今日のテーマは「セラミド」です。
広く化粧品に使用されるおなじみの成分ですが、スキンケア相談室への質問が絶えることがありません。良さそうな成分なのに、サッポー製品には配合されていないから、余計に気になるのでしょうか。
改めて講義をすることによって、セラミドに関する質問は少なくなるかもしれませんね。
そもそもセラミドって何なのでしょうか?まずは、こちらを解説してから、セラミドと肌・化粧品の関係についてお話していきましょう。
肌のセラミドってどんな働きをしてるの?
セラミドが角質層(バリア層)において、とても大きな働きをしているのは事実です。一つひとつの角質をブロックに例えると、セラミドはそれらを固定するセメントや接着剤の役割として働きます。
このようにして作られている角質層だからこそ、肌からの水分蒸散を防ぐだけでなく、外部からの汚れや細菌、化粧品成分等々の不用意な侵入を防いでくれています。セラミドは、肌の健康と美しさにはなくてはならないものと言えます。
もう少し詳しく説明すると、セラミドは細胞間脂質の一種です。
細胞間脂質は先の説明の通り、角質同士を繋ぐ役割を持ちますが、セメントや接着剤のように強固なものではなく、もっと柔らかく精緻な「ラメラ構造」をしています。
ラメラ構造とは、細胞膜-脂質-水-脂質-水-脂質-…-水-脂質-細胞膜というように重なり、角質細胞間の小さな隙間を埋めています。表皮細胞が角化する過程で作られ、このおかげで肌のしなやかさが維持できているのです。
細胞間脂質には、セラミド以外の脂質もあるのですが、セラミドが一番多く、中心となって働いています。
このセラミドを成分として配合された化粧品が人気ですが、肌のセラミドと同じものなのでしょうか?
化粧品成分のセラミドは、乾燥から肌を守ります
- 保湿の定番、セラミド!
- アトピー肌にもセラミド!
- セラミドでバリア機能を強化!
- ……等々
セラミド配合化粧品の案内には、このような見出しが踊っています。前段のセラミドの働きを知れば、妙に納得しますね。そして、期待します。もちろん肌のために役立ってくれます。
でも、正しく期待しましょう。
化粧品成分のセラミドが細胞間脂質として働く!?
残念ながら(?)肌につけても、細胞間脂質が補充されたり、細胞間脂質として働いたりするわけではありません。
肌のセラミドと化粧品成分のセラミドは、全くの別物です。
前者は、肌自身にしか作り出せないものです。後者は、油脂成分として肌を乾燥から肌を守る役割をします。乳液やクリーム、ジェルなどに配合されます。その点で、上記の案内は間違ったことは何も言っていません。
セラミドは保湿の役割を担うものとして説明されることが多いようです。保湿効果があるといっても間違いではありません。水溶成分で保湿された良い状態を油脂で蓋をし、乾かないように守っているとも言えるからです。
しかし、サッポーでは混乱を招かないために、化粧水や美容液による保湿と乳液やクリームによる乾燥保護とは区分するようにしています。
保湿と保護について、詳しくはこちらを参考に。
いかがでしたか?
「夢を壊された!」なんて言わないで下さいね。セラミド成分を配合した化粧品にもいいものがたくさんあります。
大切なのは、肌が細胞間脂質がしっかり作れるようにスキンケアや肌管理で環境を整えることです。サッポーの“肌が育つケア”で、よいターンオーバー(新陳代謝)を目指しましょう。
- 肌のセラミドは細胞間脂質の一つで肌が作り出している
- 化粧品に使用されるセラミドは、油脂成分として肌を保護する
編集後記
素朴な疑問なのですが、どうしてセラミドという成分は、肌の細胞間脂質と同じ名前にしたのでしょうか?コラーゲンやヒアルロン酸も同様です。
構造が同じなのかもしれませんが、混乱を招くことがあるので、できれば少し違う名前にして欲しかったです。
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さて、サッポー美肌塾の講義はいかがでしたか。
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