乳液と化粧水、どちらを先につける?

化粧品を使ったケアの素朴な疑問

「乳液を先につけて、それから化粧水をつけた方が肌にいいと聞いたのだけど……?」

ずいぶん前からになりますが、時々いただく質問です。最初は妙な質問だな……と思いましたが、サッポーのスキンケアの考え方や、化粧水と乳液の基本的な性質の違いなどから、ケースバイケースで説明をしておりました。

しかし、多くはないのですが、類似の質問がやむことはありませんので、今回テーマに取り上げることにしました。

読者の皆様なら、どのように推測するでしょう。

やはり化粧水が先でしょうか?
それとも、化粧水は乳液の後につけるでしょうか?

乳液を先につけた方が良い肌がある!?

答えに入る前に、よくある誤解を解いておきます。

「乳液やクリームを先につけたら、蓋をしたことになって化粧水が浸透しないのでは?」

このように思われる方は多いでしょうね。でも、事実は浸透します。なぜなら、蓋と言っても完全な蓋ではないからです。乳液やクリームには油性成分が配合されているので、水分をはじく性質を持ちます。しかし、保湿成分も配合されているので、はじくだけではなく水分になじもうとする性質も同時に持っているからです。

それなら、純粋なオイルを直接肌に塗れば、水性成分は浸透しないのでしょうか?
いいえ、この場合でも、浸透はしていきます。ただし、乳液やクリームよりもさらに時間がかかるというのが真相です。

蓋をするという言葉がよく使われており、誤解を拡大させるキーワードになっているようなので、ちょっとおせっかいでしたが、事前に解説しておきました。

それでは、乳液を先につけた方が良い肌はあるのかを見ていきましょう。
答えを先に行っておきますと、あることはあるんですね。

化粧水がなじみにくい肌

化粧水を肌になじませるには

表面が乾くと硬くなりがちで、化粧水がなじみにくくなっている肌です。実際は、なじみにくいだけで、時間を置けばなじんでいく(浸透する)のですが、それを待たずに次の乳液のステップに入ってしまう人がほとんどです。

そして、なじまないままに、乳液をつけると、乳液が浮いてしまって、下地がしっかり安定しないのです。

ところが乳液を先につけて、化粧水をつけるとどうなるか?この場合は乳液の性質上、感覚的にさっさとスキンケアを進めることはできません。一呼吸、二呼吸置いて、乳液がなじんでから次のステップ、化粧水をつけていきます。

すると、これが不思議、化粧水がなじむのです。でも、これはよく考えてみれば、当たり前のことです。乳液先行だから化粧水がなじんだのではなく、一呼吸置いた効果なのですね。

化粧水を先につける場合でも、十分な間合いを取り乳液のステップに移れば、同じ効果を得ることができます。

やや敏感な傾向のある肌

肌にニキビや湿疹等の炎症があるわけでもなく、また、炎症性の赤みとつきあっているわけでもない肌なのに、時々肌の不安定さに戸惑う肌があります。敏感な傾向のある肌とでも言い換えたらよいかもしれません。意外に多い肌タイプですが、このような肌にも乳液先行は向いています。

今まで様々な化粧品を使ってきたけど、「私は敏感な肌なんだろうな」という感覚から抜け出せなかった肌が、乳液先行型のスキンケアをするようになって、以前より安定することがあります。

これは、化粧水が肌に浸透するのが遅くなるためです。また浸透する量も少なくなっているからです。これが乳液先行型ケアの効用です。

どういうことかというと、化粧水先行のケアをしていた時は、化粧水の浸透効率が良かったからです。肌になじみにくいと感じていても、実際はより多く、早く化粧水は浸透していたのです。問題はこの浸透した化粧水の一部がバリア層を通過し、生きた表皮細胞層にまで侵入すること、これが肌が不安定になっていた原因です。

異物が侵入してきたわけですから、生体組織としてなにがしかの免疫反応を起こします。一瞬ピリピリチリチリはしたかもしれませんが、目に見える赤みや炎症にまでは至らないので、炎症反応を起こしていることに気がつかなかったのです。これがいつまでも、「私は敏感な肌なんだろうな」という感覚から抜け出せなかった背景になっていたのです。

乳液先行型のケアにすることによって、化粧水の浸入が少なくなったのが肌の安定した真相です。

サッポーはやはり、化粧水先行型のケアを推奨します

化粧水を先行させるケアのメリットは、肌の変化が感覚的にわかるようになることです。ケアを継続することによって肌のなじみやすさが変化しているのがわかります。これは肌を理解する上でも大切な視点です。
なじみがよくなっていくのは肌の育ちの証し。違いが感覚的にわかるようになると、ケアの上達もスムーズになります。

化粧水を手に取るイメージ

「化粧水のなじみやすい肌状態を作る」

これに関しては、化粧水が先でも乳液が先でも、同じことです。つまり、前節で解説したように、化粧水のケアから乳液をつけるステップの間に「間」を置くことで解決します。どれくらいの間合いを取るのが適切かは、肌状態や環境により様々なので、試行錯誤されるとよいでしょう。

「化粧水がなじみにくい肌も、敏感な傾向にある肌も、肌が育っていないから」

もうお気づきになった方もいらっしゃるでしょう。乳液先行型のケアにしてよい感じだなと思ったら、肌の育ちが今一つなのだと理解しましょう。

幸いなのは、炎症を起こしたり、赤みを作ったりするほどの育ちの悪さではないことです。これなら、化粧水のなじみにくさや、敏感な肌傾向から脱するのも早いと思われます。乳液先行型もOKと言えます。

しかし、それが原因だとわかれば、乳液先行型ケアに頼るのではなく、肌の状態と変化がわかりやすい化粧水先行型のケアにした方が良いでしょう。肌の悩みから脱するだけでなく、さらなる美肌、健康な肌を目指すことができます。

ある程度まで敏感肌が進行している場合、つまり、炎症や赤みとつきあいがある肌は、乳液先行型のケアにしても、化粧水や乳液の侵入を防ぐことは出来ず、さらに敏感さが増してしまいます。このような場合は、小細工をせずに「敏感肌脱出プログラム」を参考に、ケアに取り組んでください。成果は早く出ます。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 硬い肌は乳液を先につけると、なじんだ感覚になる
  • 基本は化粧水が先!日々、肌状態の変化が解ります
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第597号 / 2015年10月21日 発行


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