水をたくさん取れば、美肌に?水分摂取と肌の関係

飲料水を飲む女性のイメージ

今回は少し視点を変え、肌を中から支えている仕組みの一つ、「水分摂取」についてのご相談を元に講義を進めていきます。

水分摂取に関しては、お金をかけて気遣う方から水道水でも気にしないといった無頓着な方まで、様々です。

しかし、この水が私達の生命を支え、肌の命をも握る存在であることは事実です。だからでしょう、様々な巷説が昔からありますし、ネット上でも独り歩きをしています。

なので美肌塾では、皆さんが間違った風説に惑わされないようにしたいと考えます。

まずは、ご相談から見ていきましょう。

“yoppi”さんのご相談

こんにちは。

質問なんですが、日ごろから水分を多く(一日2リットル位)とると美肌効果があると聞いたんですが本当ですか?

うーん……単純に「いいですね」とは言えません。

普段より水分摂取量を増やしたら、体の調子が良くなったという話はよく聞きます。健康に良いなら美肌効果があってもおかしくありません。水飲み健康法なんてのもありますからね。

そうすることによって、健康作りに繋がる人がたくさんいらっしゃるのは事実です。でも、誰でも、いつでも、水分さえ取ればいいと言えるのでしょうか?

水分摂取と肌や身体の関係については、かなり複雑かつ精細なメカニズムが働いています。水分を多く摂取すると良い場合もあれば、悪い場合もあります。善し悪しの現れは一人ひとりの身体の状態や環境によって異なるのです。

それでは、水分と肌の関係について解説していきます。

美肌の条件は、肌の水分割合が一定に保たれていること

肌(角質層)の水分は外部からのみ補給される

肌の健康・美しさという観点から言うと、肌の角質層に適度な水分が存在していることがベストです。この水分量が少ないと肌は乾いて硬い状態となり、脆くなって、角質剥がれが起こります。反対に、水分が多すぎるとふやけて角質層が崩れ剥がれていきます。

肌(角質層)の水分量が多過ぎても、少な過ぎてもいけません。角質層の剥がれは速くなり、バリア能力が低下していきます。このような角質層に護られた肌細胞は、代謝活動が停滞、悪影響を及ぼす……という仕組みになっています。

ここで、スキンケアが重要になるわけですが、その前に押さえておきたいことがあります。

乳液やクリームによる効果的なケア

角質層を潤す根源は、汗にある点です。暑いときはもちろん寒いときも、絶えず皮表に分泌されています。化粧水や美容液による保湿能力がこの汗の水分を利用して、保湿効果が持続されます。また、乳液やクリームによる乾燥保護ケアはその効果をさらに持続させます。

角質層は、外部から適度な水分が与えられることにより、柔らかさと、しなやかさを備え、肌細胞や身体を護っているのです。つまり、水分を摂取したからといって、それが直接肌を潤すわけではないのですね。

肌(角質層)はこのようにして水分量が調節されますが、身体の水分摂取との関係はどうなっているのでしょう。

身体の水分環境をコントロールしている仕組み

皮膚組織や、その下にある皮下組織の水分量が適値より増えると、細胞の代謝活動に必要な栄養素が補給されなくなります。この栄養素を運ぶのは、血液中にある水分の役割なのですが、余分な水分があると運ばれなくなるのです。このひどい状態が“むくみ”です。

こうなると美肌だけでなく、健康の危機ですね。
それでは摂取した水分を貯めたり、排泄したりして、コントロールしているのはなんでしょう。

  • 水分摂取量(飲料・食物・代謝)
  • 発汗作用
  • 排泄作用(大・小便)

ところがこれだけで身体中の細胞組織内の水分が一定に保たれているわけではありません。さらに特別な仕組みが2つあります。

腎機能が細胞組織の水分適値を左右する

これは単純な理屈です。

水分摂取の結果、余剰の水分は排泄されますが、腎臓の働きが不調だと排泄が少なく、細胞組織に貯め込まれやすくなります。その結果、皮膚組織へも必要な栄養素の供給が滞り、悪影響が及んでいきます。

これを防ぐには、どうしたらよいのでしょう。

  • 利尿作用のあるカフェインを含んだ、お茶やコーヒー・紅茶を飲む
  • 腎臓の働きを支える微量栄養素、カリウムを摂取する

カフェインの取りすぎには注意が必要ですが、大切な役割も果たしています。
また、カリウムを多く含む野菜や果物の食習慣はいつも大切です。

汗の量が多いと水分摂取量に関係なく細胞組織の水分が減少する

多くの人に関係しているのが、多量の汗が及ぼす影響です。

汗をたくさんかくと、全身の体液や血液中に存在する電解質イオン、カリウムやナトリウムなどが汗と一緒に大量に失われます。

電解質イオンは、細胞組織が栄養素や老廃物を出し入れするのに欠かせないイオンで、常に一定濃度を保つように厳格に調整され、肌や身体の代謝活動を支えています。

ところが、大量の汗でこれらのイオンが少なくなると、体中の水分を少なくしてでも一定濃度を保とうと調整されます。その結果、皮膚組織の水分までも排泄されてしまうのです。

このとき、いたずらに水やお茶をたくさん摂取しても、尿として排泄してしまいます。熱中症で脱水症状を起こす大きな要因にもなっています。

では、どうすればよいのでしょうか?
それは世間でもいわれている手軽な方法です。

  • スポーツドリンクで適切にイオン補充を行う
汗を多くかいた時はスポーツドリンクで

カリウムやナトリウム濃度が調整されているので、水分や栄養素が肌や体の組織に効率よく供給されるわけです。

汗をかくのは夏だけではありません。スポーツや仕事で汗を大量に流す方もいます。また、流れるほどではなくても、汗は常にかいているものです。

汗で水分を失ったかどうかは喉の渇きの程度でわかります。喉がすごく渇いたと感じたときは「かなり汗をかいている。」と思えばいいわけです。肌や身体の細胞組織の水分はかなり減少している状態です。

汗を大量にかいている、喉が強い渇きを訴える時は、スポーツドリンクが良いが、そうでもない時は、水やお茶を適量飲むのがよいでしょうね。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 水分を口からたくさん摂取しても、肌の水分量は増えない
  • 喉が強く渇きを訴えるときは、水よりもスポーツドリンク
黒板に注目!

編集後記

水分をたくさん飲むと肌や健康に良い……とよく聞きますが、肌に至っては期待が出来ないし、身体にとっても良し悪し。

でも、身体には欠かせない水分ですから、適切に摂取する術を身につけたいですね。

「サッポー美肌塾」第209号 / 2018年9月5日 発行


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