毛穴の開きに悩む方は多く、あの手この手で、少しでも毛穴を小さくしようと努力しています。
サッポーのスキンケア相談室を利用された“Mayu”さんもその一人。
“Mayu”さんのご質問・相談
教えて下さい。
前に美肌塾で、毛穴が大きいのは角質が未熟でやせているからだと知りました。よく育ち太った角質で囲まれた毛穴は当然目立たないと。では冷水ですすぐと毛穴が引き締まるというのはどういうことなのでしょう?
冷水を浴びると角質は一時的に太るのですか?
「よく育った表皮細胞や角質で肌が作られたら、毛穴が目立たなくなる」というサッポーの解説に納得していた“Mayu”さん。
それなのに「冷水でも一時的に毛穴が目立たなくなる?これは肌が育ったということ?」と戸惑われたようです。
冷水で毛穴が引き締まるわけ
“Mayu”さんの質問に答える前に、冷水で毛穴が引き締まる理由について案内しておきましょう。
冷水ですすぐと真皮層を含めた肌全体が冷え、毛細血管や表情筋がきゅっと収縮します。
つまり、表皮を支える土台部分が引き締まるため、それにつられて表皮が縮み、毛穴も目立たなくなるのです。これが、冷水の引き締め効果です。
しかし、これは一時的な現象に過ぎません。冷えていたのが元の温度に戻れば、毛穴も元に戻ります。角質が太ったのでも、粗かったキメが良くなったのでも、肌が育ったのでもありません。
“Mayu”さんも皆さんも、ここで「なぁ~んだ!」とガッカリしないでくださいね。冷水で毛穴を引き締めることには、良い効果もあるのです。
仕上げの冷水洗顔が良いわけ
クレンジングや洗顔を終えたあと、冷水で肌をすすぐことで
- 毛細血管(血流)
- 表情筋
- 汗や皮脂の分泌機能
これらに心地よい刺激を与え、それぞれの機能の訓練になります。
この訓練は、今日明日で成果が出るわけではありませんが、続けることで機能が維持されます。言い換えれば、若い肌が維持できると言うことです。健康のために、毎日ウォーキングをするようなものですね。
ところが、これらが行きすぎた刺激になっていたら危険です。
たとえば、冬に寒い洗面所での冷水洗顔は刺激が大きくなるのでやめましょう。寒いところにいるだけで十分刺激となり、毛穴は引き締まっています。
また、氷水による洗顔もやりすぎは危険です。何度もバシャバシャしたり、長く肌を浸したりするのは、刺激を超えて凍傷に繋がります。
収斂化粧水や引き締め化粧水の使用は?
一方で、化粧品を使用して毛穴の引き締めを行う方法もあります。収斂化粧水や引き締め化粧水と呼ばれる製品です。
このような製品の多くは、アルコールの気化熱を利用し、肌を冷やして、毛穴を収縮させます。これを収斂効果と呼んでいるのです。
通常しっとりタイプの化粧水のアルコール配合量が10%程度なのに比べ、収斂化粧水や引き締め化粧水は15%以上です。
こちらの製品については、下記で詳しく解説します。
中には、アルコールフリーの収斂化粧水や引き締め化粧水もあります。アルコール以外の成分、たとえば、スルホ石炭酸やクエン酸などの薬剤の刺激によって収斂させています。
といっても、化粧品に利用する時は、配合量が制限されているため、市販のものについては薬のような効果効能があるわけでないので、問題ありません。
しかし、医薬部外品扱いの製品については、この限りではないので注意しましょう。
アルコールを配合した収斂化粧水や引き締め化粧水
肌の状態によっては、アルコール配合量が多い製品の使用で弊害が起きることがあります。
アルコールが刺激になりやすい敏感肌はもちろん、乾燥肌、オイリー肌の方は避けるべきでしょう。肌が冷えるだけならいいのですが、アルコールには皮脂を溶かす働きもあるからです。
皮脂とは、肌上に分泌されたものだけではありません。角質と角質を繋いでいる細胞間脂質もアルコールによって溶けるのです。
こうなると、角質が予定より早く剥がれ、ターンオーバーが早まります。さらに、次に表皮を守る角質は、時間が与えられないまま角質となるため、未熟で剥がれやすい状態です。
「気持ちいいなぁ~」「毛穴が小さくなった!」と使い続けていると、肌はどんどん乾きやすくなり、肌自身を守るために、汗や皮脂を過剰に分泌するようになります。
つまり、乾燥部位はますます乾燥し、オイリーな部位はますますオイリーになるのです。
毛穴を引き締めるために使用しているのに、これでは、いつの間にか毛穴がさらに目立つ肌になってしまいます。一つひとつの角質が痩せて小さくなるので、毛穴(隙間)が大きくなるのは当然です。
このような製品は、その場の効果を狙ったものであり、未来の肌を考えた製品ではないのですね。
いかかでしたか?
今日は、毛穴の収斂・引き締めについてお話しました。
冷水にしても、専用化粧水にしても、効果は一時的です。それで、目立つ毛穴が改善されるわけではありません。改善は、肌が育つこと以外にはありえないのです。
冷水洗顔そのものに肌が育つ効果はありませんが、肌の健康維持には一役買ってくれます。簡単なことなので、環境が良いときは、毎日の習慣にしましょう。
- 即効で現れる収斂・引き締め効果は、見かけだけ
- 目立つ毛穴を改善するには、一つひとつの細胞が育つこと
更新
出来てるようで、出来ていない……“洗い過ぎない洗顔”
サッポー美肌塾では、洗顔による皮脂や汚れの「取り過ぎ」「洗い過ぎ」に警鐘を鳴らしています。でも、これは今では常識になってきました。しかし「洗い過ぎない洗顔」の出来ている方はごく少数です。
- 「もしかして私の洗顔も、“洗い過ぎ”なの?」
- 「洗浄力の弱いクレンジングなら、大丈夫なのでは?」
どこからが洗い過ぎなのか、ハッキリとした判断基準が無いので、次々と疑問や不安が湧いてきます。
洗い過ぎにならないためには『洗浄力』と『手指の力加減』がポイントです。
- 洗浄力の無いクレンジング料
- 界面活性剤が肌に残らない洗顔料
- 手指と肌の摩擦で汚れを取らない
これらが揃って“洗い過ぎない洗顔”だとサッポーは解説しています。
サッポーのクレンジング料も洗顔料も、上の条件を満たしています。あとは力加減を調節するだけ。
洗顔は、毎日行うスキンケアです。小さな変化の積み重ねが、大きな変化に繋がります。良い洗顔を選びたいですね。