サッポーもお勧めしている保湿パック、肌がしっとり、プルプルに♪という多くの嬉しい声の中に……時々ヒリヒリ!赤みが!という悲劇の声もあります。この違いは何でしょうか?実は保湿パックには、意外な落とし穴があるのです。
保湿パックの効果と弊害
パック効果とは、密封することにより、肌につけた化粧品成分が角質細胞層に浸透しやすくなることを言います。保湿成分が豊富なスキンケア製品をこのパック効果を利用して肌になじませると、より高い保湿効果を得られ、保湿された状態を長持ちさせることが出来ます。
……と、通常は上のような説明をするのですが、パック効果は保湿成分に限ったことではなく、様々な化粧品成分の浸透を半ば強制的に促すことにあります。
ところが、このような保湿パックをした時、肌のバリア能が低下していたらどうなるでしょう。未熟で小さな角質細胞で作られたバリア層は隙間が多く、化粧品が角質層を通り抜けて、肌内部に侵入しやすくなっています。
すると肌は、例えそれがどんなに良い化粧品成分であっても、侵入してきたものは全て異物とみなし、防御反応を起こします。その反応が大きいと、痒みがでたり、赤みが出たりします。ひどい場合はかぶれたりします。
保湿パックは本来肌にとって好ましいケアですが、上記のように肌の状態によっては余計なお世話で、かえって肌を傷める結果になる時もあるのです。
保湿パックをして良い時・いけない時
「保湿パックをした次の日は、肌はもちもち、はりも良くなったような気がする。さらに、なんと化粧乗りの良いこと!!」
この様な体験をすると、その良さが忘れられません。このようにして、スキンケアに保湿パックを取り入れられた方から、驚きの緊急相談を受けることがあります。
「長時間外出して、冷たい風にも当たって、肌がガサガサになってしまいました。今日はたっぷり保湿しようと、保湿パックをしたら、顔中真っ赤に……」
肌が乾燥ダメージを受けたのだから、保湿ケアで乾燥を癒やすのは当然のこと。そして、その究極のケアでもある、保湿パックは最適であるように思います。でも、どうしたことか、肌が真っ赤になるという、しっぺ返しを食らってしまわれたのです。
この時、肌についての知識がもう少しあれば、
「風に当たることで、今はバリア能が低下してしまっているだろう。肌を過剰反応させないことが一番。今日は、未熟な肌には刺激がある石けんは止めて、サッポーのクレンジングだけにしよう!保湿パックは当然お休みして、化粧水とクリームも肌の反応を確かめながら、慎重につけてみよう。」
といった、ケアのステップダウンの判断が出来るようになります。皆さんもこのように考えて下さいね。普段使用できている化粧水に急に反応するようになったのではありません。傷んだ肌に、保湿パックで化粧水を無理矢理浸入させた結果なのですね。
つまり、保湿パックに裏切られたのではなく、裏切ったのはあなたの方だったのです。
まとめると……
- ○ 保湿パックをして良い時
-
- = 肌が比較的安定している時
- × 保湿パックをしてはいけない時
-
- = 乾燥や紫外線によるダメージを受けた時
- = 理由を問わず、肌が敏感になっている時
- = 洗顔後のつっぱり感がいつもより強い時
逆に考えていた方もいらしたのではないでしょうか?
そこそこ健康な肌状態なら、バリア層に体力もあるので、“多少ダメージがあった程度”では、保湿パックはプラスに働きます。
でも未熟な肌が同じようなダメージを受けたり、健康な肌でも大きなダメージを受けた後は、保湿パックはしない、が正解です。
今一つ自分の肌レベルが分からない場合は、上の良い時・いけない時を基準にされるといいですね。
また、自信を持つことは悪いことではないのですが、「私は大丈夫!」「このくらい大丈夫!」の慢心もいけません。見えない部分なので、何が起きてもサッポーでは保証できません。
今回は、釘を刺すように保湿パックの注意喚起をしましたが、基本的にスペシャルなケアであることには変わりありません。
肌がまだ健康に及ばない方は、その肌を目指して、既に健康な方は、この保湿パックをスキンケア習慣に取り入れて、楽しんで下さいね。
- 保湿パックをして良い時(肌)といけない時(肌)がある
- ダメージを受けたときこそ、保湿パックは控えるべき
編集後記
時間があるときは、保湿パックをするようにしています。本当にあのプルプル感は幸せです。自分の肌ではないように感じることも。
でも、この幸せを感じられる肌でいるためにも、節度を守って、保湿パックをしていきたいですね。
「サッポー美肌塾」第354号
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