運転する女性が増えてきました。毎日という方から週に一度は必ずという人もいるでしょう。
ドライブは楽しいですが、車に乗る機会が多い人は、肌へのリスクを理解しておかないと知らず知らずのうちに傷め、劣化させていることになります。
そのリスクとは、ずばり紫外線と乾燥です。
今日の講義では、車内で肌が受けているダメージの実態と対策を解説していきます。
運転時に受ける紫外線に種類がある!?その防御法とは?
夏の間は注意する人が多いですが、それ以外の季節は油断しがち。でも一年を通じて、運転時に紫外線ダメージはあるのです。
まず、ガラス越しに侵入する紫外線について、性質や特徴を知っておきましょう。
紫外線ダメージは、日焼けだけではない
運転した後、顔や腕はなんともないため、ダメージを受けている実感はないかもしれません。でも「紫外線ダメージ=日焼け」、と思っていたら大間違いです。
本当に怖いのは、真皮層への影響です。真皮層には、コラーゲン線維でできた弾力線維層があるのですが、これが少しずつ紫外線によって壊されます。
つまり、日焼けしていなくても、真皮層の劣化は進行しているのです。いつしか肌のはりは失われ、しわやたるみが作られていきます。
車内の紫外線ダメージ、メインはUVA
炎症を起こし肌が赤くなる、日焼け・火傷を起こす紫外線は、UVB(短波長紫外線)です。このUVB、ガラスで遮られて車内へは侵入できません。窓を開けない限り、ほとんど気にしなくても良いでしょう。
問題は、もう一つのUVA(長波長紫外線)です。これはガラス越しでも侵入します。窓から1メートル離れると紫外線量は一気に減少するのですが、狭い車内では避けようがありません。
UVAは前述の真皮層に侵入する紫外線です(UVBは表皮にまでしか届かない)。なので赤くなる火傷日焼けこそ起こしませんが、じわじわと期間をかけて、気が付かない間に真皮層を浸食しています。
紫外線ダメージの総量は「受けた紫外線量×受けた時間」の積算です。
車の向きと太陽の位置によっても、ガラス越しに紫外線の直射を受ける場所が変わります。また晴れていても紫外線の直射が全くない状態もあります。
もし直射がなくても、車内の明るい時は(直射の)40~50%の紫外線が侵入していると考えましょう。
「ちりも積もれば、しわ・たるみとなる」このような隠れたダメージが車内の紫外線です。
車内の紫外線ダメージを防ぐには
今までの解説で、車内の紫外線は避けようがないのでは?と思われたかもしれません。でも深刻にならなくて大丈夫、簡単に防げるのです。
- 顔やデコルテ、腕などにUVケアをする
- ウィンドウにUVカット機能を施す
- UVカット仕様のアームカバー等々、小物の利用
これらの対策を組み合わせたら、ほぼ完全に紫外線ダメージを防ぐことができます。
UVケアは意識の問題です。顔だけではなく、衣類で護られていない(光を通すような衣類の場合も含め)部位にもUVケアは必要です。
また、フロントウィンドウには最初からUVカット機能が備わっているものがほとんどです。しかし他のウィンドウはその機能が中途半端な場合が多く、注意が必要です。
自分の車がどうなのか判らない場合は問い合わせてみましょう。すぐに出来る手軽な方法としては、紫外線カットのフイルムをウインドウを貼ることです。カー用品店で自分でできるものも販売されていますが、プロに任せた方が速くて仕上がりもよいでしょう。
運転時、もう一つのダメージ、乾燥とその対策
乗車時間が短ければ、乾燥対策は普段のスキンケアで十分です。しかし車内で過ごす時間が長いときは、配慮しましょう。
車内での乾燥ダメージ
狭い車内では、異常な乾燥空間が即座に作られています。
暖房は、車内温度が上昇するにつれ、湿度は一気に下がります。しかし、感覚としては快適そのものです。
冷房の場合、車内温度が一気に下がり始めると、空気中の水分は結露し、車外に排出されます。湿度が下がり、汗ばんで衣類がまとわりついていた身体は、次第に爽やかさを取り戻します。
さらに、吹き出し口からは風が流れてきます。運転席や助手席では、近距離で肌や身体に浴びることになります。
快適ですが、乾燥ダメージに違いありません。これが1時間、2時間と続けばどうでしょう……。
車内で長時間過ごす時の乾燥対策
化粧水や美容液での保湿ケア、乳液やクリームでの乾燥保護ケアをしっかりしておくのはもちろんです。
でも、それだけでは、異常な乾燥は防げません。少し小技を使い、肌に余裕を持たせてあげましょう。
- さっぱりタイプの化粧水(アルコール配合の少ないもの)をスプレー容器に入れて携帯し、時々顔にシュッシュッとして潤いを補給する
- エアコン吹き出し口からの風を直接肌に当てないよう、向きを変える
- 休憩がてら、車を止めてスキンケアのやり直しを行う
いずれも乾燥ダメージをなくすのではなく、緩和させる対策ばかりですが、するとしないでは大きな差が出ます。いつも意識しておきましょう。
いかがでしたか?対策は比較的簡単なことばかりでしたね。
よい習慣を身につけ、肌ストレスを減らしていきましょう。そして、楽しいドライブを♪♪
- 運転時の肌へのダメージは、紫外線と乾燥である
- 対策は簡単、問題は習慣付けができるかどうか
編集後記
私も運転をするので、興味津々で読みました。
紫外線と乾燥ケア、普段の生活では気をつけられても、運転中は忘れがち。安全運転と合わせて、習慣にしていきましょう!
「サッポー美肌塾」第660号
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