保湿パック(ラップパック・シートマスク)の効果と弊害

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ラップパックや、シートマスクでの保湿に潜む罠

サッポー美肌塾を開講・創刊した2001年に、スペシャルケアの一つとして台所用のラップフィルムを利用した保湿パック法を公開しました。以来、関連した質問が続いたため、質問を参考に内容をよりわかりやすくしながら何度か紹介する内に、ネットでは「ラップパック」の呼称で、この保湿法が急速に拡がっていたようです。また、シートマスクというものも広く普及し始め、市民権を得るようになりました。

ところが、こうした保湿パックの広がりとともに、肌に良くない兆候(赤みやピリピリ)が現れるとの相談が混じるようになりました。そもそも保湿パックをすべき状態ではない肌、あるいはまた、保湿パックすべきではない条件や環境にある時に、“良かれ”と思い行っていたのが原因でした。

パック効果により肌の保湿能が高まるのは事実です。しかし、この保湿能の高まりやパック効果による浸透促進が、ターンオーバーを乱したり、敏感肌に繋がっている実態がありました。保湿効果による良い側面は実感しているので、トラブルが発生していても、もっとパックをしたらきっとよくなるに違いない!などと、ますます深みに嵌っていくケースが多発していたのです。

これが保湿パックの罠です。私達の思い込みによる常識を一度軌道修正しておく必要があります。
スキンケアを語る時は必ず良い面と悪い面、注意すべき点を同時に解説しないとダメだな……と反省いたしました。

おすすめ!ラップフィルムを利用した保湿パックの効果

最高に贅沢で効果も高いが、とても面倒な保湿パック

ラップフィルムと化粧水を使った保湿パック

サッポーでは時々、相談者へのアドバイスに、サッポーのしっとりタイプの化粧水と、台所用のラップフイルムを利用した保湿パックを薦めることがあります。

お風呂上がり、汗がひき、肌が乾いたら、保湿能たっぷりの化粧水を多めに塗り、ラップフィルムの小さく切ったものを、ぺたり、ぺたりと肌に貼り付けていきます。そして、10~15分経過したら、ラップを剥がし手のひらで肌を押さえます。その後はいつも通り、乳液やクリームでケアをします。

すると翌朝になっても肌はプルプル。朝の洗顔をして、手入れをしている最中もプルプル!化粧乗りも最高です。

なぜラップフィルムを利用するのかというと、パック効果(浸透となじみ)が断然違うからです。パック効果はその密閉・密着度に比例して高まります。専用のシートマスクやコットンなど便利ツールがありますが、ラップフィルムに勝るものはありません。

面倒なのですが、最高に贅沢で効果の高い保湿パックです。(部分的に行うなら比較的ストレスなくできるかも知れません)

肌の保湿能を高める効用

保湿されて整った角質層は、より多くの水分で強化されたバリアーの層となり、安定・良好なターンオーバー(新陳代謝)を可能にします。サッポーのいう「肌が育つケア」が目指す、理想的な肌環境です。

健康で美しい肌は、正常なターンオーバーを完成させています。一時的ではありますが、そうした肌と同じ状態になります。肌がしっかり保湿された状態が維持されているほど、肌の育つ効率はよくなるのです。

これらは程度の差はあれ、シートマスクなどで保湿をした場合にも得られる効果です。

さて、こんな魅力的な保湿パックに、弊害なんてあるのでしょうか?見ていきましょう。

保湿パックの弊害

前節だけを読み進めると、「やっぱり保湿パックは大切なケアなんだ!」と思います。ところが、大切で効果の高いケアに違いないのですが、ここに大きな落とし穴が隠されています。

1. パック効果とは、角質層(バリア層)に化粧水をより浸透させること――その価値が欠点・弊害となる

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密閉・密着の浸透効果で、ただ化粧水をつけるケアに比べ、バリアー層にはたくさんの保湿成分がなじんでいます。これが保湿パックの最大価値なのですが、大きな欠点につながることがあります。

どういうことかというと、保湿能が高まると、肌は必要以上に汗を取り込み、貯めようとするため、角質層(バリアー層)が水浸し状態になり、角質層組織の崩壊が起こりやすくなるのです。雨が降り続くと、土砂崩れが起こりやすくなります。これと似たような状態です。長風呂で肌をふやけさせるのもそうです。

角質層組織の崩壊=角質剥がれです。つまり上で挙げた「理想的な肌環境」から遠ざかることになります。

【結論】汗が多い時、汗を掻く頻度が多い時、保湿パックはすべきでない

誤解のないように補足しますと、汗を掻いてべたべたしたからといって、すぐに角質層崩れが起きるわけではありません。

  • べたべたした状態が長時間続く
  • べたべたした状態を何度も何度も繰り返す

このような事態が予想される日は、その前に保湿パックなどはしない方がよいということです。

たとえば、汗をかくことの多い夏の季節は、注意が必要です。保湿パックが習慣になっている方は、見直しましょう。しかし、夏と言っても冷房された乾燥空間で過ごす肌の場合、そんな心配はしなくてよいのです。

2.化粧品成分がバリア層を超えて浸透(侵入)する ――保湿パックがリスキーな肌がある

  • 炎症がち、炎症ニキビや湿疹がある、炎症性の赤みがあるような肌
  • アレルギー肌、アトピー肌

いわゆる敏感な状態にある肌です。例外なく、肌細胞は未熟化しています。このような肌こそ保湿された状態を作り、維持することが、敏感肌の解消に繋がっていきます。

しかし、このような肌を下手に保湿強化すると、肌にとって良いはずの化粧品成分が肌に炎症をもたらす原因になってしまうのです。

パック効果とは、密閉効果により化粧品成分をやや過剰気味に肌(角質層)に浸透させることをいいます。通常はこの過剰が良い影響を与えるのですが、上のように肌の未熟化が一定以上に進行した肌や、炎症のある肌は、角質層(バリア層)のバリア能が低下しているため、角質層を超えて、生きた表皮細胞組織内にまで成分が侵入しやすくなっているのです。

すると、どうなるか?

どんなに良い成分も、生体組織にとっては危険な異物に過ぎません。肌が備える防御反応(免疫反応≒炎症反応)を起こす確率が高くなります。

特に、パック効果によって保湿を高めようとした時、浸透率が高くなるので、ちょっと敏感なだけの肌でも反応を起こしてしまいがちです。これはとても危険です。気付いた時には取り返しの付かない敏感肌に陥っていることもあります。

【結論】保湿パックは、敏感さがなくなり、肌が安定してからすべきケア

敏感肌の方が行うべきケアは、肌の過敏な反応を少なくし、安定させることを優先するのが基本。敏感肌向けの肌が育つケアをしてください。本格的な肌が育つケアは敏感肌を脱出してからと考えましょう。これが、サッポーの肌が育つケアの考え方です。

保湿パックの効果と弊害、ご理解頂けたでしょうか?

よく育った肌は、ラップフィルムによる保湿パックで、さらなる強さと美しさを目指しましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 保湿パックをただ良いと思い込むのは危険
  • 弊害を知った上で、保湿パックを活用しよう!
黒板に注目!

この講義はメールマガジン「サッポー美肌塾」第601号(第457号リメイク)を再編集したものです


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