炭酸水(無糖)が健康に良いと、よく飲まれています。この炭酸を美容にも応用しようということで、炭酸美容なるものが流行っているようです。
一体、どのような効果があるのか?今回は炭酸美容をテーマに解説して行きます。
サッポーに、こんな相談が届いていました。サッポーご愛用者のI・Mさんより頂戴したものです。
I・Mさんのご質問・相談
よくある炭酸美容について質問です。
鼻周りの毛穴が気になりサッポーのスキンケアを始めましたが、炭酸は毛穴改善に効果はあるのでしょうか?
例えば洗顔後、化粧水前に使用する炭酸美容液、また炭酸水に顔を浸すなど、効果的な方法があれば教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
炭酸美容の仕組みと2つの効果
I・Mさんからの相談にあるように、炭酸美容には、化粧品そのものに二酸化炭素が発生するようにした製品と、同じく二酸化炭素が発生する炭酸水をそのまま使用する方法があります。
前者は、クレンジングや化粧水、美容液、クリーム、パックなど様々な製品に利用されています。肌につけると、シュワシュワっと泡が弾ける感触が楽しめます。
後者の場合、市販の炭酸水を購入して、直接顔を洗うという簡単なものから、炭酸水に石けん等の洗浄剤を混ぜて使用するという方法があります。
どちらも容易に手に入り、毎日のスキンケアに組み込みやすいので、始めやすそうですね。
炭酸水とは、二酸化炭素が溶け込んだ水のことです。
手に取り出す、肌につける、ボトルを開栓する、洗面器に入れる……これだけで二酸化炭素は分離して抜けていきます。
なので、スキンケアには、ある程度の濃度以上のものの使用が推奨されています。(1000ppm以上)
ppm(parts per million)とは濃度の単位で、1000ppmとあれば、0.1%の炭酸が含まれるという意味です。
ちなみに、炭酸泉といわれる温泉が250ppm以上、1000ppmを超えると療養泉とされます。ビールやサイダーなどの炭酸飲料が3000~5000ppm程度です。
このような炭酸をスキンケアに取り入れた場合、どのような効果があるのでしょう。
炭酸美容の良いとされている効果とサッポーの評価
- 1. 血行促進
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炭酸成分がまず角質層を突破し、表皮細胞層をも通過し、さらに真皮層上部の毛細血管に浸入することにより、血行を促進するというものです。
毛細血管に入って、炭酸から分離した二酸化炭素が、さらに血液中のヘモグロビン(赤血球)の酸素を放出させます。すると、不足した酸素を補うため血流が速くなり、血行が促進されます。
一方、放出された酸素は血管壁を通り抜け、皮膚組織に供給されます。このことが肌の代謝活動を促進すると言うわけです。
このように説明されると、どんどん肌が活性化していく期待が持てます。
でも肌につけた炭酸が、最終的にどれだけ血液中にまで侵入できるのか、毛細血管からの酸素供給がどれだけ増えるのか……までは分かりません。
- 2. 汚れが落ちやすくなる
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洗顔に利用した場合、肌の汚れをよく落とすと言われています。炭酸が皮脂を溶かしたり、毛穴の汚れを落としてくれるというのです。
でも炭酸にそこまでの力はなく、洗顔料の洗浄力であったり、単に顔を洗うことによる効果の方が大きいのが現実です。
炭酸にそんな絶大な力があれば、飲むのも怖くなりそうです(^_^;)
汚れ落ちにプラスに働くというのであれば、炭酸による超音波効果の方だと思います。
肌に炭酸が触れることで、二酸化炭素が弾けてパチパチ、シュワシュワ~とします。このパチパチ、シュワシュワ~が、肌への超音波効果です。
しかしながら、この効果は、泡(気泡)が誕生するその一瞬だけです。
超音波が治療に使われる場合は、少なくとも10分~15分程度、超音波が発生し続ける必要があります。市販の化粧品や飲料で、そんなことは出来ません。
炭酸の効果よりも、もっと大切にしたいことがあります
炭酸ガスは、医療の分野で注目されています。スポーツや仕事で筋肉を使いすぎたことによる疲労回復や怪我の治療などに有効と証明されています。
現段階では、どのようなすれば一般に平易に活用できるのか……が模索されています。
高校野球でも顔面骨折の選手に、この炭酸ガスによる治療が行われたとニュース※になっていましたね。
このように今後の発展が楽しみな分野として、期待しておきましょう。
スキンケア製品にも、もっと持続性のある利用方法が開発されるかもしれませんが、現状では、爽快感以外に効果があるというには無理があります。
サッポーとしては、もっと大切にして欲しいことがあります。
血行促進については、「ぬるいお風呂にゆっくり浸かる」「クレンジングで肌をクルクルする」、この方が効果があります。しかも、炭酸美容のように一瞬の効果ではありません。
汚れを落とすのであれば、実績のある他の洗浄方法で十分です。また、そもそもしっかり育った肌になれば、汚れ落ちがよく、毛穴が詰まるようなこともなくなるのですから……。毛穴の改善はひとつ一つの細胞が育たない限り良くなりません。
スキンケアはその場の一瞬だけではなく、一日24時間、継続して考えるべきです。
乾燥や紫外線などのダメージから肌を徹底して守る、といったことの方が遥かに重要で、スキンケアの99%以上を占めているといってよいでしょう。
炭酸美容は、いわば残りの1%。この1%にかけて肌に良い影響を与えようとするより、99%に力を入れる方が確実です。炭酸美容を行うときは、他の人よりも、ほんの少し良いことをしている……というスタンスで利用しましょう。
そうすれば、スキンケアの本道から逸れることはありません……このように考えてくださいね。
- 炭酸美容の一番の魅力は、パチパチ、シュワシュワ~の爽快感
- 炭酸美容や治療に関しては、今後の開発に期待したい
編集後記
炭酸水を飲んだときの爽快感や喉への刺激は心地よいものです。また炭酸自体の健康への良さもあります。
でも、炭酸美容は…となると少し的外れなものになってしまうのですね。私は、ゆっくりお風呂に浸かることを選びたいと思います。炭酸は飲み物で楽しみます。
更新
出来てるようで、出来ていない……“洗い過ぎない洗顔”
サッポー美肌塾では、洗顔による皮脂や汚れの「取り過ぎ」「洗い過ぎ」に警鐘を鳴らしています。でも、これは今では常識になってきました。しかし「洗い過ぎない洗顔」の出来ている方はごく少数です。
- 「もしかして私の洗顔も、“洗い過ぎ”なの?」
- 「洗浄力の弱いクレンジングなら、大丈夫なのでは?」
どこからが洗い過ぎなのか、ハッキリとした判断基準が無いので、次々と疑問や不安が湧いてきます。
洗い過ぎにならないためには『洗浄力』と『手指の力加減』がポイントです。
- 洗浄力の無いクレンジング料
- 界面活性剤が肌に残らない洗顔料
- 手指と肌の摩擦で汚れを取らない
これらが揃って“洗い過ぎない洗顔”だとサッポーは解説しています。
サッポーのクレンジング料も洗顔料も、上の条件を満たしています。あとは力加減を調節するだけ。
洗顔は、毎日行うスキンケアです。小さな変化の積み重ねが、大きな変化に繋がります。良い洗顔を選びたいですね。