
ソバカスの解説
径が2~3ミリから5ミリくらいまでの色素斑。形は不規則で、淡い褐色から黒褐色まである。紫外線の多い夏期に鮮明化、冬期には目立たなくなる。赤毛や金髪の白人に多発。優性遺伝によるとされ、メラニンを作るメラノサイトが局所的に大型化し、機能が亢進しているもの。日焼けしても黒くならないタイプの肌に見られる。幼児期に発症するが、思春期に特に目立つようになる。鼻を中心に目の下や頬に散在する。日本人には少なく、形状が似ていると、老人性色素斑(紫外線等によるシミ)をソバカスと誤解している例も多い。
肝斑の解説
シミの一種だが、目の下や頬あたりに多発し、大きさは様々、左右対称に現れるのが特徴。境界は明瞭だが色は淡い褐色のものがほとんどである。通常のシミの最大原因は紫外線であることがほとんどだが、肝斑の原因は外部刺激ではなく内因性によると考えられている。30代、40代での発症が多く、妊娠や避妊薬が誘因になったりするので、女性ホルモンとの関係が深いとされている。薬で改善することも可能だが、真因がなくならない限り再発する。知らないうちに消えていることも多くある。
以上、サッポー流にソバカスと肝斑を解説しました。想像通りでしたか?
この認識に誤解があると、とんでもないケアの間違いに繋がりかねませんので、きちんと正しい知識を付けておきましょう。

たとえば、このようなソバカスやシミが、ある日突然濃くなってることに気づいたら……
さて、あなたならどうするでしょう?
- 「こんな時こそ美白化粧品!」
- 「レーザーしかないのでは?」
- 「遺伝や内因性となれば薬でしょう?」
- 「どうしようもないことはあきらめが大切!」
このように色んな声が聞こえてきます。今日の講義は、ソバカスや肝斑のつきあい方と対処法がテーマ、とりわけ今回はソバカスの解説です。
ソバカスとのつきあい方・対処法
現在のところ、ソバカスをなくすことはできません。体質遺伝と捉え、上手につきあっていくのが正攻法です。でも、普通のシミをソバカスだと思い込んでいる場合もありますから、上の解説を参考にして見分けましょう。普通のシミなら、シミとして取り組むことが必要です。
ソバカスは紫外線に対してとても正直に反応する色素斑で、紫外線との接触を少なくするほどに薄くなり、ほとんど見えないくらいにまでなります。逆に紫外線との接点が少し増えるだけでどんどん濃くなって目立つようになります。紫外線に対する感度が高いのです。
このようなソバカスですから、対処の基本も、だいたいわかりますね。紫外線対策次第ということです。問題は、どの程度の紫外線対策をするかです。
- 一年中ソバカスが目立たないレベルを目標にしたい
- 冬期はほとんど目立たないが、夏はかわいく目立つ程度にとどめたい
- 解消できないのなら、頓着しない。目立ってもよい
サッポーは2.がよいのでは?と思います。でも、1.や3.を目指してもいいのですよ。但し、忠告として、相談事例で目にするよくない例を挙げておきます。参考にしてください。
- 1.のよくない例
-
感度が極めて高いメラノサイトをおとなしくさせるために、徹底した紫外線防御を行います。ここまではいいのですが、その方法として、SPF値やPA値の高いものにこだわり、結果、耐水機能を強化した製品や紫外線吸収剤を利用した製品を常時使うようになり、新たなシミを作ったり、いつの間にか敏感肌になっていることがあります。
日常的に徹底した紫外線防御を行うなら、肌に優しいUV製品が基本です。SPF値やPA値にこだわらず、昼間は必ず紫外線散乱剤タイプでケアを施し、化粧が崩れたら必ず化粧(UVケア)を直す習慣こそが徹底されなければなりません。
このようなケアが維持できたなら、高い目標も実現され、すばらしい結果が期待できます。しかし、安易な方法に頼ると大失敗につながりやすいのです。
- 3.のよくない例
-
「ソバカスの濃い・薄いなどに頓着せず、肌が健康でキレイであれば十分」これはひとつの達観と言え、サッポーもこういった考え方は好きです。しかし、紫外線とのつきあいというものは、一歩の間違いが、必ず百歩の間違いになることに注意が必要です。
これくらいの紫外線なら大丈夫、UVケアもこれくらいで十分だろう……では、現実は上手くいくかもしれませんが、大失敗になるかもしれません。どういうことかというと、一歩の間違いなら、肌は日々の結果に違いを感じさせないのですが、一歩の間違いが1年=365日続いたらどうでしょう?5年=1825日続いたら、どのような違いになるでしょう?
怖いのは、紫外線が蓄積型のダメージだというところに尽きます。
- 紫外線ダメージは真皮構造物に蓄積され、しわやたるみを作っていく
-
通過してしまった紫外線量に比例して真皮層構造物、つまり肌を支える弾力繊維層を作るコラーゲン繊維が壊れています。この構造物は1ヶ月で作り替えられる表皮と違い4~5年かけて再生されるものであるため、壊される量の方が多ければ、しわやたるみが現れるのは時間の問題です。
- ソバカスがいつの間にかシミになっていることが多い
-
シミをソバカスと思い込んでいる人も多いですが、逆に、紫外線との接触頻度が多いと、ソバカスがシミに変化している場合がよく見られます。「冬になっても、ソバカスが少しも薄くならない!逆に大きくなったみたい?」これがシミに変化したソバカスです。ソバカスのある肌部位は紫外線に対してとても敏感に反応するということを再認識する必要があります。

以上が陥りやすい失敗例の代表です。
いずれも、気づいたときは“後の祭り”ですから、ソバカスと紫外線だけの問題ではなく、紫外線と肌のつきあいレベルをどのようにするかは、肌の未来を決める重要なテーマにつながるものです。
いかがでしたか?
UVケアが当たり前の時代になりましたが、UVケアと肌の関係について、私達の知識は思いの外不足しています。またソバカスや肝斑だけでなく、個々のトラブルを見ても、同様に肝心な知識が抜けていて、とんでもない努力やもったいない努力を続けていることもあります。
骨格となる知識から身につけていきましょう。
次回の講義では、「肝斑のつきあい方・対処法」を案内します。お楽しみに!
- ソバカスは、治すものではなく上手につきあうもの
- ソバカスがシミに変化していたら、ケアの失敗

「サッポー美肌塾」第560号
更新