サッポーに寄せられる質問や相談でも以前から時々“ビニール肌”という言葉が使われていました。上手に名付けたもんだと感心する一方、定義のはっきりしない用語が、肌トラブルを表す言葉として一人歩きする危険性を危惧しておりました。
実際に、ビニール肌を語る多くの言葉や対策にとらわれて、ケアを誤る人が続出しているようです。今日は、このビニール肌をサッポー流に正しく解説していきます。
ビニール肌とは?
- テカテカと光っている
- 脂っぽくなるとテカテカ、そうでない時もテカテカ
- 肌が薄くなってピンと張ってるように見える
- 肌が膜を張っているような
- 汗や脂でベタベタしやすい
- 乾くと昼間でもつっぱり感がある
- 洗顔後、つっぱり感が大きい
- 脂っぽい部位は、肌理が粗くてピカピカしてる
- 皮脂の少ない部位は、肌理が見えずにつるつるピカピカ
- ファンデーションがよれてムラになる
- ……等々
さらにこんな訴えもあります。
- テカテカする部位に赤みがある
- 肌が敏感で赤くなりやすい
- 炎症をよく起こす
とにかく、好ましいとは言えない肌状態ですが、全て同じわけではなく、一人ひとり個性のある“ビニール肌”なのです。
このようなビニール肌を一律にとらえた対策をしていたのでは、ケアを誤ります。もっと本質的にビニール肌を理解し、その人に合った対策をすべきです。
ビニール肌は敏感さが進行中 ≒ 未熟化が進行中の肌
サッポー流にビニール肌を言い換えると
- 1.様々な誤ったケアで、「未熟化が進行している肌」といえます。
-
炎症を起こした肌のように、ターンオーバー(新陳代謝)が早くなっており、肌を作っている細胞の一つひとつが未熟で小さい状態です。その細胞が角化して角質、つまり見えている肌(角質層)を作っているので、角質一つひとつも未熟です。乾きやすく硬く、ピンと張り詰めた肌になります。伸び縮みする余裕がない状態です。
転んで擦り傷を作り、カサブタができているのを無理矢理剥がすとピンと張り詰めたピンク色の肌が露出します。ちょっと極端な例ですが、これが未熟な肌の典型です。とても危うい状態にあります。
一つひとつの角質の育ちが未熟なので、バリア能は低下しています。乾くと硬くなって防御を固めようとします。これがスキンケア製品がなじみにくく、化粧が上手くのらない原因です。バリアー能が低下しているので、皮脂や汗も過敏に出やすくなっています。乾くとピリピリしたり、つっぱり感を強く感じるのもこのためです。
- 2.さらに未熟化が進行すると、一気に超敏感な肌に転落します。
-
ビニール肌でも、保湿・保護のケアによってそれなりの状態を保っていますが、冷たい風で乾燥させたり、紫外線を長く浴びていると、テカテカしていた肌が一気に粉ふき状態になったり、ひび割れのように白い筋が地図や蜘蛛の巣のように現れたりします。バリア層(角質層)が壊れかけているのです。
もし、石けんが沁みたり、化粧水がピリピリするようになっていたら、バリアーが半分壊れたとみていいでしょう。これは、化粧品が角質層への浸透を通り越して侵入しているのです。これでは肌も堪りません。悲鳴を上げて炎症を起こし、侵入物を排除しようとします。赤みが出るだけなら、まだましな方で、湿疹やかぶれ症状を起こしたりします。超敏感肌に転落した瞬間です。
どうしてビニール肌に?どうすればいいの?
ビニール肌は今日明日でできるものではありません。何かが原因で、角質の剥がれるスピードが速まり、次第にターンオーバーの期間が短くなります。細胞の未熟化は一気に進行せず、ジワジワと進行します。この延長上にビニール肌があります。
本来なら、毎日の保湿や保護のケア、そしてUVケアが行われていたら、上のような未熟化の進行はありません。でもビニール肌になるのは、このようなケアを超える、角質を早く剥がす何かが入り込んでいたことが推定されます。
角質を早く剥がす何かとは
- ピーリングケア
- メイクや汚れがよく落ちるクレンジング料や洗顔料
- ウォータープルーフ製品の常用・多用
- ダメージ防止のケアが手薄になっていた
- 洗い過ぎる習性
- 熱いお風呂が好き
- ……等々
挙げていけばきりがありません。百人のビニール肌がいたら、百人の物語があります。
もし、既にビニール肌になってしまっていたら、原因探しは、サッポー美肌塾のバックナンバーを読み進めていきましょう。自分の場合に該当する原因が必ず見つかります。
では、実際のスキンケアはどうすればいいのか?ここまで読まれた方には、およその見当がついたかもしれません。
そう、簡単です。未熟化した肌がそもそもの原因なのですから、サッポーの薦める“肌が育つケア”で育った肌を目指せばいいのです。着実に良くなっていきます。
但し、とても大切な順序があります。
肌のバリア能がどの程度損なわれているかを見る必要があります。つまり、肌の敏感さの程度です。
赤みや炎症とのつきあいがよくある肌は、前準備の期間が必要です。まずは、敏感肌から脱出しないといけません。この過程を経て、すっかり肌が安定してから、“肌が育つケア”に移行します。
いかがでしたか?
ビニール肌の正しいイメージが伝わったでしょうか。
普段から適切なケアをしていたら、肌は元に戻り、“ビニール肌”という言葉もいつか忘れていることでしょう。
- ビニール肌とは、未熟化が進行した肌
- 敏感さの程度によって対策のスタート位置が異なる
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更新
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