです。
不感蒸泄の汗と呼んでいます。
この汗の恩恵がなければ、私達の肌はすぐに干からびてしまいます。

でもこの様な汗の効用など意識したことがないと思います。
それどころか、汗によるべたつき、化粧崩れ、不快感……等々、良いイメージがありません。
中にはいらっしゃるのでしょうけどね。
汗をかくのは好きだよ、って方が。

でもでも……です。
汗には、見映えを悪くしたり、不快さを助長するだけではなく、肌そのものを崩していく大きなリスクがあります。
汗をかくのが好きな方でも要注意なのです。
崩れる肌とは角質層のこと、死細胞の層であるバリアー層のことです。

この角質の層こそ、私達がきれいな肌と評価したり、逆に不満を訴える肌に他なりません。
この層が崩れると言うことは、角質が剥がれると言うこと、それも予定より大量に剥がれてしまうと言うことです。
つまり、肌の育ちにブレーキがかかってしまうのです。
ブレーキくらいならまだましな方で、未熟化を進行させる方が多いのです。
つまり後退です。

ところが困ったことに、汗がよくでる季節には、角質の剥がれが進行していることに気がつかない人が多いのです。
汗と一緒に過ごしていると、乾燥が気にならないからです。
九月も終わる頃、乾いた秋風が吹き始め、始めて気がつくようだと、後の祭りです。

汗に閉口している方も、汗大好きの方も、肌の土砂崩れは避けないといけません。
土砂崩れを起こさない肌に育て、その様な強い肌を維持しておくことが求められます。
肌の強さは美しさに繋がっていきます。

▼ べたつく汗、流れる汗は、純粋な水と同じで肌に貯まりやすい

▼ 肌に貯まった水分は、角質層を膨潤させ、崩れやすくする

つまり角質が剥がれやすくなり、肌の育つ時間が奪われてしまうのです。
この様な汗や水の弊害を避けるための注意は次のようなものです。

▼ 汗浸し、水浸しの状態を短くし、こまめに拭き取ることが大切

こまめと言っても、そうそういつも汗を拭いているわけにはまいりません。
また、お風呂だって長い方は30分以上お湯に浸かっています。
でもぬるいお湯ならその程度は大丈夫なのです。

しかし汗で濡れた肌状態を1時間程度過ごす場合なら、誰にもあるのではないでしょうか?
そう、汗の場合は何かに熱中している時は、つい拭き取るのを忘れがちです。
汗でジトっとした状態は長風呂している時と同じなのです。
数時間お風呂に浸かった状態にしている肌も珍しくないのではと想像します。

▼ 汗を拭き取る処理が拙いと、さらに肌の土砂崩れを起こす

汗を拭き取ることの大切さは上の通りなのですが、汗や水でふやけかけた肌は少しの力で崩れ始めます。
つまりタオルやハンケチ、あるいはまた脂取り紙の使い方が拙ければ、良かれと思ってしている汗の拭き取りがかえって角質剥がれを促進している場合があります。
ふやけた肌、水分で膨潤した肌は、ちょっとした力が加わるだけで、簡単に崩れる構造になっているからです。
摩擦はもちろんいけません。
軽く抑えるだけで汗を優しく吸い取るのが正しい処理法です。
脂取り紙でべたついた肌の処理をする時、強く押さえているケースがよく見られます。
べたつきの原因の多くは、皮脂よりも汗による膨潤の方が大きいのです。

▼ 汗が流れず貯まりやすくなった肌は、クリームを必要としている。

肌には皮脂による膜が形成されます。
また、乳液などの油性化粧品による膜も形成されます。
これらが汗をはじき、流れる汗も、噴き出す汗も、あるいはまた、お風呂から上がった肌にも、汗や水は貯まりません。
肌に留まらず流れてしまうのです。
そっとティッシュやハンカチを当てるだけで、簡単に吸い取れます。

しかし、汗や水で濡れたようになる肌はこの油脂膜がきれいに形成されなくなっています。
あるいは汗や水に溶けて能力を失っている状態です。
既に未熟化が進行した肌の特徴でもあります。
皮脂や汗の分泌が、過敏・過剰になっている肌の特徴でもあります。
この様な肌はかさつきやすくなっていたり、べたつきやすくなっていたりするものですが、いずれの場合も、より油性度が高くべたつきの少ないクリームで、意識して油脂膜を強化してあげることが必要です。
汗をはじいて流してくれるだけでなく、汗や水による角質層のふやけ(膨潤)を防いでくれます。
角質剥がれの促進を防いでくれるというわけです。

しかし、同じ油性化粧品だからと言って、けっして耐水性を謳うケア製品を日常的に使用して、汗を防いではいけません。
これは汗をはじきすぎて、肌内部を乾燥させていきます。
行き過ぎなのです。

 
 
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汗の弊害については、様々なケースについて、サッポー美肌塾にてテーマにしてまいりました。
今回はそのポイントについて、再度講義致しました。
肌が育つ夏も、終盤に入りましたが、まだまだ汗とのつきあいは続きます。
様々なケースに応用して考え、対処して頂きたいと考えます。

既に肌の土砂崩れを少なからず起こしてしまった肌にとっては、最後のチャンスです。
少しでも良い状態に回復させ、秋を迎えましょう。

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冬の乾燥した中でもしっとりさを失わない肌は、6月から9月にかけて肌の下地が作られています。
肌の育ちがもっとも期待できる時だからです。
この様な良い状態で冬を迎え、冬を乗り切った肌は、翌年の夏、汗が肌に貯まらない肌に育っています。
耐水性のあるケア製品の使用なしにです。

汗をかいても流れてしまい、肌に貯まらないからです。
汗を拭くと汗だけが取れるようになるのです。

 
 
 
 
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今回の美肌塾で、汗の処理、濡れた肌の処理について述べた部分がありましたが、この部分の処理には手入れする人の意識差が大きく関係します。
「軽く」や「そっと」「優しく」と言っても、人それぞれですからね。

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そこで、次回はもう少し肌を詳しく理解して頂くために、角質層を層ならしめている細胞間脂質(セラミド等)とそのラメラ構造について、肌の持ち主の視点から理解する努力をしてみましょう。

S》》 ハイ、今日の授業はこれまで。
 
 

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