夏の間、強い紫外線を浴びたり長時間エアコンの効いた乾燥空間にいたりと、肌は想像以上にダメージを受けています。でも、あまりそれを感じないのは、天然の化粧水である汗の分泌量が増え、肌が潤っているからです。
汗には二種類あります。
一つは、熱くなった身体を冷ますため大量に出る有感蒸泄の汗。もう一つは季節に関係なく、体液中の水分が皮膚から絶えず滲み出る不感蒸泄の汗です。夏は体温調節をこまめに行うため、この両方の汗が増加します。
それが秋を迎えると気温や湿度が下がって、体温も自然と落ち着いてきます。汗の分泌量も減ります。
すると私達は乾燥を感じるように……。多くの人は「秋になって空気が乾いてきたから」と考えますが、実はもっと大きな理由があります。
それが冒頭の夏のダメージです。
ダメージを受けた肌は、角質が剥がれてバリアーが手薄になり、乾きやすくなっています。秋の気候と相まって、これらが表面化するというわけです。
今回は、このダメージを確認する方法と、どんな対策をすればいいのかを解説していきます。
石けん洗顔後の肌で健康チェック
夏の肌ダメージを確認するのに最も適した方法は、スキンケアモニターでも実施している石けん洗顔後の「健康度テスト」です。
健康度テストの手順と結果から判ること
テストの手順はとても簡単!
- 石けんを泡立て、泡で15秒ほど肌を軽く洗う
- すすぎ流したら、タオルドライをする
- その後、スキンケアを行わずに30分間、肌の状態を観察する
これだけです。
肌は素の状態になり、時間と共に徐々に乾いていきます。そして30分後、肌にかさつきやべたつきがあるかを確認します。
該当する部位は肌が夏の間にダメージを受け、弱くなっていると判断できます。
もし途中でつっぱり感やかさつきを強く感じた場合は、すぐにテストは中止してください。
夏の間に相当なダメージを受け、肌が敏感になっている可能性が高いからです。今は無理をせず、敏感肌のケアに取り組みましょう。
ちなみに、30分後もかさつきやべたつきを感じなかった!という人は、夏の間もダメージ対策がしっかりできていたということです。自信をもってこれからの乾燥する季節に臨みましょう。
肌の些細な変化を見逃さない
このテスト以外にも普段から肌をよく見て触れて、小さな変化に気づくことが大切です。
たとえば、
- 肌の柔らかさや質感に変化はないか?
- 硬さやこわばりは感じられないか?
- かさつきはしなくても、しっとり感が減少した部分はないか?
- 肌の肌理や毛穴の目立ちに変化はないか?
- …等々
夏は汗によって肌が潤うため、バリアとして働く角質層が少々剥がれても気づきません。
だからといって、このまま季節が進み、本格的に空気が乾燥する晩秋や冬に慌てるようでは手遅れなのです。
秋の気配を感じる頃から微細な変化に気づき、適切なケアを行い、肌を早期に回復させることが重要です。
それでは具体的なケアについて見ていきます。
夏を過ごした肌の疲労回復!スキンケアと栄養素
1.まずは、洗顔
朝の洗顔にサッポーのような洗浄力のないクレンジングクリームを取り入れてみましょう。
夜と同じようにクレンジング+石けん洗顔をするのです。
朝の肌は、皮脂や化粧品の油脂が酸化してこびりついています。これをクレンジングクリームで優しく浮かすことで、酸化ダメージが軽減できます。
また肌に残ったクリームが石けんによる洗い過ぎを防ぎ、より優しい洗顔が行なえます。
2.次に保湿ケア
夏はさっぱりタイプの化粧水を使っていても、秋に入るとしっとりタイプに切り替える方が多いでしょう。しっかりと保湿されると肌は安心します。また乾きやすい部位には美容液を取り入れて保湿を強化するのも、良いケアです。
さらに、スペシャルケアとして保湿パックをお勧めします。
- 台所用のラップフィルムを適当な大きさに切って、目元や口元、シミ等の乾燥しやすい部位ごとに何枚か用意します。
- 洗顔後の肌に、しっとりタイプの化粧水をたっぷりとつけます。1.のラップフィルムを貼り付けていきます。
- そのまま、10分~15分待ちます。
- ラップフィルムを剥がし、乳液やクリームをつけて終了です。
※もし手間をかけたくないときは、シートマスクやコットンシートの使用もいいでしょう。しかしシートの場合、化粧水がシートに吸収されたり、化粧水が蒸発しやすくなるため、ラップフィルムのような密閉(パック)効果は望めません。
3.その後の保護ケア
夏の保護ケアは、汗を上手に弾くクリームがお勧めでしたが、そろそろ乳液の出番かもしれません。乳液は水分と油分がバランスよく配合されているので、肌を柔らかく潤しながら乾燥から守ってくれます。
引き続き、クリームを使用してもOKです。乾燥やべたつきを強く感じる人は、一年を通じてクリームを使うほうが快適に過ごせます。
4.最後にUVケア
UVケアは夏と比べて変わることはありません。日常の紫外線対策には、酸化チタンや酸化亜鉛の紫外線散乱剤が配合された製品を利用します。
トキシケイヒ酸エチルヘキシル等の紫外線吸収剤や○○コン・○○シロキサンのシリコン油が多用された製品は、スポーツやアウトドアなど特別な日の使用に留めます。
秋のUVケアで大切なのは、「油断しないこと」です。日差しが少しずつ弱まると、紫外線に対する意識が薄れがちです。
特に秋はおでかけシーズンで外出の機会が増えます。夏は日傘や帽子を使用し、日陰を選んで歩いたり、こまめなメイク直し(UVケア直し)をしていた方も、心地よい秋風にそんな注意を忘れてしまうのです。
こうした場面では、実は夏以上の紫外線ダメージを受けている可能性があります。秋のUVケアは油断禁物でまいりましょう。
身体と肌を回復!栄養素の補給
この時期、私達が摂取した栄養素は、夏に疲れた身体を回復させるために優先的に使用されます。身体のだるさ、目覚めの悪さ、風邪の引きやすさ等、生活する上で困ることばかりなので当然ですね。
結果的に肌への栄養補給は後回しになってしまいます。なので不足しがちな微量栄養素を、積極的に摂取しましょう。
特に不足しがちなのが、水溶性のビタミンです。これらは汗や尿と一緒に体外に排出されるため、一度に多く摂る事よりも継続的に摂取する事が大事です。
主な水溶性ビタミンは以下です。
- ビタミンC
- ビタミンB群
また、ナトリウム・カリウム・カルシウムなどが不足すると、体内のミネラルバランスが崩れて疲労感が増す可能性があります。
疲れを感じている時は、お茶、牛乳、スポーツドリンク、味噌汁などのミネラルが豊富な水分を積極的に取るようにしましょう。
栄養素を確保しつつ、スキンケアで夏バテ気味の肌を回復させるのが、初秋のスキンケアのポイントですね!
- 初秋に感じる乾燥は、夏のダメージが表面化している可能性が高い
- 適切なスキンケアと栄養素の摂取で夏のダメージを早期回復させよう
更新
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