今回は界面活性剤についての話です。
この界面活性剤、悪者にされやすい成分の代表!といっても過言ではありません。事実、そのようなことはありません。
界面活性剤の正しい認識については、サッポー美肌塾の他の講義でもたくさん書いていますので、そちらを参考にしてくださいね。
今回はスキンケア相談室に届いた“まゆみ”さんのご相談を紹介しつつ、界面活性剤について、さらに深い知識を深めていただけたらと思います。
“まゆみ”さんのご質問・相談
私は必ずシャンプーでもなんでも成分を検索します。かぶれたことがあるから怖いんです。
検索してもわからないことがありましたので、教えて下さい。
陰イオン系界面活性剤とは何でしょうか?
アミノ酸系洗浄成分という文字をよく目にしますが、弱酸性と謳われてあったりもします。
これらは、良いの?悪いの?どのようなものなのでしょうか?
“まゆみ”さんは、今までの経験から、成分をよく調べるようになったそうです。敏感肌の方には多いのかもしれませんね。
今回はちょっとマニアックですが、興味深いご相談でもあります。見ていきましょう。
界面活性剤とイオン
質問の陰イオン系界面活性剤ですが、これは界面活性剤の性質の一面を名前にしたものです。種類分けとでもいいましょうか。
まず、界面活性剤を水に溶かし込むと、イオンに解離するものとしないものがあります。
イオン化したとき界面活性剤の親油基(油分とくっつきたがる部分)がマイナスイオン化するものを「陰イオン性界面活性剤」といい、プラスイオン化するものなら「陽イオン性界面活性剤」といいます。
同じイオンに分離するタイプでも溶液のph(ペーハー)によってプラスに帯電したり、マイナスに帯電したりするものもあり、これらは「両イオン性界面活性剤」といいます。
そして、イオン化しない界面活性剤は「非イオン性界面活性剤」といいます。
それぞれを簡単に説明しておきましょう。
- 1.陰イオン性界面活性剤(アニオン性界面活性剤)
-
- 洗浄力が高い
- 泡立ちがよい
- 殺菌力は弱く、皮膚刺激が弱い
シャンプーや洗顔料を始め、スキンケア製品、メイク製品など幅広く使用されている界面活性剤です。
- 2.陽イオン性界面活性剤(カチオン性界面活性剤)
-
- 殺菌力が高い
- 皮膚刺激性がやや強い性質がある
- 毛髪への吸着率が良い
コンディショナーなどのヘアケア製品に利用されることが多い界面活性剤です。スキンケア製品やメイク製品にも一部利用されます。
- 3.両イオン性界面活性剤(両性界面活性剤)
-
- 洗浄力が高い
- 殺菌作用がある
- 毛髪の柔軟効果や形成効果がある
- 刺激性がほとんどない
こちらもヘアケア製品に利用されることが多い界面活性剤です。スキンケア製品やメイク製品にも利用されます。
- 4.非イオン性界面活性剤(ノニオン性界面活性剤)
-
溶かしたときにイオンに解離せず、酸性でもアルカリ性でも使えます。
化学的にとても安定しているので、乳化剤として用いられていることが多い界面活性剤です。
以上は、大雑把な特性を上げたものです。これらにどのような働きを持たせるかによって、それぞれの、界面活性剤の使用法や作用は全く異なります。肌に対する影響も全く異なったものになります。
○○性だから肌に優しいとか、肌に優しくないとかいうことは、残念ながら特定することは出来ませんし、また殆ど関係のないことなのですね。
アミノ酸系界面活性剤とは?
アミノ酸系界面活性剤は、原料に様々なアミノ酸を利用した界面活性剤のことです。
洗浄力が控えめなのが、大まかな特徴です。弱酸性であることも肌に優しいのでしょう。シャンプーや洗顔料、スキンケア製品など幅広く使われます。
ちなみに、サッポーのシャンプーの洗浄成分もアミノ酸系界面活性剤を使用しております。
穏やかな洗い上がり、きしみ感のないのが特徴で、髪と頭皮を優しく洗い上げます。
いかがでしたか?
一言で界面活性剤といっても様々な種類があるのですね。これからも上手に使い分けて、付き合っていけたらいいですね。
- 界面活性剤は、大まかに4つのタイプに分かれる
- 界面活性剤は、使われる目的によって異なる働きをする
編集後記
界面活性剤、種類が4つもあるのですね。○○イオン性だから良い、悪いではなく、使われ方によっても違ってきます。
思った以上に奥が深い成分ですね。
「サッポー美肌塾」第241号
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