ダメージヘア ホームケア編 Part-1…ダメージヘアの原因

ダメージヘア ホームケア編

 
 
S》》
サッポー先生
前々回の授業で、髪が傷むダメージを次の三つのパターンに分類しました。
  1. 紫外線・乾燥・酸化など環境から受けるダメージ
  2. パーマ・カラーリング..など化学的ダメージ
  3. ホームケア・サロンケアにおける物理・機械的ダメージ
1、2については次なる機会に譲るとして、今回は日々のヘアケア、3のホームケアにおけるダメージを取り上げます。
《《B
B子
ドライヤーの熱ダメージなら知ってる。
でもシャンプーやリンスにもダメージがあるのかしら?
《《A
A子
ブラッシングを指しているのだと思いますよ。
毛先から先に始めて、ブラッシングに強い力が加わらないように、などとよく聞くでしょう。
《《C
C子
そんなの全てわたしは注意してるがね。
あとで言おうと思ってたのだが、前回の髪の強さを測る実験をしてみたのさ。
わたしの髪は普通髪だろう。
150グラムの張力くらい平気だと思って最初に300グラムをぶら下げてみたら…プチン!さ。

まさかと思って100グラムで試してみたのさ。
ビール缶で200グラムだよ。
ところがこれも切れてね。
えっ!と思って、続けて2回してみたが…全部切れた。
恐くなって測るのはもうやめたよ……。

《《B あーっ、おばさんが先に言ってくれて助かったわ。
ホントいうと私も。
私の髪は太いからビール缶400グラム、張力200グラムは大丈夫と思ってたのに、何回測っても切れるの…。
結局つり下げることができたのは240グラム。

これって張力120グラムの強さってことでしょう。
ショックで言い出せなかったの。

《《A 実をいいますと、普通髪なのに私も100グラムが限界でした。
《《C なんだA子もB子もテストしてたのかい。
誰かが言い出すまで黙っておこうなんて、心根の曲がった娘達だ。
(…わたしの髪が一番弱いな…これは黙っておこう。)
S》》 ハイ、授業を始めます。
 
 

ダメージヘアの原因 その1
パーマやカラーリング施術における技術・知識の優劣

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

施術における技術・知識の優劣により、髪の傷みにとても大きな差が出ます。
一度傷むと治ることのない髪だけに、優れたサロン(施術者)選びに努力を惜しんではいけません。

髪の長い一生を考えると、間違ったサロン選びが原因で大きなダメージが繰り返されているようだと、健康で美しい髪などとても望めません。
ホームケアでいくら努力しても、髪を長持ちさせ毛母細胞が傷まないように、髪の補修(傷口の手当て)をするのが精一杯。
髪そのものが元通りに癒えるわけではないからです。

適切なサロン選びは、

  1. まず髪に対する優しさの技術を知っているサロンを選ぶ
  2. 上のサロンの中からヘアメイクの上手なサロンを選ぶ

けっして選択順序が逆にならないようにしてください。(機会があれば詳しく触れようと思います。)

 
 

ダメージヘアの原因 その2
頭皮を傷めている洗髪料(シャンプー)選び

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

薄毛、細毛そして脱毛の進行が気になる原因の半分は頭皮の健康にあります。
その頭皮の健康に大きく関わっているのが、洗髪のライフスタイル変化に伴うシャンプーの多用にあります。

シャンプー使用量の増加とともに細い毛が増えているのです。
いつからか、毎日洗髪するのが普通になっている方が多くなっています。
若い世代では毎日洗髪が殆どのようです。

髪(頭)の匂いに敏感になり、髪の汚れが多少でも放置できない気風が育ったというものでしょう。
一般的な傾向として、子供の頃から既に母親より髪の毛が細い人の割合が、次第に増えています。
頭皮も髪も清潔に保つ方がよいはずなのに、洗髪(シャンプー)の頻度が高くなるにつれて、薄毛・細毛が着実に増えているのです。

洗髪(シャンプー)することが髪に悪いというのではありません。
頭皮への影響が大きく、頭皮の健康を損なっているのです。
頭皮の一部が毛母細胞なわけですから、頭皮が不健康だと同じように毛母細胞の活力が低下、衰えていくのです。
頭皮は顔の肌と比べ、髪に守られた良い環境なので、頭皮が弱っていくのは顔の肌のように、目に見えてカサカサしたりべたついたり、といった変化はありません。

洗髪料(シャンプー)選びの間違いは、変化に気づきにくい点が恐いところです。
2年、3年と間違った洗髪が続いていると「いつしか髪が細く薄くなっていた..なぜ?」というわけです。

