滋味深く、素朴な味わい
モーリーの
“初春のおくずかけ”
二月、三月は節分、立春、上巳の節句、春分の日と春の行事が盛んです。この行事を順番に迎えていくうちに、寒さに耐えていた花芽が膨らみ始め、梅の便りも聞こえてきます。
さて今回は、宮城県で春と秋の彼岸やお盆の時によく作られる、郷土料理の「おくずかけ」をご紹介します。
その時季に採れる数種類の野菜を、干椎茸や油揚げなどと一緒に煮込み、最後に葛でとろみをつけた具だくさんの汁物です。いろいろな具材からのうま味や香り栄養が、とろみのある出汁にしっかり出ていて、滋味あふれる味わい深い一品です。
野菜もやわらかく食べやすいので、お子さまから高齢者まで幅広く召し上がっていただけます。また、ダイエット中の方や、コレステロール値が気になる方にもお勧めのメニューです。旬の野菜をたっぷり使って、一度お試しください。
≪材料(2人分)≫
- 里芋
- 60~70g
- 大根
- 60~70g
- 人参
- 30g
- ごぼう
- 30g
- 干椎茸
- 5~6g
- 油揚げ
- 20g
- きぬさや
- 5~6枚
- 菜の花 ※1
- 4枝
- 生麩(梅形)
- 20g
- 昆布だし汁 ※2
- カップ2
- a
-
- 塩
- 小さじ1/4
- うす口しょう油
- 小さじ2
- 酒
- 大さじ1
- b
-
- 片栗粉
- 大さじ1/2
- 水
- 大さじ1
(野菜は正味のg数です)
※1…三つ葉でもOK
※2…水でもOK
≪作り方≫
- 里芋は泥を洗い落としてから皮をむき、大きいのは厚さ7~8mmの半月切りにします。大根、人参は厚さ7~8mmのいちょう切りにします。
- ごぼうは皮をこそげ取ります。5mm厚さの小口切りにし、水に放した後ザルにあげます。
- 干椎茸はカップ1/2強の水で戻した後、水気を絞り1cm角に切ります。(戻し汁は、だし汁用にとっておきます)
- 油揚げは熱湯で油抜きをした後、1cm角に切ります。
- きぬさやと菜の花は塩少々加えた熱湯で、さっと色良く茹でます。直ぐに冷水につけ、ザルにあげます。きぬさやは小口から1cm幅に切ります。
- 梅形の生麩は、小口から6等分に切り分けます。
- 鍋に3の干椎茸の戻し汁カップ1/2と、昆布だし汁カップ2、1・2・3・4の具材を全て入れ、強火にかけます。
- 7がフツフツしてきたらアクを取り、中火にします。具材に火が通りやわらかくなったら、aの調味料と5のきぬさや、6の生麩を加えます。
- 8が再びフツフツしてきたらbを様子をみながら加えて、とろみをつけます。
- 味をみて、塩、しょう油で調えます。
- 10を器に盛り、5の菜の花を飾ります。
※「葛」でとろみをつけることから「おくずかけ」と名がついたそうです。宮城県では、油を使わずに延ばしたそうめん「温麺(うーめん)」を入れるのが定番です。このメニューでは、葛の代わりに片栗粉を使用。「温麺」は入れてません。