サッポーのクレンジング、界面活性剤がたくさん……大丈夫!?

界面活性剤のイメージに惑う女性のイメージ

界面活性剤についての質問は減少していましたが、最近また増えてきたように思います。もう一度基本的なことを案内する必要を感じ、テーマに挙げた次第です。

界面活性剤は洗剤を初め、医薬品・食品・化粧品といった日用品から建設材料まで、あらゆるところで使用され、私達の生活に役立っています。

しかし、医薬品や食品に使われる場合は話題にならないのに、こと化粧品となると、界面活性剤が注目されるようです。

多分、界面活性剤を悪者にし、それを配合しないこの製品は安心……というネガティブ商法に利用されているのでしょう。でもこれを真に受けて、選択肢が限定されるのは悲しいことです。

読者の皆様には、真実を知って頂きたく思います。

界面活性剤の解説に、愛用者“Kyoko”さんからの相談を引用させていただきます。

“Kyoko”さんの質問

朝の洗顔は、ぬるま湯で洗うだけにしていたのですが、早速、朝洗顔にサッポーのクレンジングクリームを取り入れてみました。そこで、クレンジングクリームについて疑問に思ったことを質問させてください。

私は肌荒れがひどいので、EXソープを使うと刺激を感じていたため、以前お電話で相談したところ、クレンジングクリームだけの使用でもかまわないという解答を頂きました。現在は、夜の洗顔もクレンジングクリームだけで済ませています。

しかし、心配なのは、クレンジングクリームの成分には界面活性剤が何種類か使われているので、石鹸洗顔をしないと肌に残ったままになるのではないかという事です。何度も質問してしまい申し訳ありません。宜しくお願いします。

界面活性剤にマイナスのイメージを持っていると、“Kyoko”さんのようにサッポーのクレンジングクリームに不安を感じる方もいるでしょう。

界面活性剤そのものと、その働きである「乳化」と「洗浄」を正しく理解すると、真実が見えてきます。

界面活性剤が洗浄剤として利用される場合の問題点

界面活性剤は“親水基(しんすいき)”と“親油基(しんゆき)”というの2種類の“手”をたくさん持ち、水性や油性のもの(汚れを含む)にくっつく性質があります。このくっつく性質が乳化や洗浄に利用されます。

乳化剤として利用された場合、親水基は水性成分にくっつきます。同様に親油基は油性成分にくっつき安定します。

このようにして混じることのない水と油が界面活性剤のくっつく性質で、乳液状になることを乳化といいます。乳液やクリームはこのようにして作られます。この時、界面活性剤の手は乳化のために使われています。

サッポーのクレンジングクリームは、この乳化の目的で界面活性剤を使用しています。

洗浄力がなく、様々な汚れになじみ浮かすだけの「汚れ(メイク)浮かし」クリームです。乳液やクリームと同じ構造なので、洗い流した後、肌に残ったままでも何も問題はありません。

界面活性剤の「乳化」「洗浄」の働きのイメージ

一方、「洗浄剤」として界面活性剤が利用される場合、親水基・親油基の手は全て空いた状態なので、水性・油性の様々な汚れにくっつくことができます。

くっつくいた汚れは、バラバラに分解され(ほぐされ)て、洗い流しやすくなります。これが界面活性剤の洗浄力の仕組みです。

しかし問題はこの時、肌にも界面活性剤がくっつき残ることです。正確に言うと、角質一つひとつの間を繋ぐ “細胞間脂質(セラミド等)”にピタリとくっついてしまうのです。

水ですすいでも石けんで洗っても、この界面活性剤は取れません。ピタリとくっつき、ジワジワと脂質を分解していきます。繋ぐものがなくなるため、角質が剥がれやすくなり、ターンオーバーが早まって、肌の未熟化が進むのです。

もちろん、一気に角質が剥がれるわけではありません。じわじわ剥がれていくので日々気づきにくい、だからこそ怖いのです。

このように界面活性剤が洗浄剤として利用されている場合は注意が必要です。

乳化剤なら、全て大丈夫? 界面活性剤の種類が多いのは?

それでは界面活性剤が「乳化剤」として利用されていたら必ず大丈夫なのか?ということも説明しておかないといけません。理論的にはまず大丈夫と言いたいところですが、この辺りは製品によって差があるように思います。

写真/サッポークレンジングクリーム

例えば、サッポーのクレンジングクリームは、12種類の油性成分と6種類の水性成分を配合して、これらを完全に乳化させるのに、6種類の界面活性剤を利用しています。

1種類の界面活性剤でも乳化は可能ですが、よりやわらかく滑らかな使用感のクリームにするには、複数の界面活性剤が必要です。それでいて、界面活性剤の手が空いている親油基を作らないことが大切です。

この空いた自由な手があると、肌(細胞間脂質)にくっつき、洗浄剤と同様の働きをしてしまうからです。そして“手の空いた界面活性剤”が多いのが、洗浄力のあるクレンジングクリームやクレンジングミルクであったり、オイルクレンジング等々です。

界面活性剤の種類が多いと、何となく不安になってしまいます。でも、種類の多さが問題ではなく、空いている“親油基”の手が問題なのです。誤解している人は多いと思われます。

残念ながら、成分表示などでは、空いてる手のありなしは見分けられません。サッポーのクレンジングなら、胸を張って薦められるのですけどね。

Kyokoさん、ご相談ありがとうございました。

肌が早く育ち、石けんが使用できるようになると良いですね。それまでは、サッポーのクレンジングクリームとすすぎだけの洗顔がもっとも安心です。

改めてネットを検索してみると、再び界面活性剤悪者説が増えているように思います。

界面活性剤をきちんと理解せずに、乳化や洗浄作用の働きが混同していたり、真実らしく見せる理屈になっていたり……などなど、奇妙な解説が独り歩きしている現実が見えました。これでは読めば読むほど混乱するでしょうね。

本当に情報の選択は大切です。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 界面活性剤を洗浄に使用の時、功罪の罪が現れやすい
  • 完全乳化のクレンジングが理想だが、見分けはできない
黒板に注目!

編集後記

サッポーといえばクレンジングクリーム!?というように、クレンジングについての相談が毎日のように届きます。それだけ皆様に関心を寄せていただいているのと自負しております。

サッポーのようなタイプは少数派ですが、これからも良さを広めていきたいです。

「サッポー美肌塾」第291号 / 2006年11月8日 発行


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