梅雨が明ければ本格的な夏、強い紫外線が降り注ぐ季節です。海や山、キャンプなどのレジャーで「日焼けしてしまった!」という方が多くなります。
日焼けには、2種類あります。1つは色が黒くなる日焼け(サンタン)です。この日焼けは元の肌色に戻るのに、最低1ヶ月はかかります。
もう1つは火傷を伴う日焼け(サンバーン)で、少し赤くなる~焼けるようにヒリヒリする、酷ければ水ぶくれ……など程度は様々です。いずれの場合も炎症(免疫反応)が起きています。
紫外線の刺激を受けると肌の免疫細胞が指令を出し、毛細血管を拡張させます。毛細血管に溜まる血液が多くなるので、赤みが強くなります。
炎症自体は2、3日~1週間で落ち着きますが、この時のケア次第でシミを作るか、作らずに済むかが決まります。
今回の美肌塾では、このような火傷を伴う日焼けのアフターケアに焦点を絞り、解説していきます。
早めに冷やして、免疫細胞の暴走を止める
日焼けをしたら、とにかく早く冷やすことです。早ければ早いほど軽症で済みます。
冷やすのは、免疫細胞が暴走して炎症が拡大するのを防ぐためです。免疫細胞には、冷やすと落ち着く習性があるのです。
炎症の程度を小さくすることは、肌のターンオーバーの速まりを防止するという重要な役割を果たします。
肌を冷やすのは水がベスト!
水道水、それも可能なら流水、シャワーがいいですね。
水温は、刺激のない25℃~30℃程度が良いでしょう。夏であれば、蛇口から出る水の温度はそのくらいです。流水が難しければ、洗面器などにたっぷり張った水でもOKです。できるだけ長く、こまめに冷やし続けます。
なぜ水が一番効果的なのかというと、理由は2つあります。
1つは「比熱が大きい」こと。水の温度を上げるにも下げるにも、多くの熱エネルギーが必要です。つまり、肌から多くの熱を奪う力を持っているのです。
2つ目は「熱伝導率が高い」こと。水は熱が伝わるスピードが早いため、肌を冷やす効果が高くなるからです。
ここで早く冷やしたいからといって、氷水のような冷たすぎる水を使うのはダメです。熱すぎるのが刺激になるように、冷たすぎるのも免疫細胞にとっては炎症を起こす刺激となります。
冷却スプレーや保冷剤を肌に直接当てるなどの行為も同じ理由でお勧めしません。
もし水道が自由に使えなければ、水に浸して絞ったタオルを時々変えながら、肌に当て冷やし続けましょう。
屋外で水もないときは日陰に入り、タオルにくるんだ保冷剤や小型扇風機を当て続けるといった対処も幾分炎症を軽減してくれるでしょう。
日焼けした時のスキンケア
日焼けをしてしまったことを悔やんでも仕方ありません。肌を労わるスキンケアや肌管理で回復を待ちましょう。
- 洗顔
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石けんは洗浄力が強く、アルカリ性質が刺激になりやすいため、当分の間、使用を中止します。お持ちの洗顔料やクレンジングが反応しなければ、使用しましょう。
この時、日焼けで傷んだ肌に最も優しいのは、サッポーのような洗浄力がなく、柔らかいテクスチュアのクレンジングクリームです。
使用できる製品がないときは、水洗顔で済ませます。
- 保湿
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化粧水は、2、3日は使わない方が良いです。肌に浸透しやすく、気づかない刺激になっていることが多いからです。炎症が落ち着いてから使用を開始しましょう。
- 乾燥保護
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日焼けした肌は、とても乾燥しやすい状態になっています。必ず油性化粧品(乳液やクリーム)で乾燥から守ります。
乳液やクリームが反応する肌は、ワセリンが適しています。但し、ワセリンは極端に紫外線を透過させるので、外に出るときはUVケアが必須です。
といっても、ワセリンはベタベタするため、UVケア製品と相性が良くありません。反応せずに塗れる油性化粧品が欲しいところです。
サッポーなら、敏感な肌にも優しく、テクスチュアの良いエスカバー(敏感肌用クリーム)がお勧めです。UVケア製品との相性もバッチリです。
- UVケア
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日焼け止めやファンデーションなどで行いますが、炎症の程度によっては使えないこともあるでしょう。その時は日傘や帽子、マスクなどのツールを使ってガードします。
UVケア製品は、紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛)を利用したものが、肌に負担がなくお勧めです。
もう一つの紫外線防止成分、紫外線吸収剤(メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなど)は、浴びた紫外線を熱エネルギーに変えるので、肌に熱刺激が伝わり、炎症反応を起こしやすくなります。このことがシミの原因にもよく挙げられています。
UVケア製品には、耐水機能が強化された製品(ウォータープルーフ)がありますが、こちらも肌へ供給される汗(水分)を弾くので、肌の代謝が悪くなって回復が遅れます。
- 入浴
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基本は、温度の低いシャワーで済ませます。体温~それ以下が望ましいですね。シャワーの圧にも気をつけましょう。水の量を少なくするか、日焼けした患部から遠ざけることで弱まります。
湯船に浸かる場合は、36、37℃以下の湯温を必ず守ってください。
日焼けが顔だけであれば、「顔は湯船に浸からないから大丈夫なのでは?」と思うかもしれませんが、湯に温められた血液は全身の血管を巡ります。もちろん顔の血管も。その時、血液の温度が高ければ、これも免疫細胞を刺激します。
特に注意! してはいけないケアもある
- カーマインローション等、日焼け専用化粧水
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このような化粧水に共通しているのは、アルコール配合量が多いことです。アルコールの蒸散作用で肌温度が下がるのは良いことですが、同時に肌の水分を奪い、乾燥させます。
それ以前に日焼けした肌は、アルコールに刺激を受けやすくなっています。そもそも使用すべきではありません。
- フェイスマスク等、化粧水パック
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化粧水をより多く角質層に浸透させる効果があります。乾きやすくなった肌に良さそうに思えますが、そうではありません。
日焼けしてダメージを受けた肌は、バリア能が低下しています。化粧水が角質層を通り越し、浸透ではなく侵入してしまうのです。
侵入した化粧水を肌が異物とみなせば、免疫細胞も騒ぎ始めます。すると再び炎症が起こることになります。
- 美白ケア
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日焼けがシミになるのでは!?と、早めに対処したい気持ちは解りますが、逆にシミを作る原因になります。
美白コスメは、角質層を超えて美白剤を侵入させるように作られています。このタイミングでは、肌が免疫反応を起こしやすくなっているため、使用は厳禁です。
美白コスメがシミの一番の原因になっているのも納得ですね。
いかがでしたか?
このようなことに気を付けておけば、たいてい1週間程度で落ち着きます。でも落ち着いたからと言って、いきなり普段のスキンケアに戻すのではなく、使用するアイテムを少しずつ増やして様子を見ましょう。
免疫細胞は一度受けた恐怖体験を長く覚えていて、しばらくは、ちょっとした刺激でも反応しようとするのです。
- 火傷の日焼けは、まずは冷やして炎症の鎮静を
- アフターケアは、免疫細胞を刺激しないのが基本
更新
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