鉱物油(石油系)を使った化粧品は肌に悪い?

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化粧品を選ぶとき、成分をとても気にする人がいます。

今はそれほどではありませんが、かつて鉱物油、つまり石油由来の成分を使用した化粧品が叩かれた時代がありました。

かくいうサッポーもその当事者です。その体験を踏まえて、今回は鉱物油をテーマに講義を進めていきます。

化粧品に使用される鉱物油とは?

微生物や動植物の死骸などが長い年月かけ、地中で化学変化を起こしたものが石油、それを地下から取り出したものが原油です。

それらを精製して重油、軽油、灯油、ナフサ(粗製ガソリン)等々が作られます。「石油」という言葉は、いわばこれらの総称です。

さらにナフサを原料として、プラスチックや合成繊維など様々なものが作られます。化粧品に使われる鉱物油もその一つです。

この鉱物油の代表がワセリンです。ワセリンは、さらに精製するとミネラルオイル(流動パラフィン)固形パラフィンになります。

どうして、鉱物油が悪者に?

1970年代頃まで石油の精製技術が今ほど発達しておらず、わずかに不純物や毒性物質(光感作物質等)が含まれていました。

そのため、鉱物油を配合した化粧品でシミを作ってしまったり、アレルギー反応(炎症)を起こしたりする人が一定割合でいました。

それが元で「鉱物油(石油系)の成分は良くない!」というイメージが定着してしまったのです。

1980年代に入る頃には、精製技術が飛躍的に発達し、不純物や毒性物質は含まれなくなり、上のようなトラブルも起こらなくなりました。

鉱物油には、「酸化しない」「肌に浸透しにくい」という特性があり、今では医療を筆頭に美容分野においてもなくてはならない成分になっています。

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医療の現場では、ワセリンが手術(縫合)跡の保護や様々な塗り薬の基剤に使われています。傷口につけるのに最も安全な油だからです。

しかしながら、「鉱物油(石油系)が良くない」というイメージが今でも残っているためか、ネガティブキャンペーンに利用されています。残念なことです。

サッポーのクレンジングと鉱物油

サッポーでは1988年の発売当時から、クレンジングクリームにミネラルオイルを主要成分の一つとして配合しています。

そのためか、1990年代~2000年をピークに

  • 「ミネラルオイルなんか使用して大丈夫ですか?」
  • 「ミネラルオイルには脱脂力があると聞いたけど?」
  • 「肌が育つと言っているのに、ミネラルオイルを使うなんて!」

……等々、たくさんの問い合わせをいただきました。この美肌塾でもミネラルオイルを何度か取り上げています。

参考:ミネラルオイルは肌に良くない!?毛穴をつまらせるって本当?

参考:流動パラフィン(ミネラルオイル)は発ガン性物質なの!?

現在ではほとんどこのような問い合わせはなくなりました。

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世間に鉱物油の安全性が認められたことが大きいですが、サッポーが問い合わせの返信や講義の中で、真実を伝え続けた結果だと自負しています。

そして今や、このクレンジングクリームが、サッポーの中でも1、2を争う人気製品になっているのです。

肌に浸透しない安全性浮き上がった汚れを逆流させない保留性が、敏感肌はもちろん、乾燥肌にも脂性肌にも優しい理由です。健康な肌には、その健康を支える陰の立役者となっています。

化粧品成分にこだわるよりも大切なこと

そもそも化粧品成分を「植物系」「動物系」「石油系」などと分類し、化粧品の選択基準とするのは、ナンセンスだとサッポーは考えます。

ましてや自然派、オーガニックの化粧品が良くて、鉱物油、石油系は合成だから良くない……という歪んだ理屈には閉口します。

石油もれっきとした自然界が作り出したものです。そして、成分の由来が植物でも動物でも石油でも、化粧品成分として使用するときには、全て化学的に精製されたり、合成されたりしています。そうしないと不純物だらけで、肌には危険だからです。

化粧品を評価するポイント

とはいっても、化粧品に配合される成分は気になるもの。

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細かく言えば、名前が同じ成分でも、原材料の選び方や精製技術レベルに差があり、品質が違うのです。しかし違いは、化粧品の成分リストを見ても判断できません。

では、化粧品を選ぶときは、どのように評価すれば良いでしょうか?

大きな視点は2つです。

比較的値段が高い化粧品

品質の良い材料や高い技術を求めれば、それだけコストアップします。高価な化粧品は、見えない部分にお金をかけています。

ロングセラー製品

長年にわたって販売されている化粧品は、多くの人が使用し続けているということです。これは製造面にも信頼がおけると思って良いでしょう。

いかがでしたか?

もし、あなたが鉱物油(石油系)にマイナスのイメージを持っていたら、それを払拭することができたでしょうか?

スキンケアをする上で、化粧品成分を気にするのは当然のことですが、品質という部分にも目を向けてみましょう。化粧品選択の視野が広がりますよ。

今日のサッポー美肌塾まとめ

  • 鉱物油は、今や最も安全な化粧品成分である
  • 化粧品成分は、原料は何であっても安全性と品質が求められる
黒板に注目!


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