ほくろを気にされている方は多いですね。スキンケア相談室にもよく相談を頂き、シミやソバカスと見分け方が分からないという方も割といらっしゃいます。
そして、このほくろは数が増えてきたり、大きくなるとさらに気になるものです。
今回はこのほくろについて、簡単に解説しておきます。実際は、スキンケアから「半歩離れている」存在のほくろですから、その位置に留めておきたいのです。
ほくろの大まかな解説と対処法
メラニン色素を作る細胞をメラノサイトといいます。茶褐色から黒っぽいメラニン色素を作り続けている細胞です。日焼けを起こしたり、時にシミを作るので、私達にとってなじみの深い細胞と言えます。
このメラノサイトが変化したものなのか、もしくはメラノサイトになれなかったのか、そのような細胞を母斑(ぼはん)細胞と言います。これの集まったものが俗にいう“ほくろ”です。
母斑細胞はメラノサイト同様にメラニン色素を作るので、通常の皮膚より色が濃くなります。
濃くなった部分が平らな状態では、色は褐色から茶色っぽいのですが、大人になる(年月を経る)とこの母斑細胞がなぜか増えて(集まって)盛り上がってくることが多く、それで初めてほくろだと認識するのが普通です。見ただけでは誰もわかりません。
なので、これはほくろなのか、シミなのか、それともソバカス?……と、よく判らないのは当然なのです。
姿形から明らかにほくろと判る場合は良いのですが、シミのように淡い褐色の扁平な姿だと、専門医でも見ただけでは判定できません。もし、悩みのタネとなっているなら、皮膚科医に検査してもらい判定して頂くことになります。
大きなものは形成外科のお世話になり、取り除くことはできますが、普通のほくろは保険適用は無しの施術になります。病気ではないからです。
しかし、中には姿・形がいびつで凸凹していたり、色に濃淡があるなどが観みられたら、メラノーマ(悪性黒色腫)といって皮膚ガンの中でももっとも厄介な種類である恐れがあります。メラノサイトや母斑細胞はがん細胞に変異することが多いのです。
この場合、早期発見が大事なので、悩む前に診て貰うのが賢明です。ただのほくろだとわかれば安心できますからね。
ちなみに日本人のメラノーマは、爪や足裏、掌にできやすいとされています。メラノサイトのない部位ですから、母斑細胞だってないはず。なのになぜか出来る……メラノサイトの超少ない白人に皮膚ガンが多いのと同じ理由なのかもしれません。
なぜ、ほくろができるか……については、本当のところは解明されていません。ただ紫外線により増えたり、盛り上がったりすることは間違いないようなので、私達が注意すべきは、第一にUVケアということでしょう。
もちろん様々な刺激によることも推定されています。スキンケア同様に、肌が健やかに育ち続ける環境作りを大切にしましょう。
サッポー美肌塾はスキンケアが専門です。ほくろについては、この範囲に留めます。
- ほくろの予防はまずUVケア、ベースは肌が育つ環境作り
- いびつなほくろには要注意!医師に診て貰うのが安心
編集後記
大抵の人が一つは持っている「ほくろ」ですが、まだ解明されていない部分も多いようで……不思議な存在ですね。
ほくろがチャームポイントの方もいれば、気になってしかたがない方もいます。もし、気になる場合は、医療機関に頼りましょう。
「サッポー美肌塾」第676号
更新