酒さ・酒さ様皮膚炎と診断されたら……治療を効果的にするスキンケアからのアプローチ

医師の診断のイメージ画像

医師に酒さ(しゅさ)といわれた、あるいはまた、酒さ様皮膚炎と診断されたが、治療をしても一向によくならないといった相談をいただくことがよくあります。

スキンケアカウンセラーであるサッポーが、医師でもないのに酒さと酒さ様皮膚炎について語るのは、適任ではありません。しかし、相談が多いのは、それだけ悩む人が多いのでしょう。スキンケアの立場から、適切な解説が求められているのだと考えました。

まず、酒さと、酒さ様皮膚炎がどういうものかを押さえておきましょう。

酒さ

珍しい病気といったものではなく、子どもから老人まで幅広い多くの人が酒さであろうと推定されています。しかし、原因は不明で、冷・熱の刺激(環境)や、紫外線の刺激、はてはストレスが誘因となって発症していると考えられています。

原因がよく判らないままに、一過性の紅斑が拡がる(特に頬や鼻)ことから始まり、やがて拡がった紅斑が持続し、慢性化します。この段階では赤ら顔だと思い込んでいる人も多いようです。しかし、腫れを伴うようになり、毛細血管の拡張が顕著となって(毛細血管が透けて見えるケースもある)、紅斑部分に火照りや熱感を感じるに至り、医師の診断で酒さだと知ることが多いようです。

混乱が拡大するのは、さらなる先に見られる症状においてです。ニキビのようなぶつぶつ、つまり丘疹や膿疱が見られる時です。炎症性のニキビや、その他の湿疹、アトピー性皮膚炎などと思い込むケースが多く、この段階で医師に相談すると、誤診されることの方が多いようです。酒さは、これらの皮膚炎が合併していることが多いので、誤診は無理のないところです。

このような経緯を示す酒さは、そもそも体質に原因があるとも推定されています。

酒さ様皮膚炎

症状・見た目は酒さとそっくりなのですが、酒さ様皮膚炎は、ステロイドを長期間使用していた人に現れる副作用とされています。原因がステロイドの副作用だと明確に断定されているのです。従ってステロイドの使用をやめると治るといわれています。ステロイドをやめたことによる、俗に言うリバウンドと戦う必要がありますが、酒さ様皮膚炎は解消すると考えられています。

しかし、ステロイドの副作用は様々で、酒さ様皮膚炎と診断されるケースでは、もともと酒さの体質を持つ人だけに現れる副作用だと主張する説もあります。ステロイドをやめて、努力しても治らない人が多くいることから、サッポーはこちらの説が有力だと考えています。

さて、あなたの顔に表れた紅斑(赤みや赤ら顔)、火照り、熱感、紅斑部位にできるブツブツ(丘疹や膿疱)はもしかすると、酒さでしょうか?

顔面の様子イメージ画像

それとも、酒さ様皮膚炎?
あるいは、酒さとは関係ない炎症ニキビ、アトピー性の皮膚炎や脂漏性皮膚炎なのでしょうか?

上の解説から想定できそうですが、逆にますます判らなくなった方もいるでしょう。いずれにしても、素人判断は禁物。医師に診て貰いましょう。

しかし、医師の誤診が多いなら、どうしたらよいでしょうか?

これは医師への情報提供が不足しているのです。現在の症状だけではなく、思い当たる過去からの経緯を医師に説明しましょう。確度の高い診断がいただけますよ。

でも、酒さは、そもそも原因が不明な症状なのだから、これだ!といった確立した治療法はありません。だからといって、治らないというものではありません。よくなる人もたくさんいるのです。医師の治療に加え、日常のスキンケア・肌管理の適切さが、よくなるかどうかを左右しています。

そこで、医師の治療を効果的にする、患者が行うべきスキンケアを解説することに致します。

酒さや酒さ様皮膚炎の、日常のスキンケア・肌管理

そもそも紅斑から始まるわけですが、これはよく見られる頬が赤い、鼻が赤いとは少し違っており、炎症性の赤みなのです。毛細血管が拡張しているのは、単なる赤ら顔と一緒ですが、背景に炎症を起こそうとしている何かがあるのです。

その原因は不明ですが、炎症は肌が何かから身を守ろうとする免疫システムが絡んでいます。そもそも酒さは免疫機能の暴走・迷走の一種なのかもしれません。でもとにかく原因が不明なので、美肌塾では深入りしません。

いずれにしても、このような紅斑の発生を繰り返している内に、防衛反応としてターンオーバーが早まり、表皮細胞の未熟化が進行するので、バリア層のバリア能力が低下していきます。こうなると、炎症が本格化してきます。腫れや熱を伴ったり、痒みが発生することもよくあります。さらには炎症ニキビや脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎などとの合併も起こりやすくなります。炎症を呼び込む肌になってしまっているのです。

