前々回の美肌塾「肌が求める化粧品…乳液編」の続きです。基本的な役割、求められるところは乳液編に準じます。
今回は、クリームと乳液の微妙な違いにスポットを当て、クリームのより良い利用法・活用法を見ていきます。
乳液編で、保湿して肌を整えたあとの下地の仕上げについて説明しておりました。
下地の仕上げは
- 乳液だけで
- 乳液とクリームで
- 乳液とUV下地で
- 乳液とクリームとUV下地で
- クリームだけで
- クリームとUV下地で
- UV下地だけ※で
※UV下地には様々なタイプがありますが、ここではサッポーが基本としているクリームタイプを想定しておきます。
ここで押さえるべきポイントは三つあります。
- 乾燥からの保護力加減は適切か
- 化粧のりと見映えを持続させる土台としての評価
- 今日の紫外線対策度が適切か
以上の記述でしたが、クリーム編では、最後の三つのポイントとクリームの関係を掘り下げてみます。日々のケアが違ってきます。違いのわかる女(男)の肌は育ちが違う、つまり美しくなるのです。
1.乾燥からの保護力加減は適切か
乾燥からの保護は乳液だけでもたいていの場合OKですが、ちょっと乾燥しやすい環境だと、クリームの活用を考えた方が肌にとって良い環境が維持できます。
乾燥からの保護力は、「クリーム>乳液」の関係にあります。油性度の高いクリームの方が保護力が高いのです。前回の記述でいうと「乳液だけで」「乳液とクリームで」「クリームだけで」の3パターンが基本となりますが、乾燥からの保護を特に強化したい場合は「クリームだけで」のパターンを重ねるのが最強となります。つまり、クリームの二度塗りです。
乾燥からの保護を強化すべき状況の判断基準例
- 仕事場の環境が乾燥していて、その空間に居る時間が長い
- 自然な空気の対流ではなく、頬を撫でる程度の風が絶えずある
- 自転車やバイク運転時ほどではなくても、直接風を受け続ける
冷暖房下では極端な乾燥空間が作られている場合があります。またエアコンの風の通り道であるとか、車の運転時にエアコンの風を顔に向けていた等、かなり過酷な乾燥ダメージを受けていても気づいていない場合も多いものです。
このような時に乳液にクリームを重ねたり、クリームに切り替えたりすることが習慣化できていたら、肌はずいぶん違ってきます。ワンランク上の育ち度を維持できるようになるのです。
2.化粧のりと見映えを持続させる土台としての評価
3.今日の紫外線対策度が適切か
陽を浴びる時間が特別多い・長いといったことがなければ、下地作りのあとは、UVケアを兼ねたファンデーションだけで十分です。しかし、下地にUVケアを追加した方が安心だという日もあるでしょう。
サッポーが日常使用に推奨するUV下地は、ファンデーションと同じ紫外線散乱剤(パウダー粒子=酸化チタンや酸化亜鉛)を練り合わせたものです。つまり、パウダーを重ねて化粧持ちも良くする必要があります。
化粧のりと見映え良さの基本は、よく育った肌がベースです。しかし、より良く育つのはこれから先の話。今を少しでも良く見せたいと願うのは誰も同じです。ここでもクリームの活用がキーになることがあります。
強い乾燥による化粧浮きが予想される時
下地作りにおいて化粧水や美容液による保湿加減(整肌ケア)をしっかり目に行い、クリームで仕上げます。あるいは乳液にクリームを重ねて仕上げます。そしてUVケア&ベースメイクです。乳液だけで下地を完成するのに比べ、グンと見映えの良い状態が維持できます。
ポイントは油性度の高いクリームを下地の最終仕上げにすることです。
汗・皮脂による化粧浮きが予想される時
いわゆるべたつきによって化粧が崩れ、見映えが悪くなるだけでなく、昼間は紫外線防止能の低下に繋がります。また汗ばむことの多い季節に肌のべたつき状態が毎日長時間になると、バリア層(角質層)をふやけさせ予定以上に角質剥がれを促進することになります。
このようなケースが予想される時は、下地作りにおける保湿加減は“しっかり保湿”ではなく、汗を貯めないように“控えめ保湿”が基本となります。また、汗の水分とそこそこ親和性のある(べたつきやすい)乳液よりも、汗との親和性が低い(べたつかない)油性度の高いクリームで下地を完成させるのがポイントです。
油性度の高さが汗の弊害から肌を守り、爽やかさを演出してくれます。
いかがでしたか?
乳液やクリームの活用法が見えてきたでしょうか?
肌環境~肌状態…に対応した自分独自の下地作りのノウハウを確立していくことが大切です。そのためには、今回の美肌塾で案内した範囲内の方法で下地作りの試行錯誤をして、自分独自の適正値を掴んでいくことです。
失敗の多いのは、べたつき防止にウォータープルーフ機能を強化した製品を日常使用してしまうことですが、UVケアを含めた日常の下地作りは、サッポーの提案範囲にして、肌が育つケアから逸脱しないことが大切です。
乳液編で、乳液やクリーム使用に確かな復権の兆しがあると希望的観測を述べておりましたが、いまだにクリームなどの油性化粧品がニキビや皮脂詰まりの原因である等々の、真逆のスキンケア情報に踊らされている人達が一定割合を形成しているのも事実です。
また、サッポー美肌塾でも、過去数回に渡りホホバ油(ロウ類)配合の乳液やクリームの良さを発信しておりましたら、「ホホバ油100%のオイルなら尚良いだろう」といった誤解を招いたようです。
ホホバ油は優れた材料の一つですが、スキンケア製品はそれら優れた様々な材料を使用して、いかに肌が育つ環境作り(スキンケア)に資す完成度の高い製品かを問うものです。
スキンケア情報は、これからも誤解の無いように細部にも配慮して発信していきたく思います。どんなケアの下でも、肌は毎日一生懸命より良く育とうと努力しているのですから。
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