今日はクレンジング料のお話しです。
クレンジング料は化粧やメイク落としの意味で使われ、洗顔料は石けんを代表とする、顔を洗う洗浄剤の意味で使われています。社会一般に標準化された確たる定義があるわけではありません。サッポーも上のように使い分けていますが、世間で使用される場合、必ずしも統一されていないので、何を指しているかは要注意ですね。
ところが、現在では洗浄剤を使用したメイク落としが主流になり、クレンジング料と洗顔料の境界は曖昧になっています。このような事情からか、洗浄力のあるクレンジング料でも、使用後に改めて洗顔料を使用する昔ながらのスタイルが多いのも事実です。化粧落としと洗顔は別のケアだから、製品もそれぞれあって当然という認識があるからでしょう。
この場合、洗浄剤で同時に二度洗っている計算になります。つまり洗い過ぎる洗浄方式になっています。一方、メイク落としも洗顔もこれ一つでOKと案内しているものもあります。メイク落としに洗浄剤が使用されている場合、この案内が妥当と思われますが、中にはこのような製品にかかわらず、洗顔料で二度洗いされている方もいらっしゃるようです。
以上のような背景があるからでしょう。洗浄剤を使用したクレンジングを使って、知らず知らずの内に洗い過ぎに陥り、肌の未熟化が進行、トラブルに巻き込まれているケースが少なくありません。「クレンジングの使いすぎはよくない」と思い込む人がいても、正当であり、不思議ではないと言うことです。
メイク落としから洗顔にかけてのケアは、同じような製品形状・ケアスタイルであっても、肌に与えている影響は大きく異なっている場合があります。
それには、メイク落としの洗浄力の有無が関係していました。
つまり、サッポーのような洗浄剤を配合しないクレンジング料だと、洗浄力が全くないので、上のような心配はありません。一日に何度使用しても大丈夫です。
ところが、呼び名は同じ「クレンジング」「クレンジング○○」「クレンジングクリーム」といった様々な名称が使用されています。洗浄力の有無なんてどこにも書いてありません。
それでは、どうやって見分ければよいのでしょう?
様々なクレンジング料について、ポイントとなる視点を見ていくことにしましょう。
クレンジング料の種類と選択の視点
クレンジング料を選択する場合、何を基準にしていますか?
- オイル状のクレンジング料
- ジェル状のクレンジング料
- クリーム状のクレンジング料
- フォーム(泡)状のクレンジング料
使い心地や感触の良さを優先して選択する人もいます。容器の形で決めている人もいるでしょう。またそんなのにはこだわらず、評判や勧めに従う人もいるでしょう。
洗浄能力の有無が、クレンジング料の大きな違い
サッポーは、クレンジング料に洗浄力を持たせているか、そうでないかを選択の判断基準にすることが、もっとも大切な視点であると考えています。
- 洗浄力のあるクレンジング料
- 洗浄力のないクレンジング料
結論からいいますと、洗浄力のないクレンジング料を選びます。しかし、市販に出回るほとんどのクレンジングが洗浄剤を配合した製品です。理由はここでは省略します。下記の美肌塾をお読みください。
参考:「“肌が育つケア”メイク落としの選び方」
では、どのようにして洗浄力の有無を見分けるのでしょう?
洗浄力は、界面活性剤が担っています。しかし、界面活性剤が配合されていたら、必ず洗浄力があるというわけではありません。界面活性剤が乳化剤として利用されている場合、乳液やクリームと同じ使われ方ですから、洗浄力はありません。
4.の泡が出るものは間違いなく洗浄剤としての界面活性剤が配合されたものです。これは判りやすいですね。しかし、1.~3.は洗浄剤(界面活性剤)が配合されていても、泡が目立たないものも多くあり、判断できません。
「配合成分を見て、界面活性剤が配合されているかどうかを調べれば良いのでは?」
その方法はたぶん上手くいきません。たくさんの界面活性剤の個別名称を覚えるなんて、まずできないからです。
「それなら、成分名をネットで検索すれば……」
たしかに、時間はかかりますが容易に調べることができますね。しかし、たとえ界面活性剤だと判明しても、乳化剤として利用されているのか、洗浄剤として利用されているのかについては、専門家でも正確には断定できません。成分表に配合比まで表示されないからです。つまり、いくら調べても、解らないものは判らないで終わります。
洗浄能力の有無は、使ってみると判る
「では、どうしたら良いの?」と投げ出したくなるところですが、実は簡単に見分ける方法があります。それは、実際に使用してみることです。
クレンジング料を使って、すすぎ洗いをした段階で肌表面がさっぱり洗えたら、界面活性剤が洗浄剤として働いている証拠です。
逆に、肌表面が油脂の膜でべたついている、ヌルっとしている状態なら、洗浄力のないクレンジング料だと判断できます。洗い過ぎの弊害を心配しなくてよい製品です。
純粋なオイルは、クレンジングの代わりになる?
