Vol.527

肌のセラミドと化粧品成分のセラミド、違いを正しく理解しましょう。

肌のセラミドは、肌にしか作れない。

本日の美肌だよりのテーマは「セラミド」です。

何度お伝えしても、肌のセラミドと化粧品成分のセラミドを混同している方が少なくありません。ここで改めて、両者の違いを整理しておきましょう。

まず、肌のセラミドとは、角質細胞と角質細胞のすき間を埋める細胞間脂質の一つです。表皮細胞が角化する過程で作られ、肌のしなやかさやバリア機能を保つうえで重要な役割を担っています。

脂質と水分が交互に層をなす「ラメラ構造」を形成し、水分の蒸発を防ぎながら、外部刺激から肌を守ります。

化粧品成分のセラミドは、保護の役割

一方で、化粧品に配合される「セラミド」は、肌が自ら作り出すセラミドとはまったく異なるものです。

「不足しがちなセラミドを補って……」などと言われますが、塗ったセラミド成分が肌の中に取り込まれ、細胞間脂質として働くわけではありません。脂質成分として肌表面にとどまり、水分の蒸発を防ぐ“保護膜” ”のような働きをします。

そのため、優れた化粧成分の一つ、とは言えますが「セラミド配合の化粧品を使えば安心!」と過信するのは禁物です。

本当に大切なのは、肌が自分の力でセラミドを作り出せる環境を整えることです。つまり、ダメージを避け、適切な肌管理を行い、“肌が育つケア”を続けていくことなのです。

同じ“セラミド”という名であっても、肌のセラミドと化粧品成分のセラミドは別物です。その違いを理解し、肌が持つ本来の力を発揮させてあげましょう。

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