「肌の洗浄には石けんが最も優れている」と自信を持って言えます。他の洗浄剤にはできない、肌が育つ環境を作るのに理想的な性質を備えているからです。でも、今日は石けんの良さを講義するものではありません。(興味があれば下記ページをチェック!)
逆に、今日の講義は、石けんという洗顔料が与えるマイナス面についてです。
大切なケアだからこそかもしれませんが、石けんを使用してはいけないという注意が守れず、健康でキレイな肌になるのを自ら遠ざけている場合があります。これは不思議な現象で、本人も石けんを使ってはいけないと半分自覚しながら使ってしまい、マイナスを与え続けている例も数多く観られます。
日本人のよき特性というか、清潔が行き過ぎて、肌の負担になっていても、しっかり洗顔することを選びがちです。結果として、足踏みだけで1歩も前に進まない肌になっているのです。
どのような場合に石けんがマイナスになり、どのような場合だとプラスになるかの境目が判りにくいからかもしれません。この部分にフォーカスして講義を進めて参ります。
サッポーは敏感な肌に洗浄剤を使用した洗顔を禁止しています
一定以上の敏感さが備わってしまった肌には、石けんを含めた全ての洗浄剤はマイナスに働く傾向が強くなります。つまり、洗浄の益より肌の負担の方が大きくなっているのです。とりわけ、洗浄力の高い石けんには、以下のようなことが考えられます。
- 石けんの優れた洗浄力が角質剥がれにつながり、肌の育ちを邪魔している
- 石けんのアルカリ性が肌を刺激、赤み等の炎症反応を促進している
上の二つの負担が明瞭であれば、石けんを使用すべきでないと簡単に判断できます。しかし、肌の育ちなんて目に見えないし、多少赤みが出ても、しばらくして赤みが引いていけば、大丈夫だろうと思いたくなります。それよりも肌に汚れを残すのは良くない、清潔にしておく方が大切だという思い込みがあるからでしょう。
このようにして、肌の改善にブレーキをかけながら、キレイで健康な肌を目指しているといった、ちぐはぐなケアにいつの間にか陥っているのです。
擦り傷や切り傷など創傷治療の例
現代は、創傷治療において、消毒をせず、ただ水洗いするだけで創傷部位を密閉する湿潤療法が主流になってきました。格段に早く、しかもキレイに治るからです。危機に陥った肌が、新しい肌を薬にも化粧品にも邪魔されず必死の働きで作ることができた結果です。患部を密閉することが最高の保護ケアとなり、良い環境を作り得たのです。
一定以上の敏感さが備わった肌は、この傷を負った肌と似た状態にあると言えます。消毒薬や洗浄剤で、肌の自然治癒力を奪ってはいけないように、敏感になってしまった肌は、負担とならない方法で守る環境だけを作ってくれるケアを望んでいるのです。
このようなことから、サッポーは敏感な肌には石けんをはじめとする、洗浄剤を使用しない洗顔を薦めています。
石けんを使用しなくても肌はキレイになる?
敏感な肌といっても、怪我をしたようなひどい状態ではないし、絆創膏のようなもので顔を密閉するわけにはいきません。
そのような状態にある敏感肌に、サッポーが提案しているのが、全く洗浄剤を配合しないクレンジングクリームとすすぎの組み合わせを洗顔とする方法です。
この洗顔法に変えると、どんどん肌が変わっていくケースが続出します。
スキンケア相談室に上のような嬉しい便りが届くと、カウンセラーはみんな感激です。相談者と肌の努力が報われたのですからね。
ところが、すんなり改善が進むケースだけではありません。途中で脱落・脱線する人が必ず一定割合でいます。最も多いのが、石けんの使用開始を急いだ人達です。
- すすいでもクレンジングのクリームが肌に残る感覚が気になる!
- 汚れに対する恐怖感?いつまでも石けん洗顔をしなくてよいの?
- 洗浄剤を使った方がもっとキレイになり、肌によいという思いが募る……
このような思いがあり、また敏感だった肌も安定してきた……もう石けんを使っても大丈夫だろうと判断してしまうのです。
でも、まだ実は大丈夫なところまで肌は育っておらず、炎症を起こす肌のマスト細胞も警戒心を解いていなかったのです。結果、マスト細胞が騒ぎ、落ち着いてきていた敏感さが復活します。
これでは、肌の努力を無駄にする、悲しい結果になってしまいます。もちろん、問題にならず、順調に敏感肌から脱出し、肌が育っていくケースもあるのですが、これは肌の育ち度や取り巻く環境に大いに左右されるので、なかなか自分では判断出来ない場合が多いのです。
では、どうすれば良いのか?
実は、石けん洗顔をしなくても、かなりのレベルまで肌は育ち続けます。十分に強くて美しい肌、つまり、敏感さや目立つ肌トラブルがなく、見た目も美しい肌、の実現が可能なのです。石けんを使ってよいタイミングが判らないときは、ここまで待ってから石けん洗顔を始めてもよいのです。時間のロスも少なく、確実な美肌が手に入る方法です。
石けんは洗浄において、大切な役割を果たすものですが、このように、怖い面と良い面の二面性を持っていることを忘れてはいけません。弱い肌に厳しく、強い肌に優しいという騙されやすい二面性です。両刃の剣といってもよいのでしょう。
今日のサッポー美肌塾はいかがでしたか?
敏感肌と石けんの関係を少し違った視点からフォーカスしてみました。敏感肌の方は、石けんの使用を急ぐ必要がないと解っていただけましたか?次なる美肌への一歩を踏み出す参考にしてください。
- いたずらに肌の清潔さを追い求めると失敗する
- 石けんは、肌に善と悪の効果ももたらす、両刃の剣
「サッポー美肌塾」第563号
更新
出来てるようで、出来ていない……“洗い過ぎない洗顔”
サッポー美肌塾では、洗顔による皮脂や汚れの「取り過ぎ」「洗い過ぎ」に警鐘を鳴らしています。でも、これは今では常識になってきました。しかし「洗い過ぎない洗顔」の出来ている方はごく少数です。
- 「もしかして私の洗顔も、“洗い過ぎ”なの?」
- 「洗浄力の弱いクレンジングなら、大丈夫なのでは?」
どこからが洗い過ぎなのか、ハッキリとした判断基準が無いので、次々と疑問や不安が湧いてきます。
洗い過ぎにならないためには『洗浄力』と『手指の力加減』がポイントです。
- 洗浄力の無いクレンジング料
- 界面活性剤が肌に残らない洗顔料
- 手指と肌の摩擦で汚れを取らない
これらが揃って“洗い過ぎない洗顔”だとサッポーは解説しています。
サッポーのクレンジング料も洗顔料も、上の条件を満たしています。あとは力加減を調節するだけ。
洗顔は、毎日行うスキンケアです。小さな変化の積み重ねが、大きな変化に繋がります。良い洗顔を選びたいですね。
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