肌に赤みや白斑が!?日本を揺るがした美白製品の話題

美白化粧品のイメージ

以前(2013月7月)、某大手の化粧品会社の販売する美白化粧品の使用で、まだらに白斑が生じるという訴えが多発しており、美白製品54種の商品について自主回収することが報道されていました。

肌に赤みがまだらに生じ、赤みの中心部が白く色抜けしその周囲に赤みが残り輪になっているというものです。使用をやめると回復すると言うことで、今は事実を発表し、回収に大わらわなのでしょう。

白斑といえば、病気としての尋常性白斑、俗称で「白なまず」とも呼ばれますが、現れとしてはこれと同じです。ただ病気の場合は全身に広がっていくのですね。有名なところでは、世界の大スター、マイケル・ジャクソンや女優の森光子さんが同じ病気でした。

今回のニュースで怖いのは、2年ほど前から同様の訴えがあったという事実です。何か他の皮膚の病気だとして対応がなされていたようです。おそらく全ての美白化粧品には似たようなトラブルが以前より多く発生していたとサッポーは見ています。よく知られているのは、シミの発生です。

肌に与える刺激を少なくすることによって実現するのが本物の美白

これはサッポーがずーーーっと言い続けていることです。でも、“美白”という言葉に女性は弱いのでしょう。安易に美白製品のお世話になってしまうところがあります。実際に白くなるのですから無理もありません。

美白成分で白くなる仕組み

簡単に説明すると、二つの方式があります。

一つは、メラニンを作る細胞メラノサイトのメラニン生成過程を妨害し続ける方法です。今回のはこちらでした。もう一つは、メラノサイトが作り出すメラニンをせっせと漂白し続ける方法です。いずれの方法でも白くなるのは事実です。

但し、これら二つの方式には大きな問題があります。メラノサイトは表皮の最下層にある細胞ですから、美白成分をバリア層(角質層)を通過させて表皮下層にまで届けなければなりません。これって不自然な行為ですよね。バリア層は肌の健康を守るための防波堤となって、化粧品だけでなく、汚れや雑菌、ウイルスなどの侵入を阻止するためにあるのですから。

美白成分利用の問題点

メラノサイト本来の存在目的は、有害な紫外線によって肌が壊され、劣化・老化していくのを防ぐことなのですから、そのメラノサイトが危険を感じて一生懸命メラニンを生産するのを妨害したり、せっかく作ったメラニンを無色化して無効にしてしまうのですから、もし肌に口が有れば「何てひどいことを!」と叫ぶに違いありません。

バリア層下の表皮細胞組織は生体そのものです。たとえ美白成分という名前で呼ばれていても、生体組織にとっては異物以外の何物でもありません。免疫反応(炎症等)の対象にいつでもなり得るものです。ちょっと肌のご機嫌が悪い(敏感な肌状態)と、無視できずに炎症反応を起こして排除しようとします。

これが赤みの現れであり、痒みや皮むけが見られたりする現象です。ここで問題なのは、些細な程度なので何が原因か判らず、使用を続けてしまうことです。ところがこのような微細な刺激でも繰り返されると大きな別のトラブルに発展する場合があります。

以前から、シミの原因の40%近くを占めるのが、美白剤と紫外線吸収剤の不適切な使用であるということが知られていましたが、軽微な炎症の繰り返しが、メラノサイトの暴走を作っていたのです。今回の騒ぎもたぶんこのような現れの一つだと思われます。使用をやめることで元に戻る段階ということですから、幸いであったといえます。

紫外線などの刺激を抑えることが美白ケアの王道です

サッポーは、本当に美しい肌、白くて美しい肌を目指すなら、美白成分を利用した白さ作りではなく、肌自身がメラニンを作らなくて済むような環境を作ってあげるのが、本物の美白だと考えます。

メラノサイトは紫外線をはじめ、肌が受ける刺激に対して反応し、良かれと思ってメラニンを作っているものです。この様な大切な仕組みはそのままに、紫外線を受けるのを防御し、肌が受けるその他の苦痛を軽減してあげることで、メラニンそのものの生産量が減少するのですから、色が白くなります。肌の健康も保たれるので、肌の美しさも育ちます。これが本当の美白です。

これを言い換えると、サッポーの肌が育つケアそのものです。

薬事法で“美白”という言葉づかいが許されていることに、諸悪の根元があるのではないのかな?“白くする作用”くらいにしておけば、哀しい誤解も生まれずに済むのに……と思うのでした。

これから、まぶしい夏を過ごすと、美白製品を使いたくなる読者も多く出てくるでしょう。その時は、簡便な美白化粧品などに手をつけず、今日の美肌塾を思いだして、本物の美肌(美白)作りに取り組んでほしいと願うところです。


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