「無香料が好き!」
「無香料でないと嫌!」
1980年代から1990年代にかけて、香料は肌荒れの原因だとか、肌がかぶれる……などと、添加物と並び、悪者成分の筆頭にされていた時代がありました。香料だけで1日に何件も質問や相談をいただいておりました。
2001年に全成分表示が義務化され、添加物騒ぎは急速に終焉していきました。添加物一つひとつにも立派な成分名があるのですが、義務化により名称が明らかになったことで、添加物=悪者というイメージがどこかに行ってしまったのでしょう。
でも香料に関しては、「香料」という呼称は変わらず、添加物より悪者イメージが残りやすかったようで、低減しながらその後も香料叩きは続きました。
その後、アロマテラピー(芳香療法)が、エステティックサロンで盛んに行われ、家庭にも取り入れられるようになりました。今では柔軟剤などの様々な生活用品に用いられるようになっています。
ということで、香料を警戒する人は随分と減ったのですが、たまに質問や相談があると言うことは、潜在的にはまだ危険なイメージが伝承されているのでしょう。
サッポーは香料を使う派ですので、やはり、ここは解説しておかないといけないように思います。
今、日本で出回っている化粧品香料に危険なものはない!
化粧品には様々な成分が配合されますが、においのある成分が多くあり、それがあまり好ましくない場合は基剤臭と呼ばれています。原料臭のことです。
この基材臭・原料臭を軽減する方法として、二つあります。
一つは香りで基材臭を隠す、香料によるマスキング、もう一つは消臭剤によって、基材臭成分を取り込んでしまうペアリングです。このように消臭剤を使うことによって無香の化粧品作りも可能になっています。
さて、サッポーは香料派、香料に危険はないのか?の話に入ります。
昔は、様々な精油に含まれる香り成分をそのまま使用していたため、リスクのある自然成分が含まれていました。そのため、人によってはかぶれ症状が出ることもありました。それで、全成分を表示する義務のなかった頃でも、香料を使用していた場合、必ず「香料」として表示しなければならなかったのです。当時は表示指定成分として扱われていました。
しかし、そこから急速に香料の安全にむけた改善が進みます。
例えば、あるバラの香りは100種類以上の香り成分が組み合わさったものですが、全てが安全かというと、そうでもない香り成分もけっこう入っているのです。そこで、これらの成分一つひとつを取り出す技術が進歩していきます。香り成分の単離技術と呼ばれるものです。
今では、誰の肌にも安全な香り成分だけを組み合わせて香料が作られるようになりました。ただし、今主流なのは、人工的に作られた全合成香料です。この場合も、自然の香り成分より安全が確保され、しかも経済的なコストで作ることができます。
とは言っても、自然の香りには、全合成香料にはない良さがあります。自然の香りを大切に、さらに安全性も確保した香料が半合成香料といって、単離した香料成分を様々に組み合わせたものです。
サッポー製品に使用しているのはこの半合成香料、香りのタイプはフローラルグリーンです。
参考:香りのタイプ
- シトラス Citrus
レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ライム、ベルガモットなど柑橘系のフルーツの爽快な香り。におい立ちを良くするのに用いるほか、オーデコロンの主要な香りとなる。
- シングルフローラル Single Floral
バラ、ジャスミン、スズラン、ライラックなど数多くある花の香りのどれか一つをモチーフにした香り。シンプルでかわいらしい香りになる。
- フローラルブーケ Floral Bouquet
いくつかの花の香りをブーケ(花束)のように混ぜ合わせた、花園のような豪華な香り。日本の女性には最もしたしまれやすいタイプ。
- フローラルグリーン Floral Green
花の香りに緑の木の葉や草、青リンゴなどのグリーンな香りを添えた、アウトドア感覚のナチュラルな香り。
- フローラルアルデハイド Floral Aldehyde
合成香料の脂肪族アルデハイドの香りを特徴的なフローラルブーケを基調とした、力強くモダンな香りで、セクシーな雰囲気がある。
- シプレー Chypre
シトラス系の香りに花の香りを配し、オークモス(こけの香り)、ベチバー、パチュリーなどウッディー調をベースにして、アンバーグリスなどアニマルノートをアクセントにした、重厚で気品のある香り。
- オリエンタル Oriental
甘くパウダリーな香りに、東洋のイメージを与える乳香、没薬(もつやく)、バルサムなどを配し、アニマルノートでまとめた独特な甘味と持続性のあるエキゾチックな香り。
(出典:日本香料工業会パンフレットより 日本香料工業会 香粧品香料委員会)
上は、香りを7つのタイプに大別したもので、実際には無数の香りが実現可能なわけです。
さて、あなたは無香料派でしょうか? それとも香料派?
香りについて今一度考えてみましょう。
- 香料が危険な側面を持ったのは30年以上前の話
- 香りある生活、香りある肌を楽しもう
編集後記
化粧品以外にも、洗剤や柔軟剤など様々な香りの製品があります。一方で香害という言葉も近年使われるようになりました。
サッポーの化粧品の香りは、フローラルグリーンタイプです。時々、昔の香り…なんて言われることもありますが(^^;)癒やされる香りですよ。
「サッポー美肌塾」第641号
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