誤解されやすい「合成ポリマー」 メリット・デメリットは?

ネガティブ情報に翻弄される人のイメージ

しぶとく生き残っているネガティブ情報に「ポリマーは、肌に良くないらしい」というのがあります。中には、「合成ポリマー…」というように、頭に“合成”をつけていかにも悪者らしく表現しているのもあります。

はたして、ポリマーという言葉のついた成分を使った化粧品は、本当に肌に悪いものなのでしょうか?もしそうであるなら、これは大変です。避けなければいけません。でも悪くないのであれば、ポリマーという言葉に振り回されているだけ…ということになります。

カタカナの長い成分名が延々と羅列してある中から、ポリマーという言葉を必死に探している自分を想像したら、ちょっぴり情けなくなります。

今まで、あまりポリマーという言葉の使われた成分を取り上げることは少なかったのですが、ポリマーに引っかかりを持つ相談者が絶えないものですから、これは一度テーマにしなければとなった次第です。だって、それだけ振り回されている人が多いということですから、サッポー美肌塾として、放置するわけにいきません。

そもそもポリマーって何?

巨大な分子構造を持つ物質を意味する言葉です。コラーゲンや様々なタンパク質、ヒアルロン酸、セルロースなどもポリマーそのものです。成分名にポリマーという言葉が使用されなかっただけです。ポリマーという言葉のついた成分に、化学的に合成されたものが多いため“合成ポリマー”などという通り名が一人歩きしているのでしょう。

ポリマーという成分があるのではなく、様々なポリマーがあり、性質もそれぞれです。○○ポリマーと表現することによって、何かの重合体、つまり高分子の何かなんだなと、構造的な特徴を解り易いようにしているものです。またポリマーという言葉に明確な定義はなく、高分子であること、高分子の化合物だ…といった程度の使われ方です。

ところが、どうしてポリマーだと気になるのか?どんな情報が流れているのだろうか?とネットを散策してみました。

ネットで情報を集めてみると…
  • 毛穴が目立つように…
  • 毛穴が黒ずむように…
  • ビニールで蓋をするようなもので安全なはずがない…
  • 合成だからよくないと思う…
  • 化学物質で塞ぐのだから、肌を傷める…
  • 乾燥肌になる…、敏感肌になる…、等々

以上はその一部を抜粋したものですが、あまりに支離滅裂なのものは混乱するだけなので、上には記載しておりません。とにかく、いくら探しても理由らしい理由が一つとして見あたらないのです。

どうやら、とにかく良くないといった“決めつけ”が理由にされているようなのです。何かが原因で、肌が好ましくない状態あるとしましょう。その原因がわからないと、何かを悪者にして収まりをつけようとします。

  • 「きっとポリマーのせい」
  • 「どこかでポリマーが良くないと言う解説?をみた」
  • 「やはりポリマーが悪いに違いない!!うん、これですっきりした」

このような、流れで“決めつけ”がされているように想像できます。だから、ポリマー悪者説が一人歩きして、消えずにしぶとく生き残っているのでしょう。理由がないのですから、間違いを指摘されにくい強さがあるのでしょう。

サッポーの相談室に寄せられる質問は、いったいポリマーってどうなの?肌に良くないの?といった内容が多くを占めていました。

シリコン油はポリマーを形成するが、ポリマーはシリコン油ではない

ポリマーの話題をややこしくしているのは、シリコン油の存在かもしれません。

様々なシリコン油があり、共通している最大の特徴は水を弾く性質が他の油分より、並はずれて高い所です。この性質が、使用材料の耐水機能を高め使い心地の良い製品作りに利用されたり、肌の耐水機能を高め化粧崩れを防ぐことによって、紫外線防止能を維持することに利用されたりします。

シリコン油とシリコンポリマー

上記は、いずれもシリコン油の有意義な機能であり、肌の健康や美しさにとっても大切な役割を果たしているのですが、ここに落とし穴があります。シリコン油が肌の耐水機能を高めるために調合されている場合、本来の有意義な機能以外に、マイナス面の働きもある事実を知らない人が多いことです。

天然の化粧水である汗で、水分の供給を受けている肌(角質層)は、シリコン油によって肌の耐水機能を高められると、汗が角質層に吸収される前に蒸発してしまい、汗の潤い供給が途絶えてしまうのです。朝の化粧水での水分補給だけが頼りになります。しかし、これでは肌は満足できません。ただし、多少の乾きよりはるかに怖い紫外線防止の失敗は少なくなります。

シリコン油はさまざまな製品に採用されています

これが、シリコン油のデメリットであり、メリットにもなっています。ファンデーションや日焼け止め下地・メイク製品などに多く付加される機能です。いわゆるウォータープルーフ製品です。

このような製品のメリットだけを享受するには、毎日使用をしないことです。本当に必要な特別な日だけの使用にすれば、紫外線の被害を受けることなく、乾燥肌に傾いたり、敏感肌になったりすることはありません。一時的に傷めても、肌は回復するからです。

話が長くなりましたが、これらのシリコン油は単体でも配合され機能を発揮しますが、シリコン油を組み合わせたポリマー(重合体)としても使用されることも多く、「(○○コン/△△コン)クロスポリマー」などと表示されるものです。このポリマーは、上のシリコン油そのものです。デメリットを知らずに常用していたら、乾燥肌、敏感肌が進行してしまいます。

これは明確な理由のある(シリコン)ポリマーの悪さです。でもシリコン油にも、ポリマーにも罪はありません。適切な目的に使用せず、使い方を間違えていた人の責任です。もしかしたら、こんな失敗から、ポリマーの名が付いていたら、とにかく良くない…という決めつけが一人歩きし始めるのかもしれません。

適切な知識があれば、肌が育つ環境を作ることができるのですね。あなたのケア・あなたの知識は大丈夫でしたか?

参考:「べたべた・化粧崩れ・耐水機能強化製品」
※耐水機能強化製品(ウォータープルーフ)の見分け方が掲載

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 「ポリマー」という成分は存在しない
  • 注意すべきは、シリコン油の名前が入ったポリマー
黒板に注目!

この講義はメールマガジン「サッポー美肌塾」第554号を再編集したものです


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