乾燥するのに、べたついたりテカる肌は「インナードライ」と呼ばれ、様々に解説されています。オイリードライ肌や脂性乾燥肌、あるいは乾燥性脂性肌。中には、隠れ乾燥肌という面白い表現もあります。
インターネットで様々なサイトを見ても、概ね正しい解説がされているように思います。しかし対策となると、的外れなものが多く、スキンケアを誤る人も出てくるのでは……?と心配になりました。
そこで今日の美肌塾では、インナードライの原因と改善策について大まかに解説したいと思います。
まずは、インナードライの特徴についてみていきましょう。
- 季節に関係なく、肌全面がテカる
- べたつくところとかさつくところの差が激しい
- 昼間や夕方には、化粧が崩れる
- 1日に何度も化粧直しの必要がある
- テカってベタベタするのに、つっぱる
- 肌が乾くとゴワゴワして、化粧がのらない
- 脂っぽいのに、皮むけ・粉ふきがある
- etc…
インナードライと一口に言っても様々な状態があるのです。
他にも、
- 乾燥や肌荒れに悩まされることが多くなっている
- 吹き出物?ニキビ?とにかくポツポツができやすい
- 肌理の粗さや毛穴の目立ちが酷くなっている
- シミができやすくなったように思う
- 肌がくすんで見える
- 痒み・赤みを覚えることがある
- etc…
挙げるとキリがありませんが、よくある肌トラブルです。
「もしかすると、私も?」と思われた方も多いでしょう。 実は程度の差はあれ、誰でもインナードライ肌になってしまう可能性があるのです。
上に挙げたような事象が見られたら、既にインナードライに向けて一歩踏み出している状態かもしれません。
インナードライ肌……その原因と対策を探る
インナードライ肌の原因が乾燥であることは、どのサイトにも一番に解説してあります。その通りなのですが、毎日スキンケアで乾燥対策をしているのに、なかなか良くならない……のが現状ではないでしょうか。
乾燥の原因として、よく挙げられているのは、
- 冷暖房で肌を乾燥させている
-
→いつも乾いた快適空間で過ごすのが当たり前になっている
- 皮脂を取り過ぎて乾燥の影響を受けやすくなっている
-
→脂取り紙の誤った、または過度な使用
洗浄力の強いクレンジング料や洗顔料の使用
これらの解説に、サッポーも同意します。
さらに付け加えると
- 熱い湯で肌を乾燥させている
-
→シャワーや入浴時、湯温が40℃を超えると、角質同士を繋ぐセラミド等の脂質が溶け、角質が剥がれやすくなる
- テカリやべたつきを怖れ、スキンケアは化粧水や美容液の保湿ケアだけ
-
→乳液やクリームを使わなければ、肌の水分が時間と共に蒸散し、乾燥が進んでしまう
- 紫外線によって肌が乾燥する
-
→紫外線による酸化ダメージは角質を傷め、剥がれやすくする
- ウォータープルーフの下地やUVケア製品で乾燥を進めている
-
→シリコン油を多用し、耐水機能を高めたアイテムは、肌への水分(汗)補給を邪魔している。テカリやべたつき防止に便利なので、弊害を知らずに使っている
- アルコール濃度の高いさっぱり化粧水の使用で乾燥させている
-
→乾燥しているが、肌自体はべたつくため、さっぱり化粧水の方が健やかに過ごせる場合がある。でも、アルコール濃度が高いと肌の脂質が溶けるため、角質が剥がれやすくなる。さっぱりタイプでも、アルコール濃度の低いものを使用する。
対策は、上のように肌が乾燥する原因を取り除き、スキンケアや生活習慣を改めることです。
でも難しいものもあります。例えば、職場等で冷暖房は変えられないことが多いですね。この場合は、スキンケアで対処しましょう。
いかがですか、今日からでも取り組めそうでしょうか?
ここまで、様々な対策を紹介しましたが、実はサッポーではインナードライ肌の原因と対策は他にあると思っています。
次項に解説します。
インナードライ肌、根底にある原因とは?
インナードライ肌のべたつきやテカリは、肌内部(インナー)が乾燥するため、過剰に皮脂を分泌して、守ろうするからだとよく言われます。
これは間違いではありませんが、根本的な原因ではありません。では、そもそもなぜインナードライの肌状態になってしまうのでしょうか?
サッポーの解説
何かが要因となって、予定より早く角質が剥がれると、ターンオーバーの速まった状態が続きます。そうなると、表皮細胞の育つ時間が確保されず、その完成物である角質も未成熟なままに、肌を覆い守るようになります。
このような角質は保水力が弱く、乾燥しやすいため、肌は皮脂や汗を過剰・過敏に分泌して、バリアー力を高めようとします。これがべたつきやテカリの正体です。
肌内部が乾燥するというよりは、ターンオーバーが速まることで起こる現象なのです。
なので根本的な対策は、表皮細胞にしっかり育つ時間を与え、保水力のある角質として完成させることにあります。そのためには、角質を無理に剥がさず、スキンケアや環境を整えましょう。次第にターンオーバーは正常化していきます。
これが唯一の対策なのですね。世間で言われているハウツーも大事ですが、根底の部分を忘れないようにしましょう。迷うような局面でも進むべき方向が見えてきます。数ヶ月後には、インナードライ肌にさようなら!も可能ですよ。
もし迷った時は、遠慮なくスキンケア相談室を利用して下さい。
- トラブルを抱えた人は誰でも、インナードライに傾く可能性がある
- インナードライ肌の根本的な原因と対策を忘れない
編集後記
肌は乾燥しているのに、実際は脂っぽい……またはその逆の、裏腹な肌状態で悩んでいる方は案外と多いようです。
一体、私の肌はどうなっているのか?と悩みますよね。でも、一つ一つケアや生活習慣を変えていくと徐々に良くなっていきます。オイリードライは肌質ではなく、作られた状態なのですね。
「サッポー美肌塾」第662号
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