化粧水は手?それともコットンでつける?なんて議論が以前にありました。清潔にしていたら、肌に優しく、肌の状態もよくわかるので、サッポーは手指でつける方法を推奨しております。でも、清潔なコットンでつけるのもけっして悪いことではありません。コットンの弱点は繊維の硬さで肌を傷めることです。なので、傷めないように優しいタッチで使用する配慮があれば問題ないわけです。
コットンを使用する方法が気になる方は、バックナンバーで確認しておきましょう。
参考:「化粧水のつけかた色々…正しいのは?」
「コットンの使用…あれこれ」
さて、今日の美肌塾は、化粧水を手指でつける行為をさらに応用した「ハンドプレス」がテーマです。
ハンドプレス…テクニックの大切なポイント
化粧水をハンドプレスでつけるポイントを解説します。
- 1.部位毎に化粧水をつけ、ハンドプレスする…この繰り返し
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適当量を手に取り、両手のひらに付着させて肌に押し当てます。または、手に取った化粧水を指でつけてから、手のひらを肌に押し当ててもOKです。いずれの場合も、一度に顔全部を手のひらで蔽うことはできないので、部位別に分けて行うことになります。従って、いつもより化粧水をつけるのに時間がかかることは承知してください。
- 2.密着の様と、密着させている時間が効果を左右する
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ハンドプレスの要領は手のひらや指の腹を顔の肌に密着させるのがポイントです。部位によっては手のひら全体を使えるところと、指一本で行うのが適切なところもあるでしょう。密着させたら、最低10秒はそのままプレスして静止状態を続けます。部位を違えてハンドプレスを繰り返します。
- 3.物理的刺激や余計な力が及ばないように行うのが秘訣
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強い力で押さえてはいけません。ピタリと密着させるだけです。最大のポイントは、プレスを終えて手を肌から離す時にパッと離すのではなく、スローモーションのように離していきます。パッと離すと角質を剥がれやすくするきっかけを作ってしまうからです。
手業のポイントは以上です。化粧水の量加減やハンドプレスのテクニックは試行錯誤して上手にしましょう。
およその要領は理解できたと思いますが、何かに似ていると思いませんか?そう、サッポーがお勧めしてるラップフィルムを利用した保湿パックです。ハンドプレスの効果とは、密閉による保湿効果を高める手軽な方法だと言うことです。
ラップフィルムを小さくきって、化粧水をつけた肌にぺたぺた貼っていくのは大変手間ですからね。密閉効果と密着効果はラップフィルムに及びませんが、この方法だと毎日でもできるという方は多いでしょう。
ハンドプレスのメリットとデメリットを知る
ハンドプレスによるケア効果に限らず、「○○がよい!」式のケアは良さだけが一人歩きして、弊害の発生面は忘れられていることが多いものです。
保湿効果を高めるのが狙いですから、必ず良い面を実感できます。しかし、一方で弊害が発生している可能性も知っておかないと、「ハンドプレスはいいな!」と思って闇雲に続けていたら、いつしか弊害の方が大きくなっていた……なんてことになりかねません。
メリットとデメリットを知っておきましょう。
ハンドプレスは、肌への浸透効果が高まる!?
浸透効果が保湿効果の高まりとして現れるのは事実で、また、最大の狙いでもあります。しかし、汗の多い季節やべたつきが気になる肌の保湿効果が高まれば、これは過剰な保湿になり、過剰な水分で肌をふやかしたり、べたつきや化粧崩れを促進するものになります。
あるいはまた、浸透効果が高まると言うことは、浸透を通り越して、化粧水がバリア層を通過して生きた表皮細胞層に侵入することがあります。ピリピリしたり、肌に赤みが出たりする時は結果として、しない方が良かったことになります。肌の育ちに大きなブレーキがかかります。
ハンドプレスは肌に優しい!?
コットンを滑らせて化粧水をつけるのに比べると、肌に優しいと言えるかもしれません。しかし、手指で化粧水をつけるのと比べると、優しさに優劣をつけられるものではありません。肌へのタッチの優しさ次第、技量次第と言えるでしょう。
また前項の浸透効果が行き過ぎた場合を考慮すると、敏感な肌や、まだ未熟な育ちの肌にはリスキーなケア方法と言えます。「ハンドプレスは肌に優しい」との思い込みが一人歩きするととても危険です。
ハンドプレスは○○な肌によい!?
保湿効果が高まるのですから、肌によい面があるのは事実です。しかし、このような良さは弊害にも繋がるのだと言うことを知っておきましょう。
例えば、乾燥肌やインナードライな肌によいといった触れ込みを鵜呑みにすると、多くの場合において、悲劇に繋がっていきます。なぜなら、乾燥肌やインナードライ肌は肌の未熟化の現れそのものです。バリアー力が低下していて、ハンドプレスで浸透効果を高めると、侵入に繋がりやすいからです。
今日は保湿効果の良い面だけを享受できたが、明日の肌は風を受けてバリアー力がさらに低下しているかもしれません。こんな時に浸透効果が高まるようなケアは、ダメ!ということですね。
以上をよく理解すると、ハンドプレスについての様々な情報に触れた時、良い面だけを鵜呑みにするのではなく、マイナス面の可能性も推定できるようになります。ケースバイケースでその時の肌にふさわしい適切なスキンケアを考える応用力が身に付いた証しです。
追伸
ハンドプレスは、化粧水だけでなく、乳液やクリームなどにおいても同様の浸透効果を得ることができます。しかし、今日の解説にありましたように、弊害もケースバイケースで発生するものだと理解しておきましょう。
また、ハンドプレスの浸透効果で保湿能が高まると、肌がモチモチ、べちゃべちゃします。そのモチモチ感を確かめるように手のひらで圧着と離脱を繰り返す癖のある人がいます(^_^;)が、これはしないで下さい。理由はおわかりですね。
- ハンドプレスで化粧水をつけるのは、効果的な保湿法
- 良い面と悪い面を知ってこそ、ハンドプレスが生きる
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