賛否両論!石けんの長所と短所を知って、スキンケアの効率をアップさせよう

イメージ画像:石けんの泡

サッポーは石けんによる肌洗浄を推奨しています。

もちろん理由があります。後で詳しく解説しますが、肌が本来の姿に戻る過程、つまり、ターンオーバー(新陳代謝)において、他の洗顔料(洗浄剤)にはできない役割を果たしてくれるからです。

ところが一方で、石けん洗顔をすると酷い目にあう肌があります。

  • つっぱり感が大きくなった…
  • 痒みが出てきた…
  • ピリピリ…
  • チリチリ…
  • 肌の赤みが増した…
  • 増した赤みが消えない…
  • 炎症性のニキビが悪化した…

こんな症状の現れる肌があります。これでは石けん洗顔否定派にならざるを得ません。

このような石けんの良い影響と悪い影響は、いずれも事実です。すると私達は余計に混乱してしまいます。石けんによる洗浄は、是か非か、はっきりさせたい所ですね。

ここで真相を先に明かしますと、石けんを使って良い肌と、悪い肌があるのです。

一律に石けんが良いとか悪いとかを決め込むのではなく、長所と短所の存在を認め、長所を生かし、短所を避ける使用法こそが求められるのです。これができたら、石けんによる洗浄が肌にとって最も好ましいと言えます。

どういうことでしょうか。講義を続けます。

石けん洗顔をしてはいけない肌(石けんの短所)

まず、石けん洗顔を避けるべき時、避けるべき肌について解説しておきます。

前段で、石けん洗顔によって、酷い目にあった症状例を挙げておりましたが、これが、石けん洗顔をしてはいけない肌なのです。もし、このような異変を肌に感じたら、直ちに石けん洗顔を中止しましょう。

異変の程度にもよるのですが、少なくともターンオーバー(新陳代謝)において、大なり小なりのブレーキがかかっていると考えられるからです。また、大丈夫と思って続けると、肌に過剰な反応(赤みやかぶれ等)が現れてしまう場合があります。これはブレーキではなく、肌の後退と言えます。

石けん洗顔で、つっぱり感が強くなったり、炎症が起きるのはなぜ?

石けん洗顔でつっぱるのはなぜ?

つっぱるとか、痒み等々の肌の訴え(合図)は、どうして起きるのか、簡単に解説しておきます。

つっぱり感は、肌が乾くに従い、一つひとつの細胞が縮んでいく時の、肌の違和感です。この違和感が大きい時は痛みとして感じます。肌の育ちが低く、縮みやすい肌の特徴です。

石けん洗顔で多少のつっぱり感はごく自然な現象で、そう心配する必要はありませんが、つっぱり感が強い時は要注意なのです。つっぱり感は、赤み・痒み・ピリピリ・チリチリの前駆症状とも言えるからです。

また、痒みは、肌が乾き、縮み、硬くなることによる物理的刺激で覚える感覚です。

さらに肌の縮みが拡大すると、バリアー層(角質層)の隙間も大きくなり、化粧品や汗・汚れなどが角質層内にまで侵入しやくなります。すると肌は、刺激(ピリピリ、チリチリ)を感じるのです。この状況がある一線を越えると、肌が免疫反応を起こし、炎症が拡大していきます。

つっぱり、痒み、チリチリ、ピリピリ等、肌の小さな悲鳴だけで治まっている場合はまだしも、炎症反応にまで至ると、これはもう肌のブレーキに留まらず、後退させることになります。今までの肌を犠牲にしてでも、炎症を起こすことによりターンオーバーを早めて侵入物を排除しようとするのです。

このように炎症反応を誘導しやすいのは、石けんの持つ性質「アルカリ性」が肌を刺激しているからです。注意すべき石けんの短所です。

肌の合図を無視してはいけない

肌のバリア能がしっかりしていると、つっぱり感や痒み、ピリピリ・チリチリはもちろん、石けんのアルカリで炎症反応を起こすこともありません。

しかし、既にバリア能が弱くなっていた場合、石けん洗顔は、つっぱり感や痒み等、様々な方法で、肌の状態を知らせます。違和感を感じたら、直ちに石けんの使用を中止した方が、肌にとって良いケアとなる…この視点を思い出し、中止の判断をすべきなのです。