サッポーのクレンジングクリームは、肌に油脂のヌメリが残ります。でも、クレンジングとしての完成度が高いので、すすいだ後も気になるほどのヌメリではありません。そのまま洗顔料での洗顔をせずにスキンケアを始めても、化粧の仕上がりには一切影響しません。
洗い上がりの良い感覚を追い求めると、クレンジングや洗顔の過程で失敗しやすいですから、スキンケアが終わったとき、あるいは、ベースメイク・メイクをし終えた後で、感覚の良さを評価しましょう。失敗が無くなります。
- 純粋なオイルをクレンジング料として使用したら?
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洗浄力のないものが良いなら、純粋なオイルが使えると考えた方は賢い方です。サッポーも賛成です。化粧を浮き上がらせるだけ、洗浄力は一切ありませんから、洗い過ぎる心配もありません。
しかし、あくまで次善の策にしておきましょう。
洗浄力のないクレンジングが手許になく、しかし、何とか化粧を安全に落としたい!といった時の代替手段としてお勧めするものです。毎日のクレンジングを純なオイルで続けるのは、積極的にはお勧めしません。なぜなら、失敗するケースが多いからです。
失敗する理由は、クレンジングクリームに比べ、肌への付着感が強く、その後の洗顔料による洗い過ぎ、擦り過ぎ・すすぎ過ぎを招いているケースが多いからです。また単一のオイルですから、汚れになじみ、浮かす能力に劣ります。このことも力が入りすぎる要因になっているようです。
- クレンジングに純粋なオイルを使用する場合の心得
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化粧や汚れを浮き上がらせようと、力を入れ過ぎないことが大切です。適当になじみ、浮いたと思ったらそれで良しとします。多少化粧が残っていても良しとするのが安全な方法です。
また同様に、仕上げの洗顔料で肌に付いたオイルをきれいさっぱり洗い落とそうとしないことが大切です。多少オイルが肌に残っても、それで良しとします。すすぎも同様です。
この二点に注意できたら、オリーブオイルやスクワランなど、様々なオイルがいざという時の、安心して使用できる立派なクレンジング代替品として使用できます。
しかし、日常的に取り入れると、角質剥がしに繋がり、肌の育ちを後退させるクレンジングになっていることがある‥というわけですね。
いかがでしたか?
本日のタイトル「クレンジングの使いすぎは肌の負担になる?」の答えは、「洗浄力のないクレンジングなら一日何度でもOK。でも、洗浄力のあるクレンジングは、使用そのものをお勧めできない。」…となります。
皆様、お使いのクレンジングはいかがでしょうか?今回の講義を参考に確認しておきましょう。
例え、小さな差でも毎日積み重なると、大きな差として出てきます。洗顔は毎日のことですから、間違いない製品を選びたいですね!
- 洗浄力のないクレンジングなら一日何度使用しても負担にならない
- 純粋なオイルを代用する場合は、落とし過ぎないことが大事
「サッポー美肌塾」第481号
更新
出来てるようで、出来ていない……“洗い過ぎない洗顔”
サッポー美肌塾では、洗顔による皮脂や汚れの「取り過ぎ」「洗い過ぎ」に警鐘を鳴らしています。でも、これは今では常識になってきました。しかし「洗い過ぎない洗顔」の出来ている方はごく少数です。
- 「もしかして私の洗顔も、“洗い過ぎ”なの?」
- 「洗浄力の弱いクレンジングなら、大丈夫なのでは?」
どこからが洗い過ぎなのか、ハッキリとした判断基準が無いので、次々と疑問や不安が湧いてきます。
洗い過ぎにならないためには『洗浄力』と『手指の力加減』がポイントです。
- 洗浄力の無いクレンジング料
- 界面活性剤が肌に残らない洗顔料
- 手指と肌の摩擦で汚れを取らない
これらが揃って“洗い過ぎない洗顔”だとサッポーは解説しています。
サッポーのクレンジング料も洗顔料も、上の条件を満たしています。あとは力加減を調節するだけ。
洗顔は、毎日行うスキンケアです。小さな変化の積み重ねが、大きな変化に繋がります。良い洗顔を選びたいですね。
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