本日は、肌トラブルの中でも最も悩ましい敏感肌と、その対策についてお話ししようと思います。
サッポーではよく「肌の育ち度」という指数をもとにスキンケアを解説しますが、健康な肌と敏感な肌のボーダーラインを70%としています。
肌の育ち度70%を下回れば、敏感肌に足を踏み入れてしまうことになります。さらに一度60%台に陥ると、健康な肌には戻りにくくなり、そのまま60%台をうろちょろしたり、50%台に転落したりすることも……。
白ニキビやすぐに治まる赤みなど、ちょっとした敏感な反応で済めばいいのですが、50%、60%台から抜け出せない肌は、たいてい日常的に湿疹や痒みなどの炎症を繰り返すようになっています。
なんとか敏感肌から脱出しようと色んなスキンケアを試しては失敗し、また絶望的な気持ちになる……という人をサッポーは何人も見てきました。
これ以上、敏感肌の負のループを繰り返す人を作らないためにも、今一度敏感肌のスキンケアについてみていきます。
正しい敏感肌対策を知って実行すれば、誰もが敏感肌から脱出できるのです。
肌の育ち度については、こちらのサッポー美肌塾を参考に。
敏感肌が陥りやすい「合う・合わない」問題
敏感肌だと自覚するのは、どんな時でしょう。湿疹などの炎症があれば、判りやすいですね。
それ以外にも化粧品をつけて肌がピリピリ、チリチリとしみたり、赤みが出たりした場合はどうでしょうか。
- 「自分の肌が敏感だから反応した!」
もしくは、
- 「この化粧品は私の肌に合っていない!」
あなたはどう考えますか?
化粧品を合う・合わないで判断しない
この場合、前者が正解、後者は不正解です。でも、とっさに「肌に合わない!」と思う人は多いでしょう。
実際に今の肌には使えないのだから「肌に合わない」も間違いではないのですが、この考え方は「合わないのなら、合う物を探そう!」という考えにつながります。
そして、この化粧品はダメだったから次を探すという、先に述べた「敏感肌の負のループ」が始まります。
今の肌に使える化粧品を探すことは大切ですが、肌の敏感さを解消しない限りは、いつまでもループから抜け出せません。
ズバリ言います!
特定の成分にアレルギーがある場合を除いて、敏感肌は化粧品が肌に合う・合わないの問題ではなく、角質層(バリア層)が「疎」な状態、つまり隙間だらけになっていることこそがそもそもの原因であり、問題なのです。
本来、角質層は隙間のない密な状態です。バリアーとして、化粧品やウイルス、水などの侵入を防いでいます。
しかし隙間があれば、そこから色んなものが侵入します。肌はそれらを異物として捉え、ピリピリや赤み、痒み、炎症などの刺激(SOS)を発信し、私達に危険を伝えています。いわゆる免疫システムが稼働するわけです。
だから角質層の隙間をなくし、バリア能力を高めることが、敏感肌脱出には必須なのです。
バリア能力の高まりと共に、徐々に使える化粧品が増えていきます。今は反応する“合わない”化粧品も、敏感肌から脱出すれば使えるようになります。
何でも“合う”肌になるのですね。
敏感肌のスキンケア、具体的な進め方
さて、それでは敏感な肌には、具体的にどのようにケアを考え、進めていけばよいのでしょう。
サッポーでは、肌状態に合わせてスキンケアを変えながら敏感肌脱出を目指す「ステップアップ」「ステップダウン」という方法を案内しています。
ステップアップ
肌が反応せず使える化粧品で、スキンケアをスタートします。改善が進み、肌が安定したら、化粧品を追加したり、変更したりしてケアを充実させていきます。
ケアのステップアップは慎重に行うのがポイントです。1ヶ月間ずっと安定した状態が続いたら、次のステップに進む、を目安にしましょう。
ステップダウン
化粧品に反応した!炎症が悪化してきた!このようなことが起これば、すぐに一つ前のケアに戻します。
敏感肌が悪くなる方向にあるからです。無理に今のケアを続けず、ステップダウンして、再びステップアップの機会を待ちましょう。
ステップアップには時間が必要ですが、ステップダウンは即実行します。
洗浄、保湿、乾燥保護、紫外線保護から敏感肌ケアをみる
「ステップアップ」「ステップダウン」の概要がわかったところで、スキンケアの基本、洗浄・保湿・乾燥保護・紫外線保護それぞれの、具体的なスキンケアをみていきましょう。
