爪のおしゃれ・ファッションとして、様々なネイルアートが流行っています。そして、常に進化を続けているようです。
爪を美しく彩って、楽しむのは大いに結構です。興味がある方はチャレンジしましょう。
でも、サッポーはスキンケアが専門。美肌塾では、指先や爪が根本から健康に美しく育つ方法を紹介していきます。サッポー流ネイルケア、ですね。
健康的な爪は、美しさも持ち合わせている……これは皆さんもご存じでしょう。色や形、表面の状態などから、体調をも測ることが出来るように、爪は健康のバロメーターと言われています。
ところが肌や髪の毛に比べ、つい怠りがちなのが爪のケアです。ある時、不健康な爪に気付く……こんな人が多いのかもしれません。
まず、爪についての基本知識から入りましょう。
爪の構造を知り、爪を傷める原因を知る
そもそも、爪って?
髪の毛や肌の角質は、ケラチンというタンパク質で作られています。そして、爪も同じケラチンです。肌が柔らかいケラチンなのに対し、髪の毛や爪は硬いケラチンで出来ています。
髪の毛と異なるのは、爪は厚くて大きいことです。もう一つの違いは、色味を作るメラニン色素が存在しない点です。なので、爪は透明な色をしています。
肌は乾燥ダメージを受けると、皮むけや粉ふきが出来、角質が剥がれ易くなります。髪はドライヤーの熱を下手に浴びると、キューティクルが変形して壊れ、広がってまとまりにくくなります。
爪は、肌より乾燥に強く、髪のキューティクルのように壊れにくくないですが、実はダメージを受ければ、同じようなことが起きています。そして、一度傷めると影響が大きく、回復に時間がかかります。
爪を生み出す爪母の働き
肌でいう表皮細胞(角質の元になる細胞)を生む基底細胞に当たるのが、爪母(そうぼ)といわれる部分。爪の付け根にある細胞で、日々爪を生み出しています。
指はいつも様々な作業に忙しく働いているので、爪を支える爪母にも常に負荷がかかっています。そんな中で、日々新たな爪を作り出しているのですから、実に頑張り屋の細胞です。
このような指先に強い負荷がかかると、当然爪母にも悪影響を与えます。爪の育ちが悪くなり、薄くなる、割れやすい、欠けやすい、縦皺が目立ってくる……など、様々な変化が現れます。
また、爪母部位が圧迫されて血流が悪くなると、栄養が十分に運ばれず、爪母の働きが低下します。これも爪の育ちが悪くなる原因です。
爪母を傷める原因を挙げます。当てはまる事項がないかチェックしてみましょう。
- 1.甘皮を傷める
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甘皮は、爪の付け根にある柔らかい皮の部分で、「爪上皮(そうじょうひ)」とも呼ばれます。直接爪母に接していて、生まれたての爪を守る角質の層なのです。
これを美容のために処理したり、手仕事で傷めると、爪母にも伝わり働きが悪くなります。
- 2.強い衝撃や打撲を受ける
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爪母やその周辺をぶつけたり、挟んだりすると、白い斑点ができます。経験のある方も多いのではないでしょうか。このようなダメージが増えれば増えるほど、爪母は傷み、血行も悪くなります。
- 3.爪周辺の皮膚に炎症が起きる
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炊事・洗濯・掃除等の家事や仕事で、指を使う作業が多いと、爪母付近の皮膚を傷め炎症(赤み・ささくれ)を起こすことがあります。これは爪母にも大きな影響を与え、爪に凸凹が出来たりします。炎症が続くと、爪がさらに大きく変形したり、脆くなります。
ゴム手袋や指サックを積極的に利用しましょう。炎症部位には白色ワセリンを塗っておくと良いでしょう。
- 4.マニキュアや除光液の影響
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種類にもよりますが、揮発油・アルコールの配合量が多く、また使用頻度が高いと、爪も乾燥しやすくなります。爪はさらに硬くなり、光沢がなくなって黄ばんだ状態になります。当然、爪母も乾燥ダメージを受けていることになります。
これらを控えましょう、とは言いませんが、もし爪に異変が現れるようなら即中止です。爪の健康的な美しさを土台として、ネイルアートは行うべきですからね。
- 5.爪を必要以上に長く伸ばしている
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指先を使って作業をするとき、爪が長く伸びていると、爪や爪母にかかる負担は大きくなります。例えば、パソコンやスマートフォンを扱うときなどです。
さらに血行も悪くなるので、爪が割れやすい・欠けやすい……だけでなく、凸凹も出来やすくなります。
ファッションとして爪を長くしたい気持ちは解りますが、生活や仕事のスタイルを考えたものにしないといけません。
次は、スキンケアの観点で爪のケアを見ていきましょう。
爪が育つ、ネイルケア
爪のケアも肌や髪と一緒です。ダメージのない、いつも良い環境を維持する心がけが大切です。次に生まれてくる爪を、より健康で、強くすることになるからです。
保護のケアを行う
爪は、乾燥すると欠けやすくなります。元々硬いものが、さらに硬くなる分、脆くなって欠けやすいのです。
こんな爪を乾燥から護るためには、クリーム類(油性)での保護が基本です。
よく動き、物に触れる指は、クリームが取れやすいため、爪周りの皮膚には、こまめにつけてあげましょう。爪専用のものありますが、ハンドクリームや肌につける乳液・クリームで十分です。
ハンドクリームをつけるときは意識して指先まで伸ばす、スキンケアで余った化粧品を指先にも馴染ませておく……この程度でOKです。
日常生活で習慣にしてしまうと良いですね。
栄養素に気をつける
普通の食生活をしていたら、まず心配ありません。でも、偏った食生活になっている人は多いものです。
爪の材料となる主な栄養素は、タンパク質と亜鉛です。
タンパク質は、動植物から広く取りましょう。また亜鉛は、牡蠣やアサリなどの貝類、牛肉、ゴマ、ナッツ類にも含まれています。
さらにタンパク質からケラチンを作り出すのに関わる微量栄養素は、ビタミンAに、ビタミンB2・B6、ビタミンCです。
亜鉛やビタミン類は、便利なサプリメントもあります。食事で足りないな……と思った時は、利用しましょう。
いかがでしたか?
その硬くて丈夫なイメージから、案外ぞんざいに扱われているのが爪です。「よく働いてくれてありがとう」の意味も込めて、毎日丁寧にケアしてあげましょう。
健康で美しい爪は魅力的で、それだけで「アート」なのです。
- ネイルアートを楽しむためには、爪の健康作りから
- 爪の扱いやケアを知り、習慣にする
編集後記
今回は爪がテーマでした。肌とは違うのかな……と思っていたら、意外と共通点が多いのですね。
私も以前はネイルアートをしていたのですが、爪が薄くなり、折れやすくなったので、今は止めています。
そうでなくても、本当に毎日一番働いてくれる指先ですから、もっと大切に労ってあげたいですね。
「サッポー美肌塾」第122号
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