「気にはなるけど、我慢できないほどでもない」と、石けん洗顔を続けるようなことはしないようにしましょう。未来の肌を決める、大きな分かれ道がここにあります。

石けん洗顔の長所とその他の洗浄剤

これまで、石けん洗顔のリスキーな面を主に取り上げました。長所についても力説しておかないと、石けん派に叱られそうです。

冒頭でも少し触れたように、サッポーも石けんを肌の洗浄に推奨しております。

最大の長所は、肌に良い環境を整えることにある。

石けん洗顔の長所とは

石けん洗顔の良いところは、何と言っても角質を不用意に剥がさない点です。湯水で洗い流すだけで、洗浄剤である界面活性剤が消えてしまい、肌に残らないのです。界面活性剤が残らないと、角質の剥がれが抑制されます。本来の寿命(役目)を終えてから角質が剥がれるように、肌に時間を与えることになるからです。

サッポー流に解説すると、日々誕生している表皮細胞が、健康で強くて見映えのよい角質(肌)に育つ過程(ターンオーバー)において、代謝活動の時間的余裕を与えてくれるのが石けん洗顔なのです。このような良い循環作りに役立っているのです。

これが石けん洗顔の最大長所です。

石けん以外の洗浄剤は?

一般の洗浄剤は、洗い終わった後、肌に界面活性剤が必ず残るため、肌に水分をつなぎ止める力として働くので、しばらくの保湿効果が続きます。つっぱり感をはじめとした肌の違和感が生じにくく、石けんのようにアルカリ性の刺激もないので、敏感な肌にとって洗い上がりの優しさをもっているといえます。

一見、長所のように思えますが、界面活性剤が残ると、次の洗浄時に角質が剥がれ易くなるのです。これは大きな短所です。

石けん洗顔の短所を補う方法

石けん洗顔は、ある程度以上に育った健康な肌には、いかんなくその長所を発揮してくれますが、育ちが悪く、敏感さのある肌にはさらに痛めつけるという、何とも不公平な側面をもっていることになります。

でも、一般の洗浄剤には短所がある……敏感な肌はいずれの洗顔料を使うべきなのでしょうか?

このような時、最善の方法は、肌の洗浄レベルを一段下げて、肌が育つブレーキになることを避けることです。サッポーの提案は、

洗浄力のないクレンジングクリーム+すすぎ洗顔だけ」

つまり、石けん使用をすっぱりと諦め、クレンジング剤の中でも洗浄剤を配合しないものを選ぶのです。といっても金輪際、石けんを使用できないのではありません。今は使用しない方が肌の為に良いが、いずれ使用できる様になるのだと考えましょう。

敏感な肌にとっては、上の洗浄法で肌が育つ環境は十分に合格点なのですね。

いかがでしたか?
今も昔も石けん洗顔には、賛否両論ありますが、ぜひ皆様は、石けんの長所・短所を知り、上手に使いこなしていきましょう。

肌の洗浄は毎日行うケアです。日々の肌観察で変化は見えませんが、少し長い目で観察すると洗浄法の違いによって、肌に大きな差が表れているのがわかりますよ。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 石けん洗顔は、肌にとって、長所と短所の両面を持つ
  • 育った肌は石けん洗顔OK!敏感肌の石けん洗顔はNO!
黒板に注目!

編集後記

諸刃の剣・両刃の剣、とはよくいったもので、長所と短所が相まって成立しているものって多いように思います。

人の性格だって、自分が短所と思っていることが、他人には長所に映っていることがありますね。石けんの性格(性質)を知って、上手く付き合えそうでしょうか?

「サッポー美肌塾」第394号


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