サッポーです。
テーマは、化粧のりと化粧崩れ。今回の美肌塾では、これからの季節に多い化粧崩れを中心に講義を勧めます。
これからの季節に多いのは汗。汗による化粧崩れです。皮脂が多くなっていると勘違いしている方が多いのも、この化粧崩れの特徴かもしれません。
つい1ヶ月前なら、朝出勤する時の気温が18℃もあれば、「今日はとても暖かい、昼間は汗に注意だな」…などと考えていたのに、今朝の温度が18度に対し、「今日は随分ひんやりしている」…ですから、私達の身体の感覚センサーもいい加減なものです。
「いい加減」はセンサーに対して少し失礼でしたね。季節と共にセンサーは立ち位置を自在に変えて、私達に環境変化を伝えてくれているのですから、とても繊細で大胆というべきかもしれません。
前置きが長くなりました。
これからの季節は、汗に対する正しい対処が、化粧崩れを防ぐことになり、肌の育ちを邪魔しないキーとなります。
今回は、べたべた型の化粧崩れを中心に解説していきます。
実はカサカサの化粧崩れも対処の基本は同じなのですが、でもこれはまた別の機会に。
汗と皮脂と化粧崩れの関係は、肌の育ち度とも関係している
肌がべたべたして、化粧が浮いてしまう、ちょっと触るとベースメイクが泳ぎ始める、……こうなるともう急に周囲の視線が気になり、何とかしないでは居れない気分に。汗がさらに増えるような気分です(^_^;)
これは不感蒸泄の汗※が増えている結果です。べたべたするので、皮脂が増えていると思う人が多いようです。気温が高くなると皮脂も増えるので、間違いではないのですが、べたべたを作っている大部分は汗です。
わずかな皮脂と一緒になることで、肌からの蒸発がしにくくなり、べたべたを増大させている、というのが真実の姿です。
※不感蒸泄の汗
流れる汗、噴き出る汗は急激な体温上昇を防ぐための体温調節機能が強く働いているものです。一方で、一年を通じ絶えず出ている汗があります。肌を潤す天然の化粧水としての汗です。天然といっても99%~は純粋な水で、流れる汗と同じものです。
「でも、A子さんの肌は何ともない!涼しげな顔をしている?」
「どうして私だけこんなに皮脂が多いの?」
日常のべたつき対策を振り返ってみると、こんな「私」を発見します。
- 脂取り紙を、必死になって何枚も駆使する私
- 帰宅したら、べたつく肌を執拗に洗っている私
- 化粧水はひんやりさっぱりするものを好んで選ぶ私
- 油性化粧品と名の付く乳液やクリームをつけない私
- ウォータープルーフ製品の快適さが捨てられない私
いかがですか?もしかしてあなたも、こんな「私」になっていないでしょうか?
5つ共に当てはまる人は、既に幾つか他のトラブルを併せ持つようになっているはずです。もしまだ肌の過敏さが進行していなければ幸いなことです。
上の内1つでも当てはまれば要注意。続けていると、これからべたべたする肌がさらに進行していきます。
A子さんと「私」の違いはなんでしょうか?
まず、現在の肌の育ち度の違いがあげられます。
1~5のようなことを、A子さんは一切してしないところが違います。
つまり、1~5のようなケアをしていると、角質が早く剥がれていくケアに繋がり、肌が育つ努力にブレーキをかけていたのです。肌は一生懸命に新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返していたのですが、肌の育つ時間が奪われるケアになっていたのです。
育ち度の低い細胞が角質となり肌を作ると、バリア能の低い角質層になります。痩せた水分の少ない角質達で守っているのです。
気温が上がると、皮脂が多くなり汗が増えるのは誰も同じですが、未熟な痩せた肌は人一倍(肌一倍?)暑さを感じ、皮脂も汗も人一倍分泌して、哀しくも必死で役割を果たそうとしているのです。自らを守るためにです。
諄(くど)くなりますが、間違って伝わるといけないので、上の1~5がなぜ良くないのかを解説しておきます。
- 1.脂取り紙を、必死になって何枚も駆使する私
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ティッシュや脂取り紙を使うのが悪いわけではありません。使い方が汗でふやけた肌(角質)を崩す(傷つける)ような取扱いになっていることです。肌にそっとあてるだけで吸い取れる範囲で諦めるべきなのに、ギュッと力を込めておさえている場合があります。これは角質を剥がれやすくする行為です。皮脂・汗の促進対策になっています。
- 2.帰宅したら、べたつく肌を執拗に洗っている私
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汗や皮脂でべたつくと汚れているという感覚が強くなるためか、ただ洗うだけでよいのに、しっかり洗い過ぎ肌まで洗い取っているケースが多くなります。過敏な反応として皮脂・汗が多くなっているのですから、理想の洗い方は洗浄力のないサッポーのクレンジングクリームで化粧を浮かせ、洗浄はザッとすすぐだけが正しい洗い方です。
洗い過ぎで角質を予定より早く剥がれさせ、皮脂・汗の増大を招いている肌の多いことが、サッポーに蓄積されたデータからも推定できます。
- 3.化粧水はひんやりさっぱりするものを好んで選ぶ私
