■ “yumi”さんのご質問
> こんにちは。サッポーのおかげで相変わらず肌の調子がいいで
> す。
>
> 先日知人と化粧品の話になったとき、精製度の話になりました。
> その知人は精製度の高いものを使うことにこだわっている、と話
> していました。私はそのとき初めて「化粧品の精製度」なるものを
> しりました。彼女いわく、化粧品には段階がある、とか……。
>
> サッポーは精製度においてはどの段階に位置しているのでしょう
> か?また、精製度の違いによって何が変わってくるのでしょう
> か?教えてください。
■ スキンケア相談室からの返信
サッポー製品に使用している成分個々の精製レベルは、最高度のものを使用しているとお考え頂いていいですよ。
化粧品で大切な事を、サッポー流に言い換えますと、
- 肌が育つ環境を作るのに適した配合とケアの流れになっているか。
- 品質レベルの優れたものであるか。
この2点になります。
お尋ねの精製度は上の2で言う品質レベルに相当するものです。
しかし、品質レベルは、企業姿勢が問われているもので、見るだけでは判りません。
もし長いレンジで評価が可能だとすれば、品質レベルの低い製品がロングセラー製品になるのは難しいと判定できると思います。
※参考視点
食塩には精製塩が多く使用されます。家庭の食卓で利用されているものです。
サラサラと均一で見かけの良い塩です。NaCL100%。
不純物が殆ど「0」と言うものです。
一方、様々な名称で販売されている値段の高い食塩もあります。
精製していない塩です。
様々なミネラルを豊富に含有しており、身体に良いと人気が出ているわけです。
純度の高いものの方が値段は安く、不純物はそのままの方が値段は高いのです。
不純物をそのままに残した塩を作る方が、製造コストがかかってしまうからです。
食塩を参考視点に挙げましたが、化粧品の場合はどうでしょうか。
実は化粧品は逆なのです。
純度の高い製品ほど、コストアップし価格は高くなります。
食べ物と肌につけるものの違いですね。
人の身体そのものは巨大な化学工場と言ってよいものです。
この工場への原料投入は口から行われます。
必要なもの、不要物、危険物、何でもそれなりに処理してしまう優れもの……というわけです。
ところが肌の場合、その様な能力は持たない存在です。
繊細なアンテナを持ちながら、一方、強靱なバリアーとして、しかも美しく肌を守ることが期待される生命活動を行っていない完成物(角質層)としての存在です。
日々完成品として送り出される角質の層が、生きた表皮組織を守るようになっています。
ところが、角質のバリアー層はいつも完全な状態ではありません。
ダメージを受けて、傷みや綻びが出来ていることがあります。
また未熟な痩せた角質で出来たバリアー層の肌では、化粧品成分が痩せた角質層を通過し、生きた表皮層に侵入しやすい状態になっています。
ここで成分の精製度・純度が大切になってくるのです。
基本的に化粧品成分は、生きた肌組織部分にとって、全て異物です。
バリアー層を越えて侵入する成分に、肌は全て反応します。
ところが、中には過剰な反応をする成分があり得ます。
それらは、ほんの僅かでも肌に反応を起こさせます。
微量に含まれる不純物は成分として表示されませんが、これらが肌の悪い反応を起こしていることはよくあります。
もちろん不純物ではなく、主要成分が反応の原因になっていることだってあります。
配合された各成分の精製度が低い製品の場合、たとえ微量でもたくさんの種類が不純物として含まれるので、そのうちの何かに反応する確率は高くなってしまうのです。
この様に、精製度の低い製品は肌が育つ営みを様々なレベルで阻害する要因になっています。
赤みが出たり、かぶれたりすると判るのですが、小さなブレーキとして働いているだけだと、気づくことさえできません。
気づかない限り、機嫌良く使い続けている場合が多いわけです。
精製塩のように簡単に高い純度の成分を得られる成分があります。
ところが化粧品成分の場合、精製度を上げるために、とても時間とコストを必要とするものが多いのです。
製品を見比べ、「成分が同じように配合されているのに、ずいぶん価格が違う……どういうこと?」……などといった疑問を持たれたことがあると思います。
それでは価格が高いほど問題点が少ないのかというと、残念ながら必ずしもそうではありません。
純度などは表示されないから、どうしても価格を目安にしたくなります。
しかし、価格は化粧品会社が自由に設定できるものです。
ただ価格設定が高いだけのものもあると想像されるわけです。
最終的には、長く愛用され、ファンが増え続けているか……と言うことが、結果として良き製品であり、信頼に繋がるものだといえます。
|