毎年冬になると身体が……乾燥が引き起こす痒み!

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高齢の方が冬になると身体のあちこちをポリポリ掻いて、「歳をとると身体が痒い……」とぼやくのは昔からおなじみの光景です。でも、最近は若くても冬になると痒みに悩まされる人が増えてきました。

痒みの発生は、肌が「勘弁して!!」と悲鳴をあげている証拠です。肌に危険が迫っている信号の一つなのです。爪を立てて無意識に掻いているようだと、肌の健康を保つことはできません。もちろん、美しくしなやかな肌は期待できないと言うことです。

身体の場合は、顔の肌ほど遠慮せずに掻いてしまいがちだし、痒いところを掻く時の快感は理解できます。でも、やはり痒みの発生しない肌を目指すべきです。

痒みの多くは肌の乾燥が原因

肌の痒みは、表皮の基底部分まで伸びてきている痒み神経が刺激されることによって発生します。

乾燥(=肌の水分減少)が痒み神経を助長している!

乾燥すると痒くなる……これはもう常識となっています。ところが困ったことに、肌が乾燥すると表皮細胞がこの痒み神経を助長させるカラクリあります。そして、このカラクリが働くと悪循環のループにはまってしまうことはあまり知られていません。

延伸する痒み神経のイメージ

そのカラクリとは、肌が乾燥すると角質層(バリア層)直下まで痒み神経がスルスルと伸びてくることです。物理的な刺激が神経に作用すると痒みを感じるのですから、角質層まで延びた痒み神経はより外部の刺激を受けやすい状態になります。

また乾燥した肌(角質層)は硬くなるため、肌そのものが容赦なく痒み神経を刺激しやすい状態になります。肌が動くだけで痒み神経を刺激し、私達は痒みを感じるので、これはたまりません。

痒みは悪循環を起こし、新たな痒みへと拡大していく

痒み神経に痒みをもたらすのは、上のような物理的な刺激だけではありません。化粧品等の化学的な刺激によっても痒み拡大に繋がります。

痒みが増幅すれば、痒み神経がさらに信号を出します。すると真皮層のマスト細胞にヒスタミン(信号)を放出させ、このヒスタミンがさらに痒み神経を刺激し、奥深い痒みへと増幅していく……こんな複雑なメカニズムが働くのです。

ここでポリポリと掻いてしまったら、角質層は壊され、ますます乾燥しやすい肌状態を作り、痒みの悪循環はさらに拡大します。

このように痒みは身に迫ったリスクを知らせる合図です。この警告信号を迷惑と思わず、ありがたいと受け止め、正しく対処していきましょう。

痒み対策、間違ったケアや習慣を一つひとつきっちり見直していく

痒みの出発点が乾燥なら、乾燥させないようにすればいいわけです。ところが、「良いと言われることをしてるのに、良くならない」こんな人が多いのも事実。これは、肌を乾燥させる原因が様々にあり、対策してるつもりが穴だらけの対策だったというケースが多いからです。

十分な保湿と保護のケアを

肌を乾燥させる原因

  1. 乾燥しやすい環境に居ることが多い
  2. 風に吹かれることがよくある
  3. 化粧水や美容液(ボディローション)等での保湿ケアの不足
  4. 乳液やクリーム(ボディクリーム等等による保護ケアの不足
  5. 冬場は紫外線対策には無頓着である

まず基本を挙げました。これだけなら、「1・2は十分注意してるし、3・4・5の基本的なケアも、しっかりしてるつもり」という方は多いでしょう。

例えば、紫外線対策をはしっかりしているつもりでも、そのツールが耐水機能が強化された製品であれば、気づくことなく乾燥肌を進行させていきます。気づいた時は乾燥肌を通り越して敏感肌……ということも珍しくありません。

  1. 洗浄剤の選択誤りや洗い過ぎが起こっていないか

不適切な肌洗浄は、じわじわと乾燥肌を進行させます。これは解説を割愛します。よく解らない方は、サッポー美肌塾の洗顔講義のカテゴリから探してみましょう。

参照:「洗顔」カテゴリの講義一覧

  1. 「熱い風呂が大好き!!」は、肌を乾燥させる

40℃のお湯でも長風呂が習慣になっていたら、乾燥肌作りには十分な温度です。41℃や42℃の熱めの湯温は、入浴時間が短くても毎日の習慣になっていたらリスキーです。

参照:「入浴の効用と弊害、正しい方法で肌も身体も健康に」

  1. カイロ、コタツ、床暖房、ホットカーペット、電気毛布……熱を発するものに注意!

利用方法や程度の問題です。熱すぎると、肌との長時間接触は低温火傷を繰り返し、乾燥が進行するだけでなく、敏感肌に転落します。低温火傷に繋がらない適度な暖かさでも、発熱体のあるところは超乾燥空間を作られているので注意が必要です。素肌を超乾燥空間におくのですから、着実に肌を乾燥させるのです。コタツの中でも靴下や衣類で熱から身体を守ることは重要です。さらに汗かけば、その汗が乾燥を和らげてくれます。

以上、直接肌を乾燥させる事項を挙げましたが、6・7・8などは、もしかすると乾燥肌の進行とは関係しないと思っていた人も多かったのではないでしょうか?いずれか一つでも該当していたら、他の事項が大丈夫でも、いずれ、乾燥肌が進行していくことばかりです。

  1. 肌に接触する繊維の質に注意!

これは枝葉のテーマになりますが、既に痒み神経が角質層直下にまで伸びており、痒みに悩まされている肌には重要な問題というべきかもしれません。ちょっとした繊維の硬さが痒み神経を刺激するようになっているからです。

直接肌に接する繊維は綿のように保水性の高くて柔らかい物が安心でしょう。

冬の痒み発生と、きっぱり縁を切る

顔の肌に不満があると、すぐ大騒ぎしますが、身体の場合は案外無頓着に放置しているケースがよく見られます。肌状況の悪化が進行していても、そう困らないからでしょう。痒みもその一つです。

痒みが時々出るようになっている肌は、それが深刻なものでなくても、肌の水分量は減少していることが多くなっていると判断しましょう。つまり、乾燥肌が進行しているのです。同じ生活スタイル、生活習慣でいると、状況はさらに悪化していくと考えるべきです。

望むべきは早期対処です。上に挙げた事柄から、あとはあなたの生活スタイルに合わせて対処法を考えましょう。迷ったら、サッポー美肌塾相談室に相談ください。

痒みが消えたら、それでOKとしないで、めったに痒みなど感じない肌になるまで、徹底的に対処を続けます。身体の肌は、顔よりは環境に恵まれているため、対処しやすいでしょう。

このようにして育った肌は、悪い習慣さえなくなっていたら、痒みの発生ときっぱり縁を切ることができます。


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