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しっとりもべたつきに感じるほどに繊細になっているのが、べたつきに悩む肌なのかもしれません。アルコールの配合量が多いひんやりするタイプの化粧水は、つけた時のさっぱり感も素晴らしく、どうしてもこのようなタイプを選択したくなります。というより、“しっとりべたべた”を受け付けなくなっているとも言えます。
しかし、アルコール濃度の高いものを継続使用すると、どうしても角質を剥がれやすくする傾向がでてきます。結果、汗・皮脂の増大を招いています。
汗が多いため保湿を控えたい場合、サッポーの化粧水のようなアルコール濃度が低いさっぱりタイプを選ぶべきです。
- 4.油性化粧品と名の付く乳液やクリームをつけない私
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べたつきやすい肌こそ、乳液やクリームによる保護ケアが不足しています。
べたつくのは皮脂が多いからだと思っている方が、皮脂と同類の油性化粧品を使用したくない気持ちは良く理解できます。しかし、乾燥からの守りが手薄になり、皮脂・汗を過敏・過剰に分泌させているのですから、乳液やクリームで肌の乾燥を守らないのは悪循環を拡大させるだけです。水分を失い角質が剥がれやすくなったバリア層はますますバリア能が低下するのですから……。
- 5.ウォータープルーフ製品の快適さが捨てられない私
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シリコン油を肌の耐水機能を高めるために使用した製品をウォータープルーフと呼んでいます。スポーツやレジャーで紫外線はしっかり防ぎたいが、化粧直しがいつでもできるわけではない、といった時の救世主です。しかし、ウォータープルーフ製品を日常使用すると悲劇が進行していきます。
ウォータープルーフ(耐水機能強化)製品は、肌の乾燥をじわじわと進めていくことに繋がるからです。継続使用していると、いつの間にか肌の未熟化が進行、汗・皮脂が活発化し、やがて本物の過敏肌に転落していきます。
以上、しっかりご理解頂けましたね。
「でも、こんなにべたついているのに……どうしろと?」
暑い時は多少の化粧崩れは仕方がない…化粧崩れしない美肌の秘訣
すぐに効果がある、べたべたする肌対策・肌対処は、あとでさらに汗や皮脂の分泌を亢進してしまいます。最終ゴール=着地点は「汗が皮脂と一緒にならずさらりと流れてくれる」良く育った肌です。
しかし、既にべたべたするようになってしまった肌は、今すぐのさっぱり感を求める目前の誘惑に乗らず、尚かつ、肌が育つことを大切にした、べたつきの少ない肌を実現する方法を探すことになります。
でも、ある程度は諦めて欲しいのです。汗や皮脂が増えてべたつきが増すのは未熟な肌の自然な生理現象であるという側面があるわけで、無理なべたべた防止は、必ず前段で説明したような代償を払う未来が待っています。
肌の未熟化が進行し、皮脂・汗によるべたつきやすさが高じてしまっている肌を改善しながら、少しでもべたつきが少なくて済む、標準的な日常のケアを紹介します。
A子さんに負けない、夏でも涼やかな肌を実現すためのケア例
- 1.肌を洗浄するケア
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洗浄力のないサッポーのクレンジングクリームによる優しいクルクルのあと、ザッとすすぎ洗いするだけを、夜の化粧落とし時、及び朝の肌洗浄法とします。
優しいクルクルとザッと行うすすぎ洗いだけでは、化粧や汚れがすっきり落ちていないような気がする……このように感じた場合でも、それで良しとします。肌が育ち度を上げていくにしたがい、きれいさっぱりと洗い流せるようになります。決してきれいさっぱり落としきろうとしてはいけません。
- 2.保湿して肌を整えるケア
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サッポーのさっぱりタイプの化粧水=スキンコントロールローションが、アルコール配合が少ないので過敏肌に優しく、保湿が適度に控えめになっています。汗を肌に貯めにくい状態に肌が整います。
- 3.乾燥から適切に肌を保護するケア
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水相を持つ成分が多い乳液よりも、油性度の高いクリームで保護するのが適しています。
適度に肌の耐水機能が高まり、汗が肌から流れて乾く割合が多くなるのでべたつきは少なくて済みます。
- 4.紫外線から肌を守るケア
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日常使用には、耐水機能強化製品を避けることが必須です。
○○コン、○○シロキサンといったシリコン油の成分名が上位に表示されているものが強化製品である可能性が高いので要注意です。
- 5.化粧が崩れ、どうしようもなくなったら
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洗浄能力のないサッポーのクレンジングクリームで一からの化粧直しをすることにしましょう。一日に何度使用しても洗い過ぎる心配がない化粧浮かしクリームです。
以上は、化粧品を使用したケアの骨格部分です。サッポー美肌塾のバックナンバーでよいケア習慣を身に付けて下さい。
「サッポー美肌塾」第483号
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