洗髪料(シャンプー)選びは、

1.まず頭皮の健康に主眼をおいたものにする
顔の肌と同じで、毎日洗髪する人は特に洗浄力の穏やかなものを選びます。
髪を傷めないために泡立ちが良くて、それでいて洗浄力は控えめなものが良いのです。
頭皮を健やかに保つ配慮があれば尚良いでしょう。
例えば、保湿効果・血行促進・油分補給などです。
これなら毎日洗髪がマイナスに働くことはなく、むしろ頭皮の健康を増進するものとなります。
2.次の選択基準は髪を優しく洗えること
髪に対する優しさの視点でいうと、泡立ちの豊富なものが良いのです。
頭皮に対するやさしさをいえば、洗浄力の穏やかなものが良いのですが、髪のことを考えると洗浄力が穏やかで尚、泡立ちも良いものが求められます。
いつも爽やかで清潔感が漂う頭皮と髪、肌に触れても悪影響のない髪。
…このような贅沢が当たり前になっているのが今の生活文化なのですね。

これも選択の順序を間違えないでください。
洗髪についてはまたの機会に詳しく解説していくことにしましょう。

 
 

ダメージヘアの原因 その3
日常の家庭におけるヘアケアの巧拙が与えるダメージ

 
 
サッポーの
シンボル/サッポーの視点
視点

今回のメインテーマにやっとたどり着きました。

サロン選びに洗髪料の選択などは、半分他人任せのヘアケア・ヘアメイクでした。

しかし、日常のヘアケアは、紛れもなくあなたの責任が100%のところとなります。
しかも、間違ったヘアケアがされていると、毎日ダメージを加算していることになるのです。

この節ではメインとなるケアだけを順に取り上げていくことにします。

1.洗髪時に受ける髪のダメージ

髪の表面は肌の角質より丈夫で硬い角質(キューテクル)で守られています。
しかし、肌の角質と同じで、水分を吸うとキューテクルは柔らかくなり、壊れやすくなります。
硬い紙が濡れたときのようなものです。
粗雑なテクニックで洗髪すると、それだけでキューテクルはズタズタに傷んでいきます。
特にキューテクル同士が擦り合わされると、最も効果的にお互いを破壊し合うのです。
シャンプーの泡が大切なのは、この摩擦を軽減するからです。
そして同じように大切なのが、優しいタッチの手指の使用です。
けっして、ゴシゴシ地肌(頭皮)を擦るような洗い方をしてはいけません。
頭皮の角質も傷みますが、それ以上に髪同士の摩擦で髪のキューテクルが壊れていくのです。

「頭皮と髪をしっかり洗う」…の意味は、優しい手指のタッチで丁寧に洗うことだと覚えてください。
それだけで、十分に汚れは取れています。

2.すすぎ時に受ける髪のダメージ

すすぎをしっかり行い、洗浄成分を頭皮に残さないようにする…ということが、常識として定着しています。
その通りなのですが、ここでも“しっかり”という言葉が誤解を生んでいます。
“しっかり”とは、強く力を入れて頭皮や髪を擦るということではなく、できるだけたくさんの湯水を、くまなく頭皮と髪に触れさせるということです。
すすぎにシャワーが使えたら殆ど手指は不要です。

優しい手指のタッチで丁寧にすすぐことだと、覚え直す必要があるようです。

 
 
S》》 このあと、
3.タオルドライが引き起こす髪のダメージ
4.ドライヤーブロー時に受ける髪のダメージ
5.髪の自然乾燥が起こす騒動とダメージ
6.下手なブラッシングが髪に与えるダメージ
7.スタイリング時の…………・・
と続くのですが、終わらなくなりそうですね。
今日の講義はここまでにし、ひとまず休憩としましょう。
次回に▼3.タオル…から始めることにします。
 
 
 
 
《《C こりゃあ大変だ。思い違いが沢山あるよ。
スキンケアと同じだな。常識という罠にはまっていたようだ。
知識は常にもう一歩が大切なんだな。
《《A 下手なブラッシングは身に覚えがありますが、タオルドライや自然乾燥にも巧拙があるんですか?
もしそうだったら、私の髪が弱くなっていたのも納得。
《《B “しっかり”と“丁寧”では、受け取る感覚が大違いよね。
私って素直だから、しっかり洗ってた。髪も頭皮も…….。
太くて丈夫なストレート毛のはず…と思ってたのに…。
《《C 太けりゃあ強いってものではないということだ。
だがな、間違いが多くあったからといって、悲観するものでもないさ。
きれいな髪になる可能性がより大きいということだ。
《《B おば様節ね。私もおば様節を見習うことにする。
でもサロン選びだとか、シャンプーなんかのヘアケア製品の選択は試行錯誤が続きそう…
《《C (シミ退治より長期戦かもな。髪の入れ替わりは年数が……)
S》》 ハイ、今日の授業はこれまで。
 
 

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