このような状況に至ると、酒さに伴う炎症であろうと、炎症ニキビであろうと、脂漏性皮膚炎だとしても、これはもう、一つひとつ片付けていくしかありません。とにかく炎症反応を沈静化させることから始まります。

ステロイドの副作用であったなら、まずステロイドの離脱から始めます。いずれにしても、医師の治療方針に委ねるのが賢明です。炎症の改善が進むにつれて、本題の酒さと向き合うことになります。

  • 「なーんだ、けっきょく、皮膚科医に任せるしかないのね。」
  • 「でも、それがよくなったり、悪くなったりなのに、本当によくなるの?」
  • 「原因不明なのだから、よくならないのでは?」

次第にあきらめと弱気の思いが募ってきます。
このような状態に陥った方からの相談が後を絶ちません。

なぜ上手く改善が進まないのでしょうか?
ここからが、サッポーの出番ですね。

酒さや酒さ様皮膚炎は、炎症を伴う敏感な肌だと認識する

今の肌状態を、バリア能が低下し、異物の侵入しやすく、様々な炎症に巻き込まれやすい敏感な肌だと定義しましょう。酒さの原因など判らなくても良いのです。その後に起きている現象は、敏感肌と同じなのですから。

つまり、ちょっと重度な敏感肌として、日常のスキンケアと肌管理をするのが、基本対策となります。肌と一日24時間を共にしているのは、医師ではなく、あなただからです。この基本が日常的にしっかりできていたなら、医師の治療も効果が上がり、治癒のスピードアップが図られるのです。

では、具体的な日常のケア方針・肌管理の方針はどうすればよいのでしょうか?

肌の炎症反応を仲介するキーとなっているマスト細胞という免疫細胞があります。マスト細胞は炎症を起こして、危険物を排泄したり、危険を知らせるのが仕事です。敏感肌同様、酒さの肌はこのマスト細胞が過剰に反応しやすくなっています。だから、ちょっとした危険が迫るだけで直ぐに炎症を拡大させてしまうのです。日常の肌管理において、この過敏な肌の反応を小さくすることが何より大切なこととなります。

ここでは、このマスト細胞をおとなしくさせる三つのポイントを紹介します。

マスト細胞を活発化させない三つのポイント

1.肌への侵入物を避ける
(例:紫外線、化粧品成分、雑菌・汚れ・汗など)

肌に浸透しやすい化粧品は避け、浸透しにくい化粧品で肌を保護することを基本とします。浸透しにくいと侵入も少なくなります。化粧品がバリアーとなって雑菌や汚れの侵入も防ぐことができます。紫外線もマスト細胞を刺激する侵入物なのでUVケアは必須です。

侵入しにくい化粧品を捜すのは至難の業です。サッポーでは、敏感肌脱出プログラムとして紹介しています。

2.冷・熱の刺激を避ける
(冷たい・熱いの刺激…例:39℃以上の入浴は×)

冷たい刺激を避けるのは容易なのでここでは説明しません。最も陥りやすい失敗は、湯温による刺激です。39℃の湯だとマスト細胞が騒いで炎症を起こそうとします。入浴は浴室を暖かくして、37℃台、38℃台でマスト細胞が騒がない温域を捜します。シャワーの湯温も同様にチェックしましょう。湯で暖まった血液がマスト細胞を刺激して活発化させているからです。

3.物理的な刺激を避ける
(例:マッサージ、メイクブラシ、パフ、髪の毛先など)
スキンケアでの手指やスポンジパフなどの接触が刺激に

健康な肌にはなんでもない刺激が、過敏になった肌にはマスト細胞が過敏・過剰に騒ぐ原因になることがあると考えておく必要があります。毛先が触れるだけで炎症反応を起こす肌は意外と多く見られます。いつもの感覚を見直すことが求められています。

簡単な例を挙げての解説でしたが、この三つのポイントは、例を拡げて“私の場合”を追求することが大切です。

  • 「私のマスト細胞を騒がすのは何か?」
  • 「今のマスト細胞はどの程度のことで騒ぐのか?」

このような視点で、マスト細胞の安心できる環境を作ることが、肌の安定化に繋がっていきます。次第にマスト細胞は不用意に反応しなくなります。

詳しくは、以下の参考ページをご覧下さい。

参考:
「まず、過敏肌からの脱出を」

いかがでしたか?希望の灯が見えてきたでしょうか?

まずできることから、対策していきましょう。敏感さが緩和されると、肌が受ける影響も小さくなります。肌の不調は、肌の環境次第で、肌自身が解消していく力を秘めています。ターンオーバーを繰り返す毎に変わっていく可能性を秘めているのです。

酒さは敏感肌の一つに過ぎないと考えましょう。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 酒さかも?と思ったら、まず医師に診てもらう
  • 酒さや酒さ様皮膚炎のケアは、敏感肌対策が基本
黒板に注目!

「サッポー美肌塾」第613号 / 2016年6月1日 発行


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