入浴のタイミングで洗顔を行う場合、「顔を洗うのが先か、それとも身体が先か?」「クレンジングは入浴前?石けんはいつ?」……等々、スキンケア相談室によく質問をいただきます。
世間で様々に言われていますが、順番やその理由はそれぞれで、中には首をかしげるような内容も含まれています。
順番を多少間違ったからと言って、すぐ肌に大きな影響が現れるわけではありません。しかし毎日の積み重ねなので、長い目で見れば、良い結果をもたらすこともあれば、悪い結果に繋がることもあります。
「どこが先?」と気になっている方も多いと思いますので、基準となる考え方をお伝えします。
基本は、髪→身体→顔の順番で洗う
最初に答えを書いておくと、
- 予洗い(全身をシャワーで流す)
- シャンプー
- トリートメント(行う場合)
- コンディショナー
- 身体の洗浄
- クレンジング
- 石けん洗顔
これがベストな順番です。
予洗いが思いの外、大事
- 1. 予洗い
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全身をシャワーで流すだけで、大まかな汚れは落ちています。水溶性(汗やホコリなど)の汚れの大半は流れ、油溶性の汚れ(皮脂や化粧品等の油脂)も肌上で半分浮いた状態になります。
髪の毛は濡れると、閉じた硬いキューティクルが柔らかく緩んだ状態になり、洗髪の準備が整います。
皮膚も同じで、水に濡れると柔らかくなって汚れが落ちやすくなります。特に毛穴部分の角質は硬く、水を吸いにくくなっています。このような角質も予洗いで柔らかくなり、洗浄時の様々な刺激を吸収するクッションになってくれます。
- 2. シャンプー
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洗浄は、まずシャンプーから行います。シャンプーは、髪と頭皮を清潔にするのが目的です。
シャンプーの流れる泡(洗浄剤=界面活性剤)が顔や身体につくのを気にされる方がいます。しかし、それらは顔や身体の汚れにくっついて、直接肌にはつかないので心配ありません。肌の汚れ(皮脂・油脂)が身体を守っている状態なのです。
もし、先に洗顔や身体の洗浄を済ませてしまっていたら、シャンプーの泡(界面活性剤)は、顔や身体に直接つきます。洗浄剤として働くだけでなく、角質と角質を繋ぐセラミド等の細胞間脂質にくっついて居残り、ジワジワと角質を剥がれ易くするように働きます。
このように使用順序が変わるだけで、角質(肌)の運命は変わってしまうのです。
- 3. トリートメント
4. コンディショナー -
3、4が逆になる方式(製品)もありますが、サッポーの場合は必ずこの順番です。
トリートメントは、髪内部を流動性のあるタンパク成分で満たすことで、傷んだ髪の補修を行うのが役割です。
ところが先にコンディショナーを使用すると、このタンパク成分が髪内部に浸透しづらくなります。コンディショナーは髪をコーティングし、保護するのが目的だからです。
トリートメントを行わない場合、シャンプーの次はコンディショナーです。
どんなヘアケア製品が良いかは、ここでは割愛させていただきます。サッポーがお勧めするスキンケア発想のヘアケア製品については、こちらを参考に
クレンジングと石けん洗顔は最後です
- 5. 身体の洗浄
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洗髪が終わる頃には、身体の肌も水分を吸い、柔らかくなった状態です。石けんやボディーソープの泡で優しく撫でるように洗うだけで、汚れも簡単に落ちます。
この時、タオルやスポンジを使わず、手指で洗うと安全で優しい洗浄になります。
- 6. クレンジング
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いよいよ、顔の洗浄です。顔の肌も十分柔らかくなっているので、手指でクルクルしても摩擦の刺激はありません。洗顔には理想的な状態です。
入浴前に化粧を落としたいと、先にクレンジングをする方がいますが、このタイミングで行う方が肌にとっては優しいのです。
もう一つの優しさのポイントは、サッポーのような洗浄力のないクレンジング料を使用することです。
洗浄力のあるクレンジングを使用し、さらに石けんで洗えば、顔は二度洗いすることになり、洗い過ぎになります。
- 7. 石けん洗顔
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石けんをしっかり泡立てます。顔を包むように、手のひらと肌の間に泡がある感じで優しく洗います。洗い過ぎないように、泡が乗っている時間は15秒~30秒です。
石けんで洗えば、肌のさっぱり感と爽快感は最高です。そして何と言っても、洗い終わったあと、他の洗浄剤のように界面活性剤が肌に残らないという嬉しい性質があります。
もし肌に敏感さがある場合、石けんの使用はパスします。石けんのアルカリ性が刺激になる可能性があるからです。石けんを使用しなくても肌の健康においては、ここまでで十分です。
これで、お風呂での洗浄は終了です。あとはのんびり湯船に浸かっても、半身浴を楽しんでもOKです。浴室は、湿度100%の空間なので乾燥する心配はありません。
ちょっとマナー違反? でも、もっと肌に良い方法
一人暮らしや家族で暮らしていても最後に入浴する人にお勧めしたい方法があります。
それは予洗いをした後、ドボンと湯船に浸かることです。ゆっく~り浸かって身も心もリラックスしたところで、2のシャンプーから始めるのです。
この方法だと、より肌が水を吸って柔らかくなり、より毛穴部分も柔らかくなります。さらに効率の良い髪や身体、肌の洗浄が出来るのですね。
いかがでしたか?
サッポー流に理想の洗浄順序を紹介しました。必ず守らないといけないものではないので、今日のあなたに合わせて、入浴を楽しんで下さいね。
- 水分を吸い柔らかくなった状態で洗うのが、優しい洗浄の基本
- 予洗い→髪→身体→顔で洗うのが、ベストな順番
更新
出来てるようで、出来ていない……“洗い過ぎない洗顔”
サッポー美肌塾では、洗顔による皮脂や汚れの「取り過ぎ」「洗い過ぎ」に警鐘を鳴らしています。でも、これは今では常識になってきました。しかし「洗い過ぎない洗顔」の出来ている方はごく少数です。
- 「もしかして私の洗顔も、“洗い過ぎ”なの?」
- 「洗浄力の弱いクレンジングなら、大丈夫なのでは?」
どこからが洗い過ぎなのか、ハッキリとした判断基準が無いので、次々と疑問や不安が湧いてきます。
洗い過ぎにならないためには『洗浄力』と『手指の力加減』がポイントです。
- 洗浄力の無いクレンジング料
- 界面活性剤が肌に残らない洗顔料
- 手指と肌の摩擦で汚れを取らない
これらが揃って“洗い過ぎない洗顔”だとサッポーは解説しています。
サッポーのクレンジング料も洗顔料も、上の条件を満たしています。あとは力加減を調節するだけ。
洗顔は、毎日行うスキンケアです。小さな変化の積み重ねが、大きな変化に繋がります。良い洗顔を選びたいですね。
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