手作り化粧品は安全?

イメージ画像:家庭で作る化粧品??

「化粧品を手作りする」

何となく良いイメージがあります。ほのぼのとした光景が浮かんできます。
食事に家庭の味があるように、あなただけの特別な化粧品があれば素晴らしいでしょうね。

でも、残念ながら現実的ではありません。

  • 原材料や設備・機器を本格的には揃えられない
  • 知識と経験が不足している
  • 安全性に不安が残る

……となると、入手しやすく比較的信頼できる材料を買いそろえ、やはり、定番となっている安心のレシピをもとに、できる範囲の創意工夫で“手作り”を楽しむというレベルにならざるを得ないでしょう。でも、これはこれで奥行きのある世界だと思います。

ところが、手作り化粧品を始めた動機を推測すると、少し違った世界が見えてきます。「香りを楽しむ」「経済的」「作るのが楽しい」といったものもありますが、「手作りだから安全」「手作りだから肌に良い」「トラブル解消に」といったものまであります。このような目的が入ってくると、思わぬトラブルに結びつくリスクが高くなってきます。

“安全、安心の手作り”…思いこみが作る肌の危機

上のように手作り化粧品を楽しむ範囲においては、問題はないのですが、中には、手作りだから安全であるとか、さらには、より優れた化粧品ができると思い込んでいるケースがあります。これは危険です。

サッポーの相談室に、手作り化粧品をスキンケアに取り入れている方から、肌の悩み相談を時々頂くのですが、この種の相談者にほぼ共通した事項があります。

  • 肌が敏感で、気に入って使い続けている化粧品がない
  • サッポー美肌塾を発見、早速「肌が育つケア」に取り組む
  • 良くなった面もあるが、やはり敏感な肌状態が続いている

サッポー美肌塾に書いてあることは信頼できたけど、「どうしてもよくならない!どうして?」ということで、相談室をご利用になったわけです。

相談のやり取りでは、「肌が育つ環境作りとその考え方」については、かなり要点を押さえておられ、これならもう少し改善の兆候が多くあってもいいのに??…と思いながら、もう少し踏み込んだやり取りの中で、「手作り化粧品」を使い続けていたことが判ります。

敏感さが常態化している肌は、「まず敏感肌からの脱出を!」とサッポーは言い続けており、その中では、「肌に浸透・侵入しにくい化粧品で、洗浄と保湿・保護のケアをする」ということを必須の前提条件にしています。

ところが、この部分に「手作り化粧品」が入り込んでいたのです。“手作りだから安全なはず”“手作りだから安心できる”という理由なき思いこみが邪魔をしていたのです。

手作り化粧品がボトルネックになっていることも
  • 「サッポーの言う通りしてるのに??」
  • 「何度読み返しても納得できる!でも良くならない?」
  • 「どうして?どうして?……」

もしかしたら、今までひどい目にあった化粧品より、自分の作った化粧品の方が、比較的上手くいってたという信頼も目隠しになっていたかもしれません。でも、敏感な肌にとってそんなことは関係ありません。

  • 材料の良い悪いではない
  • 手作りも市販の製品も関係ない
  • 大切なのは、「肌に浸透・侵入しにくい」こと

肌のバリア(角質層)を越えて侵入すれば、どんなに良い成分も生体にとっては異物以外の何物でもありません。防御反応(過敏な反応)を起こすのは、身体に備わる免疫システムとして当然の働きなのです。反応しやすい肌が続くのは当然なわけです。

サッポーは、手作り化粧品を否定するつもりはありません。上の例は、手作り化粧品を安全で安心できると思い込んでいたところに落とし穴があっただけです。手作り化粧品をもっと違った局面で利用し、手作りを楽しむ方向で活用すべきものと考えます。

手作り化粧品を楽しむ三ヶ条

第1条 手作りで化粧品を創ることを楽しむ
創造の喜びほど、チャレンジの意欲をかき立て、充実感を伴うものはありません。それがある程度の満足を伴い使用できるものに仕上がれば、それは素晴らしいことです。美味しい料理が上手にできた時や、家庭菜園で美味しい野菜が収穫できた満足感に相当します。
第2条 健康な肌、強い肌、美しい肌を確保してから手作り化粧品を楽しむ
肌トラブルの改善等を手作り化粧品の目的にするには、私達にはあまりに知識が足りません。材料や備えにも限界があります。まず、何をつけても大丈夫な肌に育ってから、信頼できるレシピを真似て、あなただけの化粧品を楽しむことにします。
第3条 安全性を確保するための正しい知識を増やす
手作り化粧品の世界には様々な情報が溢れています。その中でも安全知識に関する情報については、科学的・合理的に納得できるまで吟味し、正しい知識として一つひとつ増やしていくことが大切です。

以上、サッポーの視点で、手作り化粧品を楽しむ心得を3ヶ条にまとめてみました。参考にしてください。手作り化粧品の位置づけ、正しく伝わりましたか?


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