皮脂と汗とウォータープルーフ

ウォータープルーフを見抜け!

サッポーです。

最近のご相談で、うーん!?これは、いつもと角度を変えてテーマにしなければ……と思ったのが、タイトルの「皮脂と汗とウォータープルーフ」の関係です。

「こんなに寒いのだから、皮脂や汗は気にならない。」

「どうしてこんなタイトルに?」

……と、思われた方は幸いです。きっと完成度の高い「肌が育つケア」を続けていたのに違いありません。冬でもしっとり・サラサラ肌で過ごしていらっしゃるのでしょう。

ウォータープルーフ機能を施した化粧品というのは、けっこう冬でも多用されているのです。需要があるから、販売されているのでしょう。寒い季節に、汗や皮脂が少なくなるのは平均的な事実ではありますが、個別には冬でも肌がべたついたり、化粧崩れの気になる人が多いというのもまた事実なのです。

一方、こんなケースもあります。

「冬は肌が硬くなる。部分的にはガサガサするところも……」

「角栓が目立ってきたように思う……」

「なんだか毛穴も目立って見える……」

このような悩みを持つ方の相談で、調べていくとウォータープルーフの製品を使用している方がけっこうな割合でいます。

でも、悩みがこの程度の段階で気づいた場合は、幸いです。使用をやめて、標準的な「肌が育つケア」に戻すだけで、次第に本来の肌がよみがえってきます。悩みが消えていきます。

このようなウォータープルーフ製品について、長所と欠点を知り、上手に利用していく知識を共有しましょう。

ウォータープルーフ製品を使用することになる背景

ウォータープルーフって何?と思う人もいるでしょうから、日本語で進めて行きましょうか。ウォータープルーフは化粧品業界の造語で、汗や水に強いことをうたう耐水機能強化製品を指して使われています。

これは良い、と喜んで使い続けていると…

サッポー美肌塾では、このような耐水機能強化製品は“いざ”という時だけ利用して、その恩恵に浴すべきとアドバイスしています。ところが、冬でも肌がべたついて仕方のない肌がたくさんあります。「化粧崩れがイヤだから…」「きれいに仕上がるから…」という理由で手放せなくなっています。

化粧崩れしにくい、化粧もちがよいと感じると、日常的に使用する方が増えてくるのは無理のない自然な現象といえます。しかし、そのように使用頻度が高いと肌が保持する水分量が減少していく傾向が、着実に強まってきます。

するとどうなるか?表皮細胞の育ちが未熟なままにターンオーバーを繰り返すようになるのです。つまり、サッポーがいつも警告しております未熟な肌、育ちの悪い細胞が作る肌になっていきます。見映えの悪い肌に変化していきます。

そのため、サッポーは、毎日使用したり、日常的に使用するのは避けるべきですよ…と警告しています。

さらに使用を継続していると、過敏さが育ってきます。

どうして肌の乾燥が進行してしまうのか?

耐水機能の強化には、シリコン油が使用されます。水をはじく撥水機能が極めて高い性質が利用されるものです。ベースメイク製品、UVケア製品、ポイントメイク製品などに多く利用されます。

これら製品を構成する化粧品材料(成分)に働き、製品そのものの耐水機能を高めたり、滑りをよくするために利用される場合は何も問題ありません。

肌をコーティングし、肌自身の耐水機能を高めるために作られた製品の場合、つまり化粧崩れしにくい製品、汗や水に強く化粧が崩れにくい製品が問題なのです。

肌を潤し、しなやかさを作っている最大の源泉は、絶えず蒸散し続けている汗です。汗を感じない冬でも出ているのです。分泌された汗はすぐに角質層に吸収されて見えない・感じないだけです。この不感蒸泄の汗がなければ、たちまち私達の皮膚は干からびてしまいます。

ところが、シリコン油で肌がコーティングされていると、分泌された汗を角質層が吸収できなくなるのです。はじかれて流れ落ちるか、その内蒸発してしまうからです。

汗はいったん外へ分泌されてから吸収される仕組みになっていることを覚えておきましょう。

問題は、肌の乾燥の進行に気づかないところにある

耐水機能強化製品を日常的に使っていても、化粧水や美容液等で保湿ケアをし、乳液やクリームでしっかり乾燥からの保護ケアがされていると、一気に肌が乾燥の悪影響を受けることはありません。また、夜のケアでは、耐水機能が強化された化粧品は使用しませんから、汗も利用され、さらに保湿され保護のケアがされると、夜の間にある程度回復するのです。

なぜ、どうしてと首をかしげることに

すると、あなたはどのように思うでしょうか?

