良かれ!と思って……でもそのケア、間違ってない?マッサージ・パッティング・冷水洗顔

顔に手を触れる女性のイメージ

今回のサッポー美肌塾は、良かれと思って行っている日常ケアに潜むボトルネックを見ていきます。

思いがけないことが、美肌への道を阻害していることがあるのですね。タイトルのケアに心当たりがある方は、チェックしてみましょう。

マッサージの誤解

マッサージは、良さも悪さも、話題になるのでご存知の方も多いと思います。そのポイントとなるところを掘り下げておきましょう。

まず大きな視点から言うと、肌へのマッサージに直接的な良さはあまり認められません。間接的な効用として、一時的に血行が良くなるので代謝活動に好影響を与えます。お風呂に入ったほどではありませんが、簡易に効用をもたらす…と言えます。

一方、マッサージが肌へ直接的なダメージを与えたり、毛細血管を傷めたりしている弊害が多く見られます。その結果、しわやたるみを作ってしまうことも。

0.2mmの表層の下に、緻密な網のように拡がっている毛細血管は、糸より細く、ちょっとしたことで傷んでしまいます。なのでマッサージといっても、指が肌に触れているかいないかの圧力で十分なのです。

そして、さらに摩擦を少なくするために、潤滑油としてクリームを使用するのが失敗しないもう一つのポイントであるといえます。

肌を傷めないように注意して行うのが基本であり、最重要なのです。

「マッサージで顔が赤くなるのは駄目なの?」

これは、血行が良くなるのを通り越して、毛細血管がダメージを受けただけというのが正直な評価です。また、摩擦の程度によっては肌そのものも傷んでいる場合があります。

指先で触れるだけでもマッサージ効果あり

「力の加減がわからない」

こういう時は、クリームをつけてから薬指一本で軽く肌を滑らせてみましょう。一番力が入らない薬指、その程度がよいのです。実際のマッサージを行うときも、使う指は2~3本までにしておきましょう。

肌に良いことをしているという満足感は、心も安らぎ、肉体にも良い影響を与えます。正しいマッサージの作法を身につけましょう。

パッティングの誤解

「化粧水をつける時、パッティングした方がいいの?」

このような質問も時々いただきます。

パッティングは、心地よい刺激の範囲であれば、上のマッサージと同じ効果があります。また、化粧水を早く肌になじませることもできます。

しかし、行き過ぎたパッティング(コットンを使用したり、強い力で行う、等)は、肌を傷め、毛細血管を傷め、時には肌が過剰反応を示す時もあります。敏感さがある、乾燥しやすい……何か肌トラブルを抱えているときは、かえってそれを促進することが考えられます。

パッティングをしなくても、肌の健康を損ねることはありません。無理に行なって強い摩擦や圧迫が生じる方が肌には辛いダメージとなります。

化粧水の付け方は、なでるようにつけても、押さえるようにつけても、基本的な効用は変わりません。肌が水分で潤う、保湿そのものが最も価値あることなのですね。

ちなみに、パッティングより優しそうに思えるハンドプレスという化粧水の付け方があります。こちらもメリットとデメリットを知っておきましょう。

詳しくはこちらを参考に。

参考:「スキンケアの上級テクニック!ハンドプレスは、肌に優しい?

冷水仕上げの誤解

水洗顔のイメージ

洗顔後、冷水でバシャバシャっと仕上げ洗顔することがよく勧められています。

結論を先に言っておくと、肌が健康であれば、プラスアルファの効果があります。しかし肌に敏感傾向があり、悲鳴を上げているのに、我慢して行うのはマイナス面が大きくなります。

プラスアルファといっても、美肌作りにおいては些細なことなので、実際はそんなにこだわる必要はありません……程度に考えたらよいのではと思います。

冷水による肌の収斂効果

一時的な見かけ上の肌引き締め効果があります。毛細血管やリンパ管など、肌表層にぎっしり張り巡らされている結合組織が冷水でキュンと縮むので、顔の表面積が小さくなります。これが収斂効果です。

毛穴が少しは目立たなくなり、肌理も整った感じに見えます。しかし間もなく元通りに復します。

アルコールが多めに入ったさっぱり系の化粧水に収斂効果があるのも、同じ原理です。蒸発により肌を冷やすから同じ現象が起きています。(サッポーのさっぱりタイプの化粧水はアルコールがかなり控えめ(1%未満)なので、この作用はありません)

毛穴が目立たなくなり、肌理が整うのには、肌を構成する細胞一つひとつが大きくなることによって実現します。これが本当の肌の変化です。

冷水刺激が血行を促進する

健康な肌には、毛細血管の収縮弛緩の良い運動となり、血行を促進します。もちろん一時的ですが、毎日定期的にこのような刺激を与えるのは、プラスアルファの効果があります。

しかし、敏感傾向にある肌にはトレーニングとならず、逆に負担となるので注意が必要です。

赤みが出やすい肌や炎症を伴うニキビがある肌などは、39℃を超える湯温の入浴やシャワーが危険なように、逆に冷たい刺激も避けるのが改善の基本です。このような刺激を毎日受けていたら、改善が進まなくなります。要注意です。

いかがでしたか?今回は、3つの間違いやすいケアを紹介しました。

「これがよい!」とこだわったり、思い込んで行っていると、実は肌に良くないことを押しつけている場合があります。何事もこだわりと思いこみは、要チェックです。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • マッサージやパッティングは、弱い力加減が重要
  • 冷水での仕上げ洗顔は、一時的な効果が大きい
黒板に注目!

編集後記

化粧品以外の部分でなにか肌に良いことを…と私達は探しがち。でも、本質的な部分はその前の段階で完結しているのですね。

あくまでプラスアルファの良いことをしている、という気持ちでこれらの小技を使うのが良さそうです。

「サッポー美肌塾」第450号


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