肌が求める化粧品…乳液編

イメージ画像:サッポーの乳液「リクイッドモイスチュア」

乳液(エマルジョン、ミルク)

様々な呼称が使用されますが、サッポー美肌塾は「乳液」で通します。

油性化粧品である乳液やクリームの消費量は長年に渡り減少傾向にありました。ところが、ここ最近の注目すべき動向として、小さな変化ではありますが、昨年より増加に転じたように見て取れます。(経済産業省の統計年報,H24.6)

サッポーの製品に限ると数年前より顕著な増加傾向がでていたのですが、マーケット全体では減少の一途をたどっていたのです。保湿能力の高い化粧水や美容液に押される一方、業界においては保護能力の高い乳液やクリームの必要性を力説して来なかったからかもしれません。

美しいはずの日本女性の肌が、年々乾燥を訴える声が多くなり、肌を敏感だと感じる女性が増加していることを苦々しく感じておりました。それだけに、目立たないマーケット情報ですが、サッポーにとっては大きな朗報でした。日本女性の肌が美しくなっていく転換点となるからです。

乳液やクリームによるケアを、マーケットでは保湿ケアの一つとして扱われていますが、サッポーは保湿ケアと呼ばず(乾燥)保護ケアと定義しています。乳液・クリームの使用増加への転換が、このあたりの誤解が解けてきた成果であれば、この動きは本物の傾向となります。喜ばしい限りです。

乳液の役割:保湿(保護)ケアの大きな誤解

乳液最大の役割は肌の乾燥からの保護にある

イメージ画像:「保湿」と「乾燥からの保護」は似て非なるもの

化粧水や美容液の主な役割が、肌が持つ保湿能にプラスαの保湿能を加えることによって、肌(細胞)の代謝環境をより良い状態に整えることでした。肌は水分で守られた環境を欲しているのです。この状態が維持されるなら、肌は乳液もクリームも必要としません。

しかし、いくら保湿能力の高い化粧水や美容液で保湿しても、油脂の配合された乳液やクリームで乾燥からの保護がされなかったら、肌の水分はどんどん逃げていきます。

ところが、ここに大きな誤解が入り込みます。

肌はしっとり保湿されていると誤解する

  • 「化粧水で保湿して、美容液で保湿強化したら、それで十分!」
  • 「乳液やクリームを使わなくても、しっとりしている…」
  • 「乳液やクリームの油脂のぬめりは好きじゃない…」
  • 「化粧水や美容液だけの方が、肌の感触がいい…」

しっとり感が持続していたら保湿された状態だと感じるのは自然なことです。しかし、しっとりしているのは、肌上の保湿成分が水分を保持し、しっとりとした感触をもたらしているだけです。肌本体の水分は減少し続けています。

保湿能の優れた化粧水や美容液をつけると、そこそこ良い感触が持続できるから、肌の乾燥に気づかないのです。肌の水分を維持し、乾燥から保護するのは、保湿成分ではなく乳液やクリームの油脂成分なのです。

だから、サッポーは「保湿」と「保護」を使い分けています。

酸化する油性化粧品は使用すべきではないと誤解する

乳液やクリームの主役は油脂ですから、紫外線を浴びたり、空気に触れて時間が経つと酸化が進みます。酸化は肌の脂質に伝わり肌(角質層)を傷めます。このような事実から、油性であることの悪いイメージだけが誇大に広まったようです。

この酸化ダメージの弊害を避けるために乳液やクリームの使用をやめ、酸化ダメージの10倍の弊害を持つ乾燥ダメージを受け入れている哀しい現実があります。

乳液のもう一つの役割は、化粧下地を良い状態に完成させること

肌を健康により美しく育つ環境作りが基礎化粧品の役目ですが、もう一つ忘れてならないのは、メイクの土台となる化粧下地としての役目があります。

化粧水(美容液)でほどよく保湿して肌を整えます。その状態を乳液やクリームで守りを強化しながら、滑らかさと潤いが失われないようにする…これが化粧のりの良い肌ベースを作ります。この下地の作り方次第で、化粧の維持や崩れに影響が出て来ます。

乳液はこの化粧下地を作る最後の工程を締めくくる部分です。ただし、この工程には、クリームが参加したり、日焼け止め下地製品が加わることもあります。

イメージ画像:化粧下地の仕上がりにも関わってきます

下地の仕上げは

  • 乳液だけで
  • 乳液とクリームで
  • 乳液とUV下地で
  • 乳液とクリームとUV下地で
  • クリームだけで
  • クリームとUV下地で
  • UV下地だけ※で

※UV下地には様々なタイプがありますが、ここではサッポーが基本としているクリームタイプを想定しておきます。

ここで押さえるべきポイントは三つあります。

  1. 乾燥からの保護力加減は適切か
  2. 化粧のりと見映えを持続させる土台としての評価
  3. 今日の紫外線対策度が適切か

このように見直してみると、乳液の対応性の良さに驚きます。紫外線対策がファンデーションだけで十分だという人の場合、乳液一つですませることが出来るのですから。

乳液のあとは必ずクリームと思い込んでいた方は、乳液だけで下地を完了し、ベースメイクに入ってみることも試してみましょう。

逆に、乳液だけですませていた方は、クリームと下地作りを使い分けたり、クリームを重ねることによって下地の性質が変わってくることを体験してみましょう。

乳液はクリームの要素を持ちながら、化粧水の要素も持ち合わせた存在といえます。乾燥ダメージが少なく、汗をかくことの少ない生活スタイルなら、乳液だけでいつも良い肌状態を作ることだって出来ます。

適切な下地作りは、上の三つのポイントを押さえながら、あなた自身が見つけていくことが大切です。

しかし、このような乳液の対応力は機能的に中途半端な存在であることも知っておく必要があります。

  1. 肌がべたつくことが多い。そのような部位がある。
  2. 肌が乾燥気味である。

上の1.2.は両極端の現象ですが、いずれも乾燥からの保護不足であることを表しています。このような場合は、例えば、夏なら乳液をクリームに変えてみる、冬なら、乳液にクリームを重ねる、といったケアに変えた方が肌は育ち安定します。

一年を通じ、乾燥保護のケアが乳液だけで十分に良い状態が維持できていたら、乳液ほど使い勝手が良く役に立つものはありません。しかし、不満な部位があれば、乾燥保護のケアアイテムはいつでも強化できるように揃えておくのが望ましいのです。

「サッポー美肌塾」第512号 / 2012年7月4日 発行


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