秋から春にかけて、乾燥するシーズンになると「毛穴が目立つ」という相談が増えます。確かに、乾燥して毛穴が目立って見える…‥は事実です。
対策としては、よく「化粧水でたっぷり保湿!」といわれますが、残念ながら、これだけでは目立つ毛穴の改善には至りません。
今日の美肌塾では、どうして肌が乾燥すると毛穴が目立つのか、を理解して対策を練ることにしましょう。
乾燥すると、なぜ毛穴が目立つ?
私たちが毛穴と呼んでいるものは、肌の凹みのことです。普段は毛穴(凹み)があることなど、虫眼鏡で拡大して見ないとよく判らないものです。なぜなら、毛穴を作っている毛穴壁はそれ同士がぴったりとくっついているからです。
毛穴に分泌された皮脂は、毛穴壁を押し広げながら肌表に出てきます。分泌されたあと、毛穴壁はまた元通りぴったりとくっつくのです。
肌表層は凹み(毛穴壁)部分も含め、角質が連なり層をなしています。この角質層が乾くと、角質一つひとつの水分も少なくなり、縮んで小さくなります。
するとどうなるか?
顔の表面積も小さくなる?…‥そんなことはあり得ません。角質が小さくなった分どこかが大きくなっているのです。
そう、大きくなっているのは毛穴なのです。乾燥すると毛穴が目立つわけ、想像できましたか?
ここまで解ると、保湿ケアで毛穴が目立たなくなる理由も納得できます。角質層が水分を取り込み、一つひとつの角質がふっくら大きくなるからです。すると毛穴壁は押されてぴったりとくっつくようになり、毛穴が目立たなくなります。
でも、肌が乾き、再び角質が小さくなると、また毛穴が目立ちます。保湿ケアは有効だけど、対策の一つに過ぎません。
このように保湿の強化で、毛穴はそこそこよくなって見えますが、そこで手を打ってしまったら、毛穴の目立つ肌は一生ついて回ります。
環境に合わせて自在にケアを加減する
肌は、ターンオーバーという営みを続け、1日24時間・365日、ひとときも休まずに、新しい細胞を生み出しています。少なくとも月に一度は全ての細胞が新しく入れ替り、以前より立派な角質となるために代謝活動を繰り返しています。
そんな甲斐甲斐しい努力をしている肌なのに、私たちのケアのせいで「現状を維持するだけ」になっていたり、「かえって肌の育ちを後退させてしまっている」ケースがあります。
こうなるとますます毛穴の目立ちは大きくなり、弱くなった角質層(バリア層)を補完するために皮脂は活発化します。このような状況が続くと、肌にいつしか敏感さが備わり、様々なトラブルに巻き込まれるようになります。
その一方で、乾燥しても毛穴の目立たない肌があります。
それは、いつもサッポーが言っている「肌の育ち度」の違いです。一つひとつの角質の保水力が高ければ、乾燥による水分の奪われ方が少なく、肌も柔らかなままです。多少乾燥しても、毛穴を拡げるほどに角質層は縮まないのです。
このように、肌が育ち度を上げるのに適した環境が維持できれば、必然的に毛穴は目立たなくなるのです。
サッポーは、このようなケアを「肌が育つケア」と呼んでいます。
肌が育つためのスキンケア
- 化粧や汚れを浮かすだけの、洗浄力のないクレンジング
- 軽くすすいで、仕上げは石けん洗顔
- 季節や環境に合わせ、化粧水(や美容液)の保湿能を加減したケア
- 乾燥環境に合わせ、乳液かクリームを選択し保護のケア
- 雨・曇り・晴れの紫外線量に合わせ、毎日欠かさずUVケア
いかがですか?
毛穴が目立つからと言って特別なケアをする必要はないのですね。
……というより、「これで毛穴は目立たなくなる!」といったケアはむしろ敬遠して欲しいのです。その場、その日だけ以前よりましに見えるといったものが多いからです。中には日を追うにつれ、肌の育ちを低下させ、長い目で見ると、かえって毛穴を目立たせるものも少なくありません。
毛穴は、肌そのものが変わらない限り、改善には繋がらないのです。今日の美肌より、明日の肌作りを目指しましょう。
1年も肌が育つ良い環境を作れたら、たいていの毛穴は目立たなくなり、見違えるような肌になっています。
大筋だけの解説になりましたが、より具体的なケアについては、美肌塾を検索してみましょう。もしくは、スキンケア相談室におたずねください。
- 毛穴が目立つのは、角質が縮み、小さくなるから
- 目立つ毛穴は、肌が育つことによってのみ改善する
編集後記
乾燥すると毛穴が気になるのは、あり得る現象ですが、実は肌そのものに問題があるのですね。
手前味噌ですが、サッポーの“肌が育つケア”で毛穴が改善される方が多いのには、納得です。
「サッポー美肌塾」第334号
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