ステップ1が最も敏感な場合で、肌の安定とともに2→3→4とステップアップしていきます。ステップ4まで来れれば、肌の育ち度70%といってもいいでしょう。
サッポーのアイテムを例に解説していますが、条件を満たしていれば他の化粧品でも問題ありません。
洗浄
- ステップ1
- 38℃以下の湯水ですすぎ洗顔
- ステップ2
- サッポーのクレンジングクリーム+すすぎ洗顔(朝・夜ともに)
- ステップ3
- サッポーのクレンジングクリーム+石けん洗顔(朝・夜ともに)
- ステップ4
- 朝は石けん洗顔、夜はサッポーのクレンジングクリーム+石けん洗顔
サッポーのクレンジングクリームは、界面活性剤を洗浄目的で配合していません。洗浄剤によって洗い過ぎ、角質を傷めている肌が多いからです。
クリームが様々な汚れになじんで浮かし、その汚れを肌に戻さない特徴があって、敏感肌に優しい構造になっています。
一般的なクレンジング料は、洗浄剤を配合したものがほとんどですから、選ぶ時はしっかり見極めましょう。
たいていの肌は、ステップ2から始められます。でもかなり敏感だとクレンジングクリームに反応する場合があります。
そして、2から3へのステップアップは特に慎重に行います。敏感な肌は、石けんのアルカリ性で反応しやすいからです。石けんの使用は決して急ぐ必要はありません。
敏感肌には「石けんが優しい」と思われがちですが、実際はその逆なのですね。
保湿ケアと乾燥保護のケア
- ステップ1
- 白色ワセリンで保護する
- ステップ2
- サッポーのエスカバー(敏感肌用クリーム)で保護する
- ステップ3
- 化粧水で保湿し、エスカバーで保護する
- ステップ4
- 化粧水で保湿し、乳液やクリームで保護する
敏感肌のスキンケアでは、化粧水等の“肌を潤す”保湿よりも、乳液やクリームで“乾燥から守る”保護のケアを優先します。化粧水は、浸透しやすい性質なので、肌の隙間から侵入し、刺激になりやすいからです。
乳液やクリームに反応する場合、サッポーのエスカバーをお勧めしています。肌に浸透しにくく作られていて、隙間だらけの肌にも侵入しにくい敏感肌専用クリームです。
でも、かなり敏感な肌だとエスカバーにも反応することがあります。その場合は、医療現場で多用される白色ワセリンを使います。
化粧品ではないので塗り心地は劣りますが、エスカバーよりも浸透しにくく、安心・安全の面では優れた保護剤です。
紫外線からの保護ケア
- ステップ1
- 紫外線を一切避けた生活を送る
- ステップ2
- 日傘や帽子などで紫外線を避ける
- ステップ3
- 紫外線散乱剤型のUVケア製品を使用する
- ステップ4
- 日常生活は3で、いざという時だけ、紫外線吸収剤型の製品や耐水機能が強化された製品(ウォータープルーフ)を利用する
紫外線は、肌にダイレクトにダメージを与えます。敏感肌にとっては脅威なので、必ず対策が必要です。
UVケア製品が使えない場合は、ステップ1や2で対策するしかありませんが、たいていの肌は、ステップ3からスタートできます。
というのも洗浄や保湿、乾燥保護ケアとは違って、UVケア製品は直接肌に触れないからです。化粧品でガードされている分、安全なのです。だから、UVケア製品は積極的に使ってくださいね。
但し、ここでネックになりやすいのは、UVケア製品の選択間違いです。
長くなるので詳細は割愛しますが、「どうして紫外線散乱剤じゃないとダメなの?」と思った方は、こちらのサッポー美肌塾を読んでおきましょう。
以上、4つの項目で一歩一歩ケアの充実を図ることが、敏感肌脱出の近道となります。
時には、ステップダウンをしなければいけなかったり、アップダウンを繰り返し改善が進まないこともあるでしょう。それでもこれが最も確実な方法です。
肌はいつもターンオーバーを行い、育ち度を上げようと努力しています。敏感肌も同じです。この努力に少し力を添えてあげる、それが私達の役目なのですね。
- 「これがダメなら次!」「肌に合う・合わない」では敏感肌はよくならない
- 敏感肌脱出ケアのステップアップは慎重に、ステップダウンは素早く行う
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