時々まぶたの腫れについてご相談頂くのですが、サッポー美肌塾ではなぜか取り上げておりませんでした。スキンケアとは関係ないことが多いから、テーマを選択する時に選ばれなかったのでしょう。
しかし考えようによっては多いに関係しているのかも知れません。時々ご相談を戴くのですから、丁度いい機会となりました。
目が腫れぼったい、つまり、まぶたが腫れる現象です。上まぶたと下まぶた、どちらにも起こりえる現象ですが、上まぶたの腫れが多いようです。
腫れぼったい目の女性が好きな男性もいるかも知れないけど、やはりまぶたの腫れはいただけません。外出するのさえ、億劫になったりします。原因と対策を見ていくことにしましょう。
まぶたのむくみと腫れは違う
まぶたのむくみと腫れは区別して考えないといけません。
寝起きの顔が腫れぼったく感じ、まぶたは特に腫れぼったい、これはたいていむくみで、腫れではありません。時間が経つと解消されるものがむくみです。
起きている時には足がむくみやすいものですが、寝ていたら顔に出やすいのです。これは水分がたまっている現象です。血管やリンパを通じて供給・回収される水分の処理(やりとり)が上手に出来ていないのです。皮膚が薄いまぶたは、むくみが特に目立ちやすいところです。
そこそこの健康が維持できていたら、起きて活動を始めると、間もなくむくみはひいていきます。日頃から、運動と健康にはそれなりに配慮しておくべき…ということです。
このように、むくみは運動不足の方に起こり勝ちです。しかし腎臓機能が低下している方にもむくみは起こります。午前中に、むくみがひかない場合は医師に相談すべきですよ。
また対策として、熱くないおしぼりを目の上に乗せ暖めるのも血行を良くし、早いむくみ解消策となりますが、スキンケアとしては余りお勧めできません。乾燥しやすいまぶたの乾燥機会を増やすようなものだからですね。やはり正攻法でいきましょう。
運動は心がけるとして、一方で私達が注意しなければいけないむくみ対策は、さしずめ飲み過ぎとか、栄養バランスです。飲み過ぎとはアルコール、お酒のことですよ。弱い・強いの個性差はありますが、朝起きたらむくんでいる…このような飲み方をしてはいけません。
栄養バランスとは、ミネラルの摂取バランスです。塩分(ナトリウム)の摂りすぎはむくみに繋がりやすいのですが、塩分はそんなに摂ってないのにむくむ場合、さらに塩分の摂取を減らすなんてしてはいけません。たいていの場合、カリウムやカルシウムあるいはマグネシウム不足がむくみの原因になっています。特にカリウムですね。バランスが体内の水処理にとって大事なのです。
塩分のナトリウムや野菜に多く含まれるカリウムが静脈血管やリンパ管の水分のやりとりに関係しているのです。どちらも大切なミネラルです。
ナトリウムは摂り過ぎない注意が必要ですが、カリウムは積極的に摂取量を増やすことを心がけるべきミネラルです。野菜、根菜、海草、果物、豆類、などに含まれています。日本人の摂取量は全般的に減少傾向にあるそうですから、人真似ではなく、意識して増やしていきましょう。
以上は簡単なむくみのあらましと対策でした。
ならば腫れとは何が違うのか?
腫れるのは、ほとんどの場合、炎症を起こしかけているのです。はっきり炎症とわかる腫れもありますが、良く見られるのは、まぶたがほんのりピンク色になって腫れぼったくなっているものです。
赤みを伴ったまぶたの腫れ
私達がしくしく泣く場合も、わんわん泣く場合でも、無意識にまぶたを押さえたり、拭ったり、ハンカチを当てたりと、けっこう強い圧迫や摩擦を繰り返しています。角質の傷みも心配なところですが、ここでは腫れに焦点を絞ります。
物理的な力(摩擦や圧迫)がまぶたに加わることによって、目の玉と接している部分、いわゆる裏まぶたにも問題が発生するのです。裏まぶたに角質なんてありませんからね。粘膜というとてもデリケートな皮膚組織で、毛細血管がむき出しのように見えているところです。この毛細血管が肌を擦りむいた時のように、充血します。拡張するのです。たくさんの血液が滞留するので腫れてくるのです。
こんな直裁的な説明をすると、迂闊には泣けなくなりますね。
今度泣く機会があれば、余りまぶたには触れないようにして、涙は出るに任せることにいたしましょう。なかなかそうはいかないかもしれませんが……知識として知っておいて下さい。
でも泣くだけがまぶたの腫れではありません。
サッポーのカウンセラーは、パソコンと睨めっこしている時間が長い仕事です。電話をしている時も、その方の相談履歴をチェックするため、パソコンを忙しく見ながらとなりますし、メールやお手紙でいただく相談の返事もパソコンで作成しています。
一年中エアコンが効いた快適な環境ではありますが、乾燥しています。目が乾いてくると、しょぼしょぼしたり、まぶたがごろごろと音を立てているような感触になることがあります。
涙が不足して摩擦係数が高まっています。こんな時に無意識にまぶたを手のひらでぐりぐりしていると腫れてきます。泣かなくても似たような現象が起きているのです。
ドライアイは目にも良くありませんが、まぶたにだって良くないというわけです。
涙が少ない真性のドライアイは医師に診てもらうべきですが、上のような生活習慣病的なドライアイも多く、習慣や環境を変えていくことによって解消されるものもあります。
まず乾燥した環境は、加湿器の設置などによってある程度解消されます。しかしもっと頻繁に発生している目の乾きは、パソコン画面だけに限らないのですが、じっとものを見ていると、自然に瞬き回数が少なくなることに原因があります。これが涙を少なくしているのです。
瞬きがポンプの役割になって涙をくみ出し、目の玉と裏まぶたに拡がり、潤滑油になっているからです。瞬きが少なくなる癖に気づいたら、意識して直していきましょう。
もう一つの方法は、点眼液の利用です。何かの目的を持つ目薬も点眼液には違いありませんが、これらを常用するのは良くありません。ここは人工の涙液を使用します。ドラッグストアや薬店にて「人工涙液」といえば、適当な製品を案内してくれます。
ドライアイになってしまっていたら、このような良いきっかけを作ってあげると、自然によい循環が起こり、悪癖もいつの間にかなくなっていたりするものです。瞬きが少ないのは悪癖ですからね。
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