一日使用しただけでは何も悪影響を受けた自覚はありません。むしろ、今日一日べたつくこともなく、快適に過ごせたと感じるでしょう。明日も当然の如く使用を続けたいと思うに違いありません。

少しずつ、少しずつ、着実に肌の乾燥が進行していきます。肌(細胞)の育ち度が低下していくのです。水分が少ない状況下の角質は寿命が短くなり、育つ時間を与えられないままに、ターンオーバーが繰り返されるようになるからです。

肌の育ち度の低下は、バリア能の低下を意味します。バリア能が低下すると、外部環境の変化に伴う刺激が強く伝わるようになり、肌は皮脂や汗の分泌を増やすことで応えます。バリア能の低下から肌を守ろうとしているのです。

このように肌が変化してきた時、もし耐水機能が強化されていない製品を使用した場合、あなたはどのように感じるでしょうか?

「べたつきがひどい…こんなの使いたくない」

「化粧が崩れやすい…やっぱりこれはダメね」

そして、いつもの耐水機能が強化された製品にすると、べたつきは軽減し、化粧の崩れ方も随分ましに感じます。

「やっぱり、これが一番!」となります。

問題は、ここにあります。間違いに気づかないのです。

急激に肌の乾燥が進行してくれると「これはいけない!?」と異変に気づくことができます。しかし「やはりこれがイイ」と毎日感じながらだと、さらにべたつきやすい肌に毎日少しずつ変化していても気がつかないのです。

耐水機能強化製品をどのように見分けるか?

厳密には、使ってみて耐水機能があるかどうかを見るより方法はありません。しかも、様々なシリコン油が利用されるのですが、「シリコン油」という判りやすい名称ではないのです。

しかし、「購入する前に知りたい!」ところですね。およその見当をつける方法を紹介します。

様々なシリコン油の成分名は、名称の語尾に特徴があります。

  1. ○○コン,○○シロキサンなど、コンシロキサンが語尾に…がシリコン油
  2. 上記のシリコン油が成分表示の上位に記載…耐水機能強化製品の可能性大

その他に、化粧崩れしないとか、化粧持ちがよい、汗や水に強い、あるいはそのものずばりで、ウォータープルーフといった記載があったりや案内が強調されていたら、耐水機能が強化してある製品だと見当をつけましょう。

ウォータープルーフ製品の長所と短所を知って利用する

耐水機能が強化された製品の悪口ばかりを強調したようになりましたが、サッポーは、けっしてウォータープルーフ製品を使用してはいけない!などと言うつもりは毛頭ありません。

耐水機能を強化した製品は素晴らしい長所も持っています。

汗や水を弾き、化粧を崩れにくくすると言うことは、見映えもよいし、しっかり紫外線から肌を守る頼もしい助っ人の役割を果たします。

サッポーが「“いざ”という時だけ使用しましょう!」と勧めるのは、まさにこのような効果が期待できる時です。

月に一度や二度は、「化粧崩れした顔では居れない!」って時があるでしょう。また、化粧崩れしても化粧直しなんてできない時だってあります。それが戸外で紫外線がいっぱいだったら、ダメージ被害の大きい紫外線防止を優先すべきです。

ウォータープルーフ製品はこのような時に、肌の育ちを助けてくれ、しかも、見映えよく、気分良く過ごすことを助けてくれる用意しておきたい製品であることを知っておきましょう。

大切なのは、続けて使用しない、日常使いしない、この点のみ注意しておけばいいわけです。

参考1(耐水機能強化製品が関係しているかもしれません)

肌(細胞)の未熟化の表れとは以下のような項目です。

  • 肌の硬さを感じる
  • 乾燥度…カサカサ~ザラザラ
  • 皮脂や汗の過度な分泌
  • 肌理の整合…あらさ
  • オイリードライ肌の傾向
  • 混合肌の進行
  • 毛穴の目立ち度合い
  • 角栓のでやすさ
  • 毛穴の黒ずみやすさ
  • 皮脂詰まりの発生度
  • 肌の過敏さ
  • 肌に刺激感…ピリピリ・痒み等
参考2(宣伝!)

サッポーのベースメイク製品、UV防止製品は耐水機能が強化されていません。毎日使用して安心の製品です。

汗や皮脂の多さ、化粧崩れしやすい肌は、肌の育ち度を上げることによって改善するのが、正攻法です。

「サッポー美肌塾